2013年1月9日水曜日

『#チェルノブイリの長い影』 ①はじめに


【資料】
衆議院チェルノブイリ原子力発電所事故等調査議員団報告書
7.
        調査の概要
(1)ウクライナ
③チェルノブイリ博物館視察
   表示(29.6MB)
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CHORNOBYLS LONG SHADOW
Health Consequences of the Chomobyl nuclear disaster
A Summary of Findings Update 2006
Dr. Olha Horishna
Published by: Children of Chomobyl Relief and Development Fund: Kyif, Ukraina
2006
チェルノブイリの長い影
~チェルノブイリ核事故の健康被害~
〈研究結果の要約:2006年最新版〉
r. Olha V. Horishna
発行:チェルノブイリの子ども達への支援開発基金(2006年)
Children of Chomobyl Relief and Development Fund
Horshna博士
・ウクライナ国立軍事医学研究協会 シニア・フェロー(科学)
・公共公衆衛生センター 理事


は じ め に
「チェルノブイリの子ども達への支援開発基金」(Children of Chornobyl Relief and Development)は、ウクライナ国立軍事医学研究協会の上級科学研究員(シニア・フェロー)であり、また、ウクライナのキエフにある公共公衆衛生センター(「Zhinocha Hromads」)理事でもあるOlha Holshna 博士のご尽力により、チェルノブイリの原発事故の影響に関する最新の健康データの一部をこのような貴重な資料にしてまとめて下さったことに、感謝を申し上げる。また、チェルノブイリの長期的影響には取り合わず、重要に考えるなというきわめて大きな圧力を受けていたにもかかわらず、我々とともに研究を行って下さったベラルーシおよびウクライナの勇敢な科学者や医師の多くの皆様にもお礼を申し上げたい。本書で引用した科学者のなかでも、Yuri Bandezhevsky 博士をはじめとする方々は、チェルノブイリ原発事故の影響については重要視するなという要求を拒否したために、ベラルーシの関係当局から公然と嫌がらせを受け、ついには拘置されることとなった。ここに挙げた科学者は、「事例証拠」をタブーとして扱うべきではなく、影響を受けた人々について綿密な調査を行うための出発点としての役割を果たすべきであると考えている方々である。
 ウクライナの小児科学、産科学および婦人科学会研究所所長であるウクライナの医療科学学会員、Elena Lukyanova博士とその同僚の方々に、チェルノブイリの放射線に曝露した妊婦や予供達の健康に注意を呼び掛けるような嗣査研究を行っていただき、深く感謝している。
 また、環境地球化学研究所の副理事長で、工学博士のGeorge Lysychenko 氏にも貴重なご支援をいただき、感謝の意を表したい。
 本書は、この問題に関するチェルノブイリの健康影響または健康調査結果をすべて包括的にまとめたものではないことをはっきりと申し上げておきたい。あいにく、われわれはこのほか、健康への悪影響は今後さらに増大し、その悪影響がすべて予測できるものであるとは限らないと考えている。放射性セシウム137の半減期は30年であり、多くの癌の潜伏期間は20年以上続くことがある。照射を受けた両親から生まれた乳幼児の第一世代には、先天性異常は出現しないと考えられる。しかし、本書でまとめられているデータからは、チェルノブイリが依然として我々とともに存在し、人体にきわめて大きな異常をもたらすその範囲と潜在能力を侮ってはならないということを示す有力な証拠が得られている。
 放射線曝露によって起こる数多くの健康問題についてさらに視野を広げ、理解を深めるためには、さらなる研究を実施する必要があると確信している。しかし、本冊子は、コンピュータモデルや、自称「専門家」、およびロビイストの漠然とした予測に基づいたものではなく、実際のチェルノブイリの生存者に関する大規模な独自の調査に基づいてまとめられたものであるとして、重要な役割を果たしている。Horishna博士は、分子レベルや染色体レベルにまで踏み込んで、放射線曝露が、汚染区域に居住し続けている人々の健康状態のほか、避難者、チェルノブイリの事故処理作業者、放射線の被災者から生まれた子供達の健康状態に及ぼす実際の影響に焦点を合わせて取り組んでこられた。
 多くの方々がこの刊行物の重要性を理解し、本書をまとめ上げるのに多大な努力を捧げてくれた。われわれは、本プロジェクトに寛大なご支援をいただいたコロラド州、コロラドスプリングスのYaropolk Hladkyj 准将のほか、20回目の原発事故の日を迎えるにあたりご支援下さった匿名の寄贈者の方にも厚く御礼を申し上げたい。チェルノブイリの子供達への支援開発基金の共同創設者兼会長であるZenon Matkisky博士の技術監督および有益な提案がなければ、本書を刊行することができなかったであろう。われわれはこのほかにも、翻訳者のViktor Horishny氏、Olena Welhasch-yzhnykevych氏、Viktoria Pavlotska氏およびYulia Vitvitska 氏にも感謝の意を表したい。
 われわれ、チェルノブイリの子供達への支援開発基金としては、癌や白血病との闘いに徹底的に取り組むことによって、いかにして新生児集中治療室を作り、効果的な外科手術により出生異常の治療を行うのか、いかにして妊婦健診を実施し、死産や妊娠合併症を減らせるようにするのか、ケアが必要な子供達にできる限りの最良のケアを提供することができるよう、いかにして医師や看護師を訓練していくのかについて、知っている唯一の方法で、最大限に努力してチェルノブイリの影響に対処するつもりである。医療インフラを強化し、治療水準を向上させることによって、ウクライナやベラルーシの人々に断言できることがある。それは、彼らの子供達やその後の世代が、チェルノブイリが残していったものや、直面する他のいかなる健康危機をも乗り越えるのに必要な資源を持てるようになるということである。
Alexander B. Kuzna,
チェルノブイリの子供達への支援開発基金、常任理事
チェルノブイリの子供達への支援開発基金
272 0ld Short Hills Road

New Jersey
USA 7078
電話: 973.376.5140 FAX: 973.376.4988
Info
childrenofbhomobyl.org






電話: 044494.1535 FAX: 044.494.1536
Info-ua@childrenofbhomobyl.org
業績(注: CCRF=チェルノブイリの子供達への支援開発基金)
l         1989年以降、CCRF5500万米ドル以上を費やして、1300トンの空輸32回および海上輸送16回などの人道的支援を行ってきた。
l         ウクライナのリヴィブ地域に特化した小児科医院(Liviv Regional Specialized Pediatric Clinic)で最高水準の血液診断研究所を設立した(1990年)。この研究所は1997年、東ヨーロッパで最も優れた研究所であるとして、独自の国際査察チームにより、認定を受けている。
l         ウクライナ(キエフの救急病院および外傷センター(Kyiv Emergency Hospi!al & Trauma Center)に初めて、米国製の磁気共鳴画像診断システムを導入した。1994年以降、1万1千例を超える患者がMRIによる診断検査を受け、何百もの悪性腫瘍が見つかり、摘出された。
l         白血病および甲状腺癌を来している何百人もの小児に、癌薬物治療と、術後の薬物投与を行った。
l         11ヵ所の新生児集中治療室に、人工呼吸器、搬送用保育器、パルス酸素飽和度計などの高度救命技術を導入、設置した。(ドニプロペトロウシク、ルーツィク、リヴィブ、オデッサ、キエフ、ポルタバ、リヴネ、イバノフランコフシク、チェルニーヒウおよびチェルニフツィ)。
l         小児科、腫瘍学、外科学、臨床生化学および新生児集中治療の分野における何百人ものウクライナ人医師に向けて、訓練会議、実務研修および上級セミナーを実施した。
l         「新生児学の手引き(The Manual of Neonatology)」のウクライナ語版を初めて出版し、ウクライナ全域の新生児学専門家らに数千部のコピー版を配布した。
l         チェルノブイリ災害の影響に関する議会公聴会および国連フォーラムで、専門家証人として証言を行った。
l         CCRFの設立者らが、当基金の人道的功績が認められ、ウクライナの名誉勲章を授与された初めてのアメリカ国民となった。
l         CCRF1995年ニュージャージー州知事ボランティア賞(1995 New Jersey Governors Volunteer Award)を授与された。
l         John Deere, Monsanto, UMC, Procter & Gamble, Philip Morris, NestleおよびMedtronicなどの多数の一流企業から,大規模な助成金交付や資金援助が提供された。


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(資料)
『チェルノブイリの長い影~チェルノブイリ核事故の健康被害』<研究結果の要約:2006年最新版>


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