核の「ゴリアテ」に対峙する「ダビデ」:
「人類全員のため」に法廷闘争を遂行するマーシャル諸島共和国民
'David Against Nuclear Goliaths': Nation Wages Legal Fight 'for All Humanity'
「人類全員のため」に法廷闘争を遂行するマーシャル諸島共和国民
'David Against Nuclear Goliaths': Nation Wages Legal Fight 'for All Humanity'
いまだに米国の核実験の影響に苦しむマーシャル諸島民は、核保有9か国は核不拡散・核廃絶の義務を遵守しなければならないと声を上げている
専従記者、アンドレア・ガーマノス Andrea
Germanos
1954年3月1日、マーシャル諸島ビキニ環礁におけるキャッスル・ブラヴォー水爆実験のキノコ雲
太平洋の小国とマーシャル諸島の元核実験場の島が、前代未聞の法的措置に踏み切り、米国および他の8か国を相手取って、核軍備廃絶に向かう努力をなさないのは「人道上の正義の言語道断たる否定」であるとして国際司法裁判所に提訴した。
マーシャル諸島共和国に召喚指定された国ぐには、いずれも核不拡散条約加盟国である米国、ロシア、英国、フランス、中国に加えて、同条約に加盟していないが、原告が「慣習国際法を遵守する義務を負う」と主張する核武装諸国、イスラエル、インド、パキスタン、北朝鮮である。
木曜日(4月24日)、ハーグで9か国に対する訴状が提出されたのに加え、特に米国を被告とする訴状が米国の連邦地方裁判所に提出された。
米国は1946年から1958年にかけて、米国はマーシャル諸島共和国を核実験場に使い、12年間にわたって1日あたりヒロシマ原爆1.5発分を爆発させていた。なかでも悪名が高いのはキャッスル・ブラヴォー実験の爆発であり、これは米国が広島に投下した原爆の1000倍の威力を有していた。ジャーナリスト・作家、ロバート・コーラーが述べるように――
わが国は幾千人もの(マーシャル諸島住民)を恐ろしい――しばしば死にいたる――レベルの放射線に被曝させ、しかも少なくとも放射線暴露の一部は意図的なものであったことを示す紛れもない事実が示すように、人間モルモットに対する放射線の効果を研究する目的をもって、これを実行しただけではなかった。わが国はマーシャル諸島住民の生活様式と自然のままのパラダイスを破壊し、エバイ島の欧米風スラムに拘束された国内難民の国を出現させただけではなかった。わが国は「過去、現在および未来のあらゆる申し立て」に対する補償として1億5000万ドルをもって大量虐殺の負債に替え、国家として、わが国の実験による放射性降下物が彼ら島民たちにおよぼした影響に対するいかなる責任からも、国家として、逃げただけではなかった。わが国はまた、彼ら島民たちを核のコンキスタドール(コルテスやピサロら中南米文明の征服者)の目線から扱うことによって、かくも奥深く、かくも冷血な人種差別主義を露見させたのであり、この被曝はアメリカ人例外論を永久に打ち砕いたに違いない。
「わたしたちの民は、これらの兵器による破滅的であり取り返しのつかない被害をこうむったのであり、地球上の他の誰も二度とふたたびこのような極悪非道な仕打ちを受けることのないようにわたしたちは戦うことを誓うのです」と、マーシャル諸島共和国のトニー·デ·ブラム外相は述べた。「核兵器とその凄まじい影響が存在しつづければ、わたしたち世界の全員にとって、脅威になります」
この世界的な脅威に対処するために、この訴訟は損害賠償を求めず、むしろ40年以上も前に核不拡散条約第6条が次のように定めた核保有諸国の核兵器廃絶義務の履行を裁判所が命じることを目指している。
第六条 [核軍縮交渉]
各締約国は、核軍備競争の早期の停止及び核軍備の縮小に関する効果的な措置につき、並びに厳重かつ効果的な国際管理の下における全面的かつ完全な軍備縮小に関する条約について、誠実に交渉を行うことを約束する。
各締約国は、核軍備競争の早期の停止及び核軍備の縮小に関する効果的な措置につき、並びに厳重かつ効果的な国際管理の下における全面的かつ完全な軍備縮小に関する条約について、誠実に交渉を行うことを約束する。
この法的な異議申立てによって、「この小さな島嶼国は世界最強の9か国に対峙すべく立ち上がったのだ」と、アメリカの訴訟支援団体、核時代平和ファンデーションの代表であり、マーシャル諸島共和国法務チームの顧問を務めるデイヴィッド・クリーガーは書く。「これは核の『ゴリアテ』9か国に対決する『ダビデ』なのだ。その非暴力戦闘の戦場は法廷である」
「交渉が視野に見えてこない46年が過ぎて、いまこそ、この狂気に終止符を打つときである」と、クリーガーは声明書に書き添える。「マーシャル諸島はもうたくさんだといっている。人類全員のために豪胆で勇敢な立場に依拠しているのである」
マーシャル諸島における米軍核実験期間: 1946~1958年 同期間中、マーシャル諸島で爆発した核爆弾の数: 67発 これは、12年間毎日、ヒロシマ原爆1.5発分の威力に相当する 米軍核実験最大規模のキャスル・ブラヴォー水爆の威力はヒロシマ原爆の1000発分 出処: Why The Republic of the Marshall Islands? |
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本稿は、'David Against Nuclear
Goliaths': Nation Wages Legal Fight 'for All Humanity', by Sarah Lazare, staff writer of Common Dreams の日本語訳です。
原文:http://www.commondreams.org/headline/2014/04/24-5
原文:http://www.commondreams.org/headline/2014/04/24-5
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