2016年9月19日月曜日

ツリーハッガ―樹木愛好家「米国で検査したハウスダストの90%が有毒化学物質で汚染」~日本では☢汚染も…?

  

ハウスダストの90%が有毒化学物質で汚染

メリッサ・ブレイア―
MelissaBreyer (@MelissaBreyer)
Living / Green Home
2016
914



   © DutchScenery

ハウスダストを徹底的に調べた包括的な研究が、ダスト試料の90パーセント以上からフタル酸類や難燃剤類などの有害化学物質を検出した。

ダストにご注意を、ふ~(溜息)。

脅迫的にきれい好きだったり、典型的な消費財を自宅に持ちこまなかったりすれば、この厄介な問題に悩まなくてもいいだろう。だが、その他大勢のわたしたちが注意しなければならないことに、ハウスダストの形で自宅に入りこみ、無害と思える粉が、日常使いの製品に由来する危険な化学物質にまみれていることを新たな研究が突きとめた。

有毒なダストの塊の可能性があるとしても驚くことはない――これはすでに当サイトで取り上げたトピックである――が、この新しい研究は、ハウスダストから検出される有毒化学物質に関するメタ分析としては最初のものである。その結果、平均的なアメリカ人が消費財および建材に由来する、嫌悪すべき、混沌とした化学物質――癌、ホルモン作用撹乱、生殖問題など、雑多な健康に対する影響をおよぼす化学物質――にさらされていることが明らかになった。
[訳注]メタアナリシスmeta-analysis)とは、複数の研究の結果を統合し、より高い見地から分析すること。メタ分析メタ解析とも言う。(Wikipediaメタアナリシス」より)

この新しいデータは、ジョージ・ワシントン大学ミルケン公衆衛生大学院、『沈黙の春』研究所、天然資源保護協議会、ハーヴァード・T・H・チャン公衆衛生大学院、職業&環境医療プログラムの研究員らが結集した多機関合同研究班によって提示されている。

ジョージ・ワシントン大学ミルケン公衆衛生大学院のアミー・ゾータ准教授、科学博士にして理学修士は、「わたしたちの研究は、ハウスダストに認められる消費財化学物質に関する最初の包括的な分析です。その知見によって、人間が、とりわけ子どもたちが日常的に、ダストに含まれ、深刻な健康問題に関連する多種多様な化学物質にさらされていることが示唆されています」と述べる。

ゾータ博士と彼女の研究班は、種々26点の査読審査済み論文および米国内14州の家庭で採取したダスト試料を分析した未公開データセットからデータを収集した。研究班は全データを総合して、ヴィニール床材、個人用品や洗浄剤、建材や調度品など、消費財や家庭用品に由来して、わたしたちの家庭に侵入する、潜在的毒性を有する45種類の化学物質を見つけた。

論文の著者らは、消費財の化学物質は空気中に放出されて、ダストに沈着するという。化学物質は肺に吸引されるし、皮膚を通して吸収されさえもする。

以下に、肝要な知見をいくつかリストアップしておこう――

数多くの研究を総合して、家具、ベビー用品、その他の家庭用品でよく見つかる難燃剤であり、TDCPP[トリス(1,3 - ジクロロプロピル)ホスフェート]という既知の発癌物質などの有害な化学物質が、ダスト試料の90パーセントで見つかっている。

屋内ダストは例外なく、4種の有害な化学物質を特に大量に含んでいる。その4種とはすなわち、フタル酸エステル類、フェノール類、難燃剤類、高レベルにフッ素化された化学物質類(HFCs)である。

フタル酸エステル類は、ダストの1グラムあたり7,682ナノグラム――他のものに比べて、数桁も高い膨大な量――という最高レベルの蓄積を示している。DEP[ディーゼル排気微粒子]、DEHP[フタル酸ジエチルヘキシル]、DNBP2,4-ジヒニトロ-6-secブチル・フェノール]、DIBP[フタル酸ジイソブチル]などのフタル酸エステル類は、ダストに最高レベルで蓄積しているだけでなく、数多くの深刻な健康被害と関連付けられている。アメリカ連邦議会が2008年、フタル酸エステル類による被害を懸念して、子どもの玩具の製造でこれを使うことを禁止したものの、数百品目もの消費財に野放しではびこっている。

洗浄剤、その他の家庭用品で使われている化学物質、フェノール類は、難燃剤、それにフライパンのような焦げつかない商品の製造に使われるHFC[ハイドロフルオロカーボン]類に次いで、二番目に高レベルに危険な化学物質分類に属していた。

さらにいっそう厄介なことに、種種雑多な化学物質の多くが、発癌性や発生・生殖毒性など、同じような健康リスクに関連しており、集合的にふるまって、問題をこじらせる。つまり、少量の被曝であっても、影響が混じりあうなら、とりわけ発育中の乳児と幼児の場合、作用が増幅される。天然資源保護協議会の専従科学者である共著者、ヴィーナ・シングラ博士は、「わたしたちのリビングルームのひとつ残さずに存在してよさそうな毒物と検査されていない化学物質の数と毒性レベルは、わたしにとってショッキングでした」といった。彼女は、「日用品と建材に使われている有害化学物質は、わたしたちの住宅に汚染の蔓延という結末をもたらします――これらの危険な化学物質は、より安全な代替品に取り替えられるべきです」と言い足した。

以下に列挙する予防策を講じれば、役に立つだろう――

潜在的に危険な化学物質を含有する身繕い商品や家庭用品を避ける(ある意味、当サイトTreeHuggerのマントラ。下記のリンク先の情報が有益)。

HEPA(高効率空気中微粒子分離)フィルタを備えた真空掃除機で頻繁に掃除する。この種の掃除機は効率的に微粒子を捕捉し、標準型の掃除機が空気中に再循環させるような汚染物質とその他のアレルギー源を取り除くことができる。頻繁にフィルタを交換し、詰め物付き家具の掃除を忘れないこと(コーチやクッションの下を掃除する)。

湿式モップでカーペットを敷いていない床を頻繁に拭き掃除し、ダストや土埃が貯まるのを防ぐ(乾式モップはダストを舞い上がらせる)。

家具を新規に購入するさい、ラベルをチェックし、染み忌避剤、抗菌処理剤、難燃化学物質を使っているものはすべて避けるべし。

湿らせた綿布で家具を拭く。ホコリを払う場合、合成スプレー剤や合成払拭剤は――望ましくない化学物質を加えるだけなので――避けること。

割れ目や隙間に詰め物をして密閉し、手が届きにくい箇所にダストや土埃が貯まるのを防ぐ。

オゾン空気清浄機は――オゾンは肺を刺激し、ダストやその他の浮遊粒子を除去しないので――避ける。

幼い子どもが這い回ったり、座ったり、遊んだりする場所は格別な注意を払う。幼児は床に最も接近して生きており、有害ダストにさらされている(しかも、影響に弱い)。

「沈黙の春」研究所(Silent Spring Institute)の環境被曝科学者、ロビン・ドッドソンさんは、「消費者には、より健全な選択をし、わが身を日用品の有害化学物質から守る能力が授かっています。こうしたことが、自分の健康だけでなく、より安全な製品に市場が転換するうえでも、実質的な違いをもたらします」と語った。研究で見つかった化学物質についてさらに学び、研究の双方向性図形をご覧になるためにNDRC(天然資源保護協議会)サイトをご訪問ください。
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Tags: Chemicals | Cleaning | Diseases | Health | Toxins

【クレジット】

TreeHugger.com, “90% of house dust tested has toxic chemicals,” by Melissa Breyer, posted on September 14, 2016 at;


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