ウクライナで原発事故のあと 断続的に全国規模の停電
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【ウクライナ、キエフ】ウクライナで「核事故」は、チェルノブイリ――世界最悪の核惨事――の記憶がよみがえる魔法の呪文である。
だが、これはウクライナのアーセニー・ヤツェニュク首相が4日、ウクライナ南東部のザポリージャ原子力発電所の不具合を表現するのに選んだ用語であり、さらなる詳細も説明せずに使ったのだ。
ロイターが最初に「わたしはザポリージャ(原子力発電所)で事故があったと承知している」といった首相のことばを伝えた。
ヤツェニュクはその直後、新たに任命されたエネルギー相、ヴォロディミア・デミチシンに記者会見を開いて、このことを説明するように求めた。
Ukraine Energy Min says reactor problem was with generator side, not reactor itself. says main problem is shortage of power, thus blackouts
— greg white (@whitegl) 2014, 12月 3
ウクライナのエネルギー相は、原発に不具合があったのは発電機側であり、原子炉自体ではないという。主要な問題は電力不足であり、したがって停電…
「危険はありません…原子炉に問題はないのです」と、デミチシンはブリーフィングで語り、事故は出力システムに影響を与えたのであり、「まったく」エネルギー発生部と関連していないと付言したとロイターは伝えた。彼は、原子炉が5日に送電を再開する見込みだとも言い足した。
インターファックス通信ウクライナによれば、不具合は1,000メガワット原子炉が装備されている原発No. 3ブロックで発生した。発電出力が低下したため、すでに電力危機に陥っていた全国で、断続的な停電を招いてしまった。
インターファックス通信ウクライナによれば、不具合は1,000メガワット原子炉が装備されている原発No. 3ブロックで発生した。発電出力が低下したため、すでに電力危機に陥っていた全国で、断続的な停電を招いてしまった。
NB: If you're an official in *Ukraine* and you say the words *nuclear accident* it's advisable to clarify the safety situation post-haste.
— Paul Sonne (@PaulSonne) 2014, 12月 3
ご注意:あなたが「ウクライナ」の公人であり、「核事故」という言葉を口にしたなら、大至急、安全な状況であると明言なされるように、ご忠告申しあげよう
発電所は、ウクライナの紛争地帯から150マイル西方、チェルノブイリから400マイル以上南方に立地している。1986年のチェルノブイリ原子力発電所における爆発と火災のさい、放射性粒子の雲が大気中に放出され、ヨーロッパ北西部全域に漂った。
現在、ウクライナの電力供給量の約50パーセントが原子力発電によるものであり、全国の照明を点灯しつづけるためには、原子炉15基のすべてを稼動しつづける必要がある。
Assuming it is indeed as minor as now appears, suggest Yatsenyuk goes on a "how to talk about nuclear incidents without sowing panic" course
— Shaun Walker (@shaunwalker7) 2014, 12月 3
現状の様子と同じほど、本当に些細なできごとであるなら、ヤツェニュク氏に「パニックを引き起こさずに核事象について語る方法」教室に通われるよう、ご提案しよう
ウクライナは原子炉に装填する核燃料をロシア製に大きく依存している。ロシアのTVELがウクライナの核燃料の筆頭供給元であるが、ウクライナは供給の多角化で大きく前進した。アメリカのウェスティングハウス・エレクトリック社は、2013年に納入した同社製の燃料棒の設計変更を余儀なくされたが、最近になってウクライナ当局との紛争を解決したあと、原子炉2基に装填する核燃料の供給を始めた。
【筆者】
クリストファーはMashableの幹部記者であり、世界ニュース全般、とりわけ旧ソ連領域、なかでも過去5年にわたり居住し、仕事をしてきたウクライナのニュースを担当している。キエフ・ポストの元編集員であり、グローバルポスト、テレグラフ、タイムズ、インディペンデント、その他に寄稿している。オレゴン州、雨の多いポートランドの出身である彼は、平和部隊復員ボランティア(ウクライナ)でもある。
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【ウクライナ紛争地図にザポリージャ原発が占める位置】
画像出処:「リウネ原発で水位低下等のトラブル」 |
【続報】
ウィーン=喜田尚 2014年12月5日
ウクライナのデムチェシン・エネルギー相は4日、11月末から各地で計画外の停電が続くことから国民、産業界に大規模な節電を呼びかけた。ピーク時の電力消費を15%削減することを目標に深夜の電気料金の値下げを表明、工場の夜間操業を促すという。
6月以来ロシアからの天然ガス輸入が止まったことに加え、東部ドネツク、ルガンスク州に集中する炭坑地域が親ロシア派に支配され、火力発電でガスの代替となるべき石炭の備蓄が不足。11月末から気温が下がり電気消費が急上昇した。
さらに11月末に6基あるザポロージェ原発の原子炉のうち1基が電源系のトラブルで稼働を停止、危機に拍車をかけた。ドネツク州に近い東部の大都市ハリコフでは一部の公共交通機関が止まる事態に発展した。
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