2014年12月1日月曜日

AFP通信「外国特派員の手厳しい質問から逃げている政権与党、自由民主党」

選挙関連の記者質問から逃げている政権与党
Japan's ruling party accused of shying from election questions
By AFP
20141128 
安倍晋三首相の政権与党は、総選挙の前に外国特派員協会に人を送って、会見に応じるつもりが一切ないと28日に広報担当者が認め、同党が手厳しい質問から逃げていると非難を招いている。
自由民主党は、1214日の投票日の前に日本外国特派員協会(FCCJ)に党を代表して出向くことができる党幹部を見つけられなかったといった。
しかし、この動きは、時としておとなしくなる日本のメディアに比べて、厳しく詮索すると一般に考えられている外国の報道機関を自民党の大物たちが避けたがっているという疑心を煽りたてた。
安倍晋三首相の政権与党は外国特派員協会に人を寄越さないので、手厳しい質問を避けているのではという疑心を招いている。 ©Yoshikazu Tsuno (AFP/File)
「協会メンバーの多くは、これを自民党が世界第3位の経済大国に関する質問を受ける責任の放棄だと考えています」と、協会のイベント委員会委員長である現役ジャーナリスト、デイヴィッド・マクニールは述べた。
FCCJは主として外国人ジャーナリストを対象とした会費制クラブであり、定期的に記者会見を主催し、政治、学問、娯楽など各界の重要人物を招いている。
記者会見の場は、テーマにもよるが、欧米の標準で見て、パンチを引っ込めがちになる国内ジャーナリストの手にかかるよりも、強引な質問を浴びせる場合もあり、荒れがちになる。
その結果、FCCJの記者会見はしばしば日本でニュースになり、テレビや新聞がまともに取り組むのも気が引けるようなテーマを調べるのに、外国報道機関のプリズムを通った光を利用する。
最近の「どつぼ」――
英紙エコノミストとアイリッシュ・タイムズに寄稿しているマクニールは、自民党が党幹部を寄越して、世界のメディアに知らせなかったので、協会メンバーが選挙について知ることができなかったという。
「彼らが伝統を反故にしたので、わたしたちはとても頭にきています」と彼はいい、「彼らの来なかった理由には、がっかりです。忙しいのであれば、話し合うこともできたでしょう」と付け加えた。
疑惑とは、最近、閣僚が記者会見に出席し、右翼集団とのつながりを繰り返し問い詰められて、「どつぼ」にはまったあと、自民党が用心深くなったのではないかということだと彼はいった。
自民党は外国報道機関を避けていることを否定し、単純なスケジュールの問題であると言い張った。
「通常なら、FCCJでお話する機会があれば、ありがたくお受けしますが、いま、わたしどもは選挙戦のさなかなのです」と、自民党の広報はAFPに語った。
「安倍首相は過去に、首相としてではなかったですが、特派員協会でお話したことがあります。ですが、いま、首相は選挙運動で全国を回っています」と彼はいった。
安倍首相が沈滞した経済を再活性化するプランに寄せられた期待の波に乗って政権の座に登りつめてから2年も立たない来月、日本は選挙戦に入る。
安倍首相は彼の消費増税実施を引き延ばす計画に国民の承認が必要だというが、ニュース解説者らは、5億ドルの費用がかかる選挙は彼の政権掌握の強化策であるという。

 ©Toshifumi Kitamura (AFP/File)

【付録】
毎日新聞 20141205日 東京朝刊

 なぜ今、解散? 何のために選挙するの?」。先日、知り合いのアメリカ人教授に聞かれた。日本人でも「?」の今回の解散・総選挙。外国人なら「?????」だろう。たくさんの「?」に答える報道を、と日本外国特派員協会が各党に会見を申し込んだら……。

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