2013年1月9日水曜日

『#チェルノブイリの長い影』 ⑬検査は3グループの子どもに実施された



【資料】
衆議院チェルノブイリ原子力発電所事故等調査議員団報告書
7.
        調査の概要
(1)ウクライナ
③チェルノブイリ博物館視察
   表示(29.6MB)


検査は3グループの子供に実施された

グループ1-胎盤に放射性核種を取り込んだ状態で、チェルノブイリ原発事故後に生まれた子供213人。チェルノブイリ原発事故により、放射線汚染区域に常に居住する両親および子供[この区域の汚染レベルは、セシウム137515Ckm2185555 kBq/m2)、ストロンチウム902.5 Ci/km2 37 k/q/m2)]。

グループ2一事故にかかわった事故処理作業者の家族と、(両親がともに急性放射線線量に曝露した)プリピャチから避難し、キエフに居住する母親から、胎盤に放射性核種を取り込んだ状態で生まれた子供240人。

グループ3一事故にかかわった事故処理作業者の家族から生まれなかったが、[暫定的に汚染の少ない]区域に常に居住しており、胎盤に放射性核種が蓄積していない子供216人。

4検査グループの子供の血液の乳清中で探り出したホルモンの平均維持量
(左から順に、カルシトニン、副甲状腺ホルモン、成長栄養ホルモン、総チロキシン、インスリン、コルチゾール、テストステロンの指数)

注記:
1
.グループ1およびグループ2の指数と,対照グループの子供の指数とを比較した場合のp0.05
2
1つのグループ内での女児と男児との指数を比較した場合のp0.05
これらの子供に内分泌病変の進行を伴っていたことから、成長栄養ホルモン、総チロキシン、インスリン、コルチゾール、テストステロンなどのホルモン含有量の変化が明らかにされたことによって、適応特性があったということがわかる。
子供の骨系と身体発達との間には密接な関係がある。骨系の状態の変化は、姿勢に反映するだけでなく、運動機能にも影響を及ぼす。地域社会が実施した疫学的再調査結果によると、放射線汚染区域の居住者の脊椎の変形が、全被験者の57%であり、毎年この病変が広まっている傾向にある。
以上の調査研究の結果は、子供の成長および発育が、環境状態や複雑な経済状況に関係しており、科学者や小児科医が常に注意を払うことが必要であるという事実の明確な指標となっている。放射線に曝露した子供の幼少時から、複雑な病原因子について、毎年見直しを行う必要がある。このことにより、骨組織の構造の奇形について早期に注意を促し、できる限り予防することが可能となるほか、侵襲性の骨指向性放射性核種の長期的に取り込んでいるという状況であっても、骨格系の形成を最適化することが可能となる。効果的な公衆衛生措置を取れば、このような子供の骨量を積極的に増強させることができ、そのような監視措置および予防対策の実施下において、小児期および成人期ともに、骨折の発生率や、骨格病変の発症率を大幅に減少させることが可能となる。骨組織の性質および特徴が改善されれば、血液学的指標および免疫学的指標の改善にもつながり、このような子供の全体的な健康状態の改善や、この集団(コホート)の身体的病変の軽減にも反映されるのではないかと考えられる。


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【目次】
序文 ②
2.        照射によって生じる病変 ④
結論 ⑯
提言・注記一覧 


(注:赤字は、閲覧中の頁を示す)

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