サセックス大学の統計学的解析:— inoue toshio 子どもを守れ! (@yuima21c) 2016年9月25日
核発電に特有の極めて高いリスクが過小評価されており、チェルノブイリまたはフクシマ・タイプの事故が再来するリスクが大きい。@asuka_250 https://t.co/SFcWeX1FCP #Fukushima #フクシマ pic.twitter.com/gNeL8zZoX4
科学ニュース
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――研究機関から
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専門家らによれば、チェルノブイリまたはフクシマ・タイプの事故再来の可能性が大きい
掲載:
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2016年9月19日
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出処:
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サセックス大学 University
of Sussex (News)
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概要:
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歴史的事故のこれまでになく大規模な統計学解析によって、核発電に特有の極めて高いリスクが過小評価されており、今後の惨事を防止するために大変革が必要であると提言されている。
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これまでになく大規模な核事故解析を実施したリスク専門家らの研究チームは、今後、チェルノブイリやフクシマに匹敵する規模の惨事は世人が考えるよりもずっと早く起こりうると警告している。
イングランドのサセックス大学とスイスのチューリッヒ工科大学の研究者たちは、200件を超える核事故を解析し、そのうえで――これまでの災害のさい、業界が実施した対応の効果を評価・照合し――核発電リスクの厳しいアセスメントを提示している。
研究者らの結論は憂慮すべきものであり、核事故が起こる頻度は実質的に減っているものの、これは中・大規模事象の抑制によって達成されたという。彼らは、フクシマ・チェルノブイリ規模の災害が勃発する可能性は100年あたり一度や二度では済まず、米国スリーマイル・アイランドにおける1979年のメルトダウン事故(損害額100億米ドル)に匹敵する事故が10年ないし20年毎に起こるだけでは済まないと見積もっている。
論文の筆頭著者、スペンサー・ウィートリー博士は、「わたしたちは、核発電のリスク・レベルが極めて高いことを明らかにしました」といい、次のように説明する――
「スリーマイル・アイランドやチェルノブイリなど、事故に際した業界の対応に前向きな影響を認めることができましたが、フクシマのような激甚災害の可能性を取り除くためには不十分です。そのような可能性の芽を摘むには、大部分が第二世代テクノロジーのものである現在の反応炉の大群に対する抜本的な変革が必要とされています」
Energy Research & Social Science(エネルギー・リサーチ&社会科学)、Risk
Analysis(リスク解析)2誌掲載の論文2点で公表された研究は、核産業に対して、事故データに関してこれまで以上の透明性を迫る斬新な圧力になっている。
核産業の「不備があり、不完全なこと甚だしい」公表データは、リスクに対する自信過剰な態度を招いている、と研究は警告している。研究チームは、彼ら独自の解析は業界自体が公表したデータより3倍多いデータを含んでいるという事実をあげている。これはたぶん、報告類を編纂する国際原子力機関が核部門の規制と推進という二重の役割を担っているせいだろう。
この新論文の執筆陣は、報告類、学術論文、プレスリリース、公文書、新聞記事から彼らのデータを収集した。その結果、前例のない――これまでで最大の独立解析の2倍の規模の――データセットが得られた。著者らはさらにまた、このデータセットは重要な情報源であり、不断に発展させ、一般市民と共有する必用があると強調している。
論文を共著したサセックス大学サセックス・エネルギー学群のベンジャミン・ソヴァクール教授は、次のように語る――
「わたしたちの結論は冷徹です。国際原子力機関が事故や事象を予測するさいに――特に極端事象の影響に注目する場合に――用いている標準的な方法論には問題があることを示しています。
「次に起こる事故は、一般市民が考えているより、ずっと切迫しているかもしれませんし、ずっと過酷なものかもしれません」
研究チームはまた、事故の格付け方法を根本的に考えなおすように求め、現行の方法(不連続的な7段階のレベルに分ける国際原子力事象評価尺度)は非常に曖昧であり、定義が貧弱で首尾一貫していないことが多いと論じる。
研究チームは新しい解析で、資産の破壊、緊急事態対応費、環境の修復、避難、罰金、保険金請求などの諸要因を計算して、事故ごとのコストを米ドルで算定した。また、1死亡例ごとに、米国政府が人名の価値を計算するさいの金額、600万ドルのコストを加算した。
この新しい解析は、2011年のフクシマ事故と1986年のチェルノブイリ事故の合算コストが4250億ドル――他の全事象のコストを合算した総額の5倍――になることを示した。
しかしながら、これら2件の極端事象は、国際原子力事象評価尺度で7――最高過酷レベル――に格付けされている。フクシマだけでも、影響の現実的な甚大さを評言するには10と11のあいだのスコアが必要だろう。
著者らはさらにまた、とりわけ総体的な影響に関心が向けられる場合、このような総体的影響の頻度・過酷度に関する確率論的解析が業界標準の確率論的安全性評価を補完するツールとして使われるべきだと強調する。
ソヴァクール教授は、次のように付言している――
「チェルノブイリとフクシマのような破局事故は過去の遺物でないことを、結果が示しています。
「たとえ新しい核テクノロジーを導入するとしても、古い核施設を運転したままにしている限り――運転許可を延長し、既存反応炉の免許を更新している最近の傾向に鑑み、その可能性が大きいですが――そのリスク、および地球の核反応炉の大群を運転することの総体的リスクは残ります」
著者らは最後に、この論文は比較的な性格のものではない、つまり他のエネルギー源のリスクを数値化していないと強調している。これは核発電のみのリスク評価を提示しており、それ故、多くの基準を考察しなければならなくなる、複数の電力源に関するポートフォリオの選択肢のなかから、単一の電力源について、単一の基準を伝えるものである。
共著者のディディエ・ソーネット教授は、次のように強調している――
「われわれの研究は核産業をけなしているように見受けますが、他の考察や改善の余地を考えると、今後において、実際に核エネルギーが魅力的になるかもしれません」
研究チームが解析した核事象のコスト・トップ15リストは次のとおり――
1.
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ウクライナ、チェルノブイリ(1986)………………………
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2560億ドル
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2.
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フクシマ、日本(2011)………………………………………
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1660億ドル
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3.
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敦賀、日本(1995)……………………………………………
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155億ドル
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4.
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TMI、米国ペンシルヴェニア州(1979)………………………
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110億ドル
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5.
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ベロヤルスク、旧ソ連(1977)…………………………………
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35億ドル
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6.
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セラフィールド、英国(1969)…………………………………
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25億ドル
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7.
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アセンズ、米国アラバマ州(1985)……………………………
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21億ドル
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8.
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ヤスロフスケ・ボフニチェ、チェコスロヴァキア(1977)…
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20億ドル
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9.
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セラフィールド、英国(1968)…………………………………
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19億ドル
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10.
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セラフィールド、英国(1971)…………………………………
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13億ドル
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11.
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プリマス、米国マサチューセッツ州(1986)…………………
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12億ドル
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12.
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チェペルクロス、英国(1967)…………………………………
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11億ドル
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13.
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チェルノブイリ、ウクライナ(1982)…………………………
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11億ドル
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14.
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ピカリング、カナダ(1983)……………………………………
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10億ドル
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15.
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セラフィールド、英国(1973)…………………………………
|
10億ドル
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Story Source:
Materials provided by University of Sussex. Note:
Content may be edited for style and length.
Journal References:
- Spencer
Wheatley, Benjamin K. Sovacool, Didier Sornette.Reassessing the safety
of nuclear power. Energy Research & Social Science,
2016; 15: 96 DOI:10.1016/j.erss.2015.12.026
- Spencer
Wheatley, Benjamin Sovacool, Didier Sornette. Of Disasters and
Dragon Kings: A Statistical Analysis of Nuclear Power Incidents and
Accidents. Risk Analysis, 2016; DOI: 10.1111/risa.12587
【クレジット】
University of Sussex. "Risk of another Chernobyl or Fukushima
type accident plausible, experts say." ScienceDaily. www.sciencedaily.com/releases/2016/09/160919113044.htm
(accessed September 25, 2016).
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