カナダ通信 The Canadian
Press
2016年3月28日
ブリティッシュ・コロンビア州南部海岸の沖合で生まれたシャチのオスの比率が高くなっているのが懸念されると研究者らはいう。Photo by The Associated Press/Elaine
Thompson
【ヴァンクーバー】研究者らによれば、ブリティッシュ・コロンビア州沿岸沖合に生息するシャチ群の子どものうち、オスが多くなっており、懸念されるという。
南部生息シャチ個体群で2014年12月30日以降、8頭の幼体が生まれているが、そのうちメスと確認されたのは、1頭だけであり、このため、シャチの今後に懸念される事態が引き起こされるかもしれない。
ワシントン州の鯨類研究センターは最近、さらにもう1頭の幼体がオスであると確認する報告を受け取った。
「以前にも非常に確かな手がかりを得ていましたが、いま非常によい写真が何枚かありますので、オスだとわかります」と、科学者のケン・バルコムさんは述べた。
J54と名付けられた幼体は、オスと確認済みの5頭のうちの1頭である。もう1頭がオスではないかと推測されており、残る1頭の性別は、今のところわかっていない。
メスのシャチが出産するのは、ほぼ3年に一度に限られているので、この性差の偏りは、幼体が出産適齢期になったとき、このシャチ群の繁殖が困難になることを意味している。
バルコムさんは、オスのシャチが自分の群以外のメスと番うことはないとして、次のように語った――
「理想的には、性差はおおむね半々です。世界各地で研究されてきた個体群の場合もその通りですし、この群の場合でも、当研究所が40年前に研究をはじめたときにそうでした」
最近のベビー・ブームでオスの出産が多くなったのはなぜか、その理由を研究者たちは探っており、バルコムさんはこういう――
「なんらかの毒性環境要因が関連しており、それが胎児に影響しているのではないかとわたしたちは考えています」
アシカ・アザラシなど、他の動物種の場合でも、毒性物質にさらされると、同じような傾向を示すと彼はいう。
それら毒性物質の出所は、放水路、農地、下水など、さまざまであり、バルコムさんはこういう――
「わたしたちは遅かれ早かれ問題を抱えることになります。わたしたちはその問題を鯨類に見ているのです」
彼は、毒性物質が鯨類におよぼしている影響を究明するためには、さらに研究することが必要であり、それには何年もかかると述べた。
南部生息シャチ個体群は、ブリティッシュ・コロンビア州南部沿岸およびワシントン州北部沿岸、セイリッシュ海で3群に分かれて生息する84頭のシャチで構成されている。
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whale calves
【クレジット】
Vancouver
Observer / the Canadian Press, “Toxins may have caused skewed sex ratio in
killer whale calves: researcher,” posted on March 28, 2016 at;
【セイリッシュ海】
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