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【緊急事態】ワシントン州の貯蔵施設で最大13,250リットルの放射性廃液が漏出
2016年4月19日
© Wikipedia
ワシントン州で先週末、1万リットルあまりの放射性廃棄物がマンハッタン計画時代の核廃棄物保管タンクから漏出したと見られ、不安を招く事態になっており、ある元作業員はこれを「破局的な事態」と名指した。
AP通信の報道によれば、日曜日(4月17日)にハンフォード核保全区で警報が鳴って、はじめて漏出の拡大に気づき、月曜日には作業員らが問題のある区域から廃液をポンプで排出する準備作業をしていたという。当局はまた、漏出の状況が悪化した原因を突き止めようとしていた。
どれくらいの量の廃液が漏れたのかが問われるのが、まさしく核の問題だが、トライ=シティ・ヘラルド紙(The
Tri-City Herald)の記事によれば、その量は11,000ないし13,250リットル程度になると見られているという。
ワシントン州政府のエコロジー局は声明を出し、「目下のところ、廃液が環境に漏出したり、公衆にリスクをもたらしたりすることを示す兆候はありません」とした。
問題は二層外殻保管タンクAY12で発生したのだが、このタンクは実のところ、2011年から漏れがあった。その当初、漏れは極めて少量であり、外壁と内壁の間に廃液が漏れると、ほぼ直後に乾いて、塩様の物質が残ったという。'Exposed and sickened': Washington state sues federal govt. over nuclear waste safety threats http://t.co/5n7lxfXDP5 pic.twitter.com/ZRtKhwpA72— RT America (@RT_America) 2015年9月3日
米国エネルギー省は3月、当初は3,000立法メートルの廃液を抱えていた保管タンクから、残っていた廃液を汲み出しはじめていた。ところが、この作業の最中――そして、ハンフォードで警報が鳴ったあと――作業員たちは、保管タンクの二重の壁の間に漏れた廃液の深さが213ミリメートルに達しているのを見つけた。
当局者らが状況を見直し、漏れた放射性廃液に対処する方法を策定するあいだ、排出作業は中断された。排出作業の開始とともに、漏れの状態が悪化したとも考えられるが、これはまだ確認されていない。
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エネルギー省は漏れを「想定内」といい、州政府エコロジー局は公衆に危険なしというが、最初に漏れを見つけた元ハンフォード作業員は違った見方をする。
「これは破局的な事態です。これはたぶん、タンク群の歴史でこれまでに持ち上がった最大のできごとです。二層外殻タンクは(廃棄物を人間と環境から安全に隔離する)あらゆる救世主のなかの最高ランク救世主であるとされていました」
タンクの管理を担当する政府請負企業、ワシントン州河川保全ソリューションズは、ジェファーさんが最初に漏れを発見したあとでも、2012年になるまで問題を認識していなかった。その後、州政府は残っている廃液を除去するようにと連邦政府に働きかけてきたが、先月になるまで作業は着手されなかった。
州政府エコロジー局によれば、ざっと75立方メートルの廃液がAY102タンクの内部に残されているという。
ジェファーさんは、次のように話した――
「2011年に問題があるといったとき、あの人たちはわたしを信じなかったので、悲しくなります。わたしに耳を傾け、素早く対応していれば、よかったと思います。たぶん今も、こうはなっていないのでしょう。これは『当方に問題なし。すべて順調』というハンフォード文化の実例です。真っ赤な嘘です」
ハンフォード核保全区は当初、マンハッタン計画の一環として1943年に構築された。数十年にわたり、日本の長崎に投下された原子爆弾を含め、兵器用のプルトニウムを生産したあと、冷戦の終結時に生産が打ち切られたとき、何百万ガロンもの廃液が発生していた。今後数十年間にわたる施設の浄化事業に数十億ドルかかると予想されている。
【クレジット】
RT, “‘Catastrophic’:
Up to 3,500 gallons of nuclear waste leak at Washington State storage site,”
posted on 19 Apr, 2016 at; https://www.rt.com/usa/340234-hanford-nuclear-waste-leak-washington/#.VyVcheGxLzY.twitter.
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