2015年5月27日水曜日

スミソニアン誌「人類絶滅後の文明の遺産は地殻に掘った穴」

Smithsonian.com 総合雑誌スミソニアン

人類絶滅後の文明の遺産は地殻に掘った穴

人類文明最後の遺物は、われわれが地球に掘り進める穴になるかもしれない

(Image Source/Corbis)

メアリー・ベス・グリッグス Mary Beth Griggs
SMITHSONIAN.COM
2014年8月6日

人類が絶滅し、あるいは地球を完全に去るとすれば、なにが残されるのだろうか? 建設物や道路がたちまち植物と自然に掻き消されてしまうのは、出来のよい世界滅亡もの映画が描くとおりである。だが、ギズモドは最近の論文で、塔や記念碑は時の試練に耐えられないが、われわれが掘る穴は残るかもしれないという。

人新世ジャーナルに公開された論文の著者らが「これほど地殻の深くまで侵入し、あるいはこれほど大規模な深部地下改変をなした生物種は他にない」と書いたとおりである。著者らが指摘するように、動物が残す巣穴やトンネルは、地表からせいぜい数メートルの深さに達するだけである。植物はもっと大掛かりな根系を形成し、数十メートルまで広がることがある。だが、わたしたちの掘削孔、トンネル、坑道、貯蔵施設に比べれば、他の生物種はいまだにマイナー・リーグで競い合っている。

だが、小動物の穴にさえ耐久力がある。動物の穴の生痕化石が化石記録のいたるところに残されており、著者らは、地球の表面や地下に残された、もっとがっしりした刻印はさらに永く地質年代にわたって存続しそうだと述べる。

著者らは、地表の下に何キロも延びる、ほんとうに深い穴は、地球表面の様相に影響を与える風化作用と浸食作用から守られ、数千万年、あるいはもっと長く地質記録に残ると推定する。地下核爆発の遺跡など、他の独特な人工事物もまた、途方もなく長い期間、永続することだろう。

サイエンティフィック・アメリカン誌は、この人新世ジャーナル掲載論文の主著者が、人類が地球にもたらす影響によって定義される新しい地質年代、つまり人新世に人類が移行したのか否かの答えを解明する作業部会の座長であると指摘する(2016年までに結論が出る予定)。地質学者のなかには、人新世が公式用語とされるためには、地質記録で人新世が始まったとされる時期の明確な境界が必要であると主張する向きもある。地殻に対する人間と機械による撹乱がその境界とみなされるかもしれない。

[訳者のお断り:
原文に貼られたリンクを割愛しました。必要な方は、原文でどうぞ…
http://www.smithsonianmag.com/smart-news/humanitys-legacy-might-be-holes-we-leave-behind-180952266/

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