2018年10月4日木曜日

#英紙ガーディアン【#沖縄】玉城デニーの知事選出は安倍晋三と米国政府にとって頭痛の種



【日本】沖縄県知事に米軍基地反対派を選出

父親が米軍海兵隊員だった玉城デリーの選出は、安倍晋三と米国政府の頭痛の種になるだろう

沖縄県知事選挙に勝利して支持者らと祝う玉城デニー(中央)。Photograph: Hitoshi Maeshiro/EPA

【東京発】ジャスティン・マッカリー Justin McCurry in Tokyo
2018101日(月)04.45 BST

日本の南部、沖縄で米軍の重要基地を移転するという物議をかもしている計画は101日、この動きを阻止すると公約した玉城デニーがこの島嶼県の知事に選出され、後退を余儀なくされた。

父親が米軍海兵隊員だった玉城は、反基地公約を掲げて勝利し、島内北東部沿岸の人口希薄な地域に、市街地のなかに広大な地積を占めて位置する普天間基地を移転する計画に反対して戦うと誓った。

玉城は、普天間基地の将来をめぐって、長期間にわたり地元住民に対する戦いに固執してきた政府の首班、安倍晋三首相が率いる与党連合に後押しされた候補を打ち負かした。

母親が日本人であり、父親に会ったことがない玉城は、彼の前任者、翁長雄志の死後も基地移転を阻止する活動を引き継ぐと公約していた。玉城は大多数の沖縄人と同様、既存施設の閉鎖とその人員および装備類すべての島外転出を望んでいる。

翁長は、沖合滑走路を新設するために海面を埋め立てる企てを阻止しようとしていた。彼と中央政府は決着をつけようとして互いに対して提訴し、最高裁判所は2016年に政府の肩をもつ裁定を下した。

ところが沖縄県は今年6月になって、同県の埋め立て承認を撤回し――実効的に建設作業に歯止めをかけて――またもや政府に対する法的決着をつける可能性にかけた。

移転反対派は、新基地は沿岸集落の辺野古に近く、その海域の繊細な海洋生態系を破壊するとともに、近隣住民を危険にさらすという。

かつてラジオ番組のホスト役をこなし、野党の国会議員を務めた玉城は、喜びに湧く支持者たちを前に、移転を押し止めると語り、「翁長雄志知事が命を懸けてでも守ろうとした『辺野古に新基地を造らせない』という遺志がわたしたちに勝利をもたらしました」と言い添えた。

米軍当局者らは、南シナ海および東シナ海で考えられる一触即発事態に対応し、北朝鮮に対して核兵器を放棄するように迫る圧力をかけるための能力を維持するためには普天間基地の移設は不可欠だと考えており、玉城の勝利は彼らを失望させることになるだろう

米国政府は移転の見返りに、8,000人規模の兵員とその縁者を沖縄からグアム、ハワイ、その他の配属先に移駐させることに同意していた。

米国務省は玉城の選挙戦勝利に祝意を表明した。同省広報官は、「合衆国は、沖縄が米日同盟および両国間相互安全保障に果たしている貢献をこころから高く評価しております」と共同通信に述べた。

玉城の勝利はまた、自由民主党総裁に再選されたばかりであり、日本で最長任期の総理大臣になる道筋に乗った安倍にとって政治的に頭痛の種にもなる。

日曜日の投票日に間近くなった追い込み局面で、自民党および連立与党の大物政治家たちが頻繁に沖縄入りし、政権与党が結果にこだわるほどの重要性を浮き彫りにした。

基地の移転は、20年以上も前の1995年、米軍人3名が12歳の少女を誘拐して、レイプした事件が発生し、地元で怒涛のような反対運動が高揚したのを受けて、米軍基地受け入れ負担の軽減策として合意された

普天間基地は人工稠密な宜野湾市のど真ん中に配置されており、犯罪、騒音および住宅や学校の近接地における航空機事故の恐れなどに対して度重なる苦情を申し立てられてきた。

【クレジット】

The Guardian, “Japan: US military base critic voted in as Okinawa governor,” by Justin McCurry, posted on October 1, 2018 at https://www.theguardian.com/world/2018/oct/01/japan-us-military-base-critic-voted-in-as-okinawa-governor.



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