2015年5月25日月曜日

鉱業ニュース「ウラニウム業界は一歩前進、二歩後退」~世界の投資家は日本の原発再稼働の動きに一喜一憂

ウラニウム業界は一歩前進、二歩後退
Onestep forward, two steps back for uranium: report
アンドリュー・トープ Andrew Topf 2015524

ダンディ・キャピタル・マーケッツの最新報告によれば、核燃料価格とウラニウム採掘企業に影響をおよぼす可能性のある3つの動きがあり、ウラニウム投資家は短期的には警戒を迫られている。

ダンディの部門専門家3名が執筆した報告によれば、この3つの要因は、2011年福島事故後に停止している日本の核反応炉の非常に重要な再稼働と東京電力の動きに関連している。

東京電力に関しては、経費の削減に併せ、閉鎖中の原発の再稼働が不透明であることから、同社が在庫しているウラニウムを売却したがっていると伝えるメディア報道がある。売却額はスポット市場規模の15パーセント、昨年のウラニウム取引総額の3パーセントにあたり、これでは市場がだぶつくのにじゅうぶんであり、多くの関係筋は価格を押し下げると恐れている。ダンディは、市場が短期的な影響をこうむるが、「ウラニウム生産が反応炉側の必要量に追い付いていない」と反論する。

市場に悪影響をおよぼしかねない第2の要因は、大阪の北方に近接する大飯原発の停止中の反応炉2基を再稼働させる計画を実行することを関西電力に禁じた裁判所の決定である。

訴訟の対象になった大飯原発の反応炉2基は、2012年に一時的に再稼働されており、フクシマ後に発電を再開したのは、日本国内でこの2基だけである。だが、2基とも昨年9月に点検のために再び停止した。

この決定は、関西電力が核反応炉の安全性を法廷で証明できるまで、再稼働できないことを意味する。ダンディは、このニュースは需要以上に投資家心理に影響し、「わたしどももまた、この訴訟と差し止め命令がビジネスを前進させる正常なコースに戻されることを期待しております」と記す。

報告によれば、期待できるウラニウム市況動因は、日本で5番目の核反応炉と3番目の原発の再稼働が認可されたことに関連している。愛媛県の四国電力伊方原子力発電所3号炉が地震と津波に対する安全防護対策が強化され、安全審査で承認されたので、投資家心理が上向くだろうとダンディは述べる。3号炉は2016年はじめに始動すると期待されている。

ダンディは投資家に向けて、ウラニウムのスポット価格とウラニウム株の短期的な弱含みを予測し、したがってUr EnergyUranerz EnergyEnergy FuelsCamecoなどに対する固定価格契約を推奨している。ダンディは、Paladin Energy (TSX:ASX:PDN)を避けることと助言し、長期見通しとしては、ウラニウム探鉱企業はおおむね影響を受けないと見ている。

【記事の元ネタ】

5月20日付けDUNDEE CAPITAL MARKETS - Uranium Sector Outlook (PDF)

表1.再稼働認可を提出した日本の核反応炉の現状

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