日本のメディアは日本人受賞に浮かれてばかりだが…😅— Fukushima☢Watch (@yuima21c) 2018年10月9日
ノーベル医学賞の癌免疫療法は大概のアメリカ国民の手に届かない
A Nobel Prize-Winning Cancer Therapy Will Be Unaffordable for Most Americans. Public Pharmaceuticals Can Help Change That. https://t.co/AHXpHY2jZ2 via @commondreams
ノーベル賞の癌治療は大多数の米国人に適用不可能。公営製薬事業がこの事態を変革できる
生物製薬が真に未来の薬品であるとすれば、わたしたちは米国内における処方薬の価格を決める方法を変革しなければならず、そうしなければ、数百万人の患者が置き去りになる
ドナ・ブラウン Dana Brown
「現在の癌治療薬の平均コストは平均世帯収入の4倍」 (Photo: TheNextSystem)
アリソンと本庶の研究にもとづいて開発されたもののような免疫療法は、癌、その他一群の慢性疾患を治療するまったく新しい方法を実現するための実に重要な一歩になる。しかしながら、今回のノーベル賞は、製薬企業が請求する法外な薬価のため、このような革新的な療法は合衆国では非常に多くの患者の手に届かないものになることを思い起こさせるはずだ。
腫瘍学者のエゼキエル・エマニュエルはノーベル賞発表のほんの数週間前、「癌を治療できるはずの薬が買えない」と題する評論をウォールストリート・ジャーナルに寄稿し、免疫療法によって「癌の治療は可能、実に可能になった」が、その付け値では、わが国の保健制度で払うことができないと書いた。Voxリポーター、ジュリア・ベラズはノーベル賞発表の直後、「がん治療薬の平均コストは平均世帯収入の4倍(強調は筆者による)」であることを思い起こさせてくれた。
免疫療法は(化学製剤の反対語である)生物製剤という部類に含まれる薬品を用いる医療であり、疾患細胞を個別に狙い撃ちできることから、多発性硬化症、喘息〔ぜんそく〕、慢性疼痛、クローン病など、以前は難治性とされていた多くの病態の治療で非常に有望な成果を示している。だから、現在の世界トップ10ベストセラー薬品の大半が生物製剤であるのも驚くことではない。
一般市民は――癌、その他の疾病の免疫療法薬品数点を含む――近年の食品医薬品局承認薬のひとつひとつを開発するための費用負担の一翼を担っているのに、わたしたちがそのような治療を受けたいと思うと、ふたたび薬価を支払い、しかも喜んで支払うのだ。わたしたちが既に書いたように、この類いの二重課税を回避するひとつの方法は、公営製薬企業の創設に投資して、公衆の健康を守るために必要と考えられる場合、薬剤を製造し、経費のみの価格で、さらにいえば経費を下廻る価格で配布できるようにするということになるだろう。
キューバはおそらく、世界で最も発達した公営製薬部門を保持しているようであり、実際に生物製剤の成果で知られている。キューバの生物製剤産業は、ワクチン開発・生産、慢性腎臓疾患の治療薬の開発、糖尿病に関連する切断手術のリスク軽減に成功して、大盛況である。
キューバは1960年に医薬品部門を国営化し、保健省による援助のもとで一連の製薬企業を統合した(後に基礎産業省に移管)。キューバは1980年代、バイオテクノロジー能力の開発に着手し、1990年から1996年までの期間だけで10億ドルをその部門に投資した。キューバのバイオテクノロジー産業は2013年時点で1,200件ほどの国際特許を保持し、50か国以上の国ぐにで生物薬剤製品とワクチンの販売を展開していた。
この完全公営の製薬制度で実現した数かずの製剤技術改革の成果のひとつが、肺癌の免疫療法ワクチン、CimaVaxである。この治療薬は、2016年中に世界で推定170万人の死亡を招いたと世界保健機関が発表した病気に有効な最初のワクチンとして世界的に絶賛された。CimaVaxはとても有望であり、米国、英国、カナダ、日本、ヨーロッパ諸国の一部で臨床試験が実施されているほどである。さらに言えば、4回分のCimaVax投与量のキューバにおける費用は「最大100ドル」にすぎないと伝えられている。
米国とキューバは、革新的免疫療法提携という合弁バイオテック開発事業を形成さえしており、米国のロズウェル・パーク綜合癌センターが、CimaVax、その他の癌療法を活用できるようになっている。ロズウェル・パークはすでにCimaVaxの臨床試験を実施して、米国内の医療で使用するための食品医薬品局[FDA]による承認の獲得をめざしており、合弁事業は目下、他にも準備中の癌治療薬の開発を計画していて、やはり米国内で販売活動を推進するためにFDA承認の獲得をねらっている。
ところが同時に、トランプ大統領による最近の北米自由貿易協定[NAFTA]交渉の結果、地域内の生物製薬の特許保護期間が10年に延長されてしまった。生物製剤産業は米国内における12年間の排他的販売権をすでに享受しているが、いまカナダとメキシコで適用可能になった10年間の特許保護期間は以前の期間よりもずっと長く、両国の保健制度に不必要な経費を加えることになり、患者たちがこの線の治療を受けるのを制限することになる。
さらにまた、国民医療受診プログラムの代表、ピーター・メイバーダクによれば、バイオ製剤の特許保護期間の延長はバイオ後続薬(基本的に、バイオ薬品のジェネリック医薬品)市場を制限することによって、そのような薬品の価格を米国内外の両方で押し上げる可能性がある。
生物製薬が真に未来の薬品であるとすれば、わたしたちは米国内における処方薬の価格を決める方法を変革しなければならず、そうしなければ、数百万人の患者が置き去りになる。変革を実行する方法のひとつは、公営製剤事業に投資して、必須薬剤の適正な供給と公平な入手機会を保証できるようにすることである。
【筆者】
【クレジット】
Common Dreams, “A Nobel Prize-Winning Cancer Therapy Will Be
Unaffordable for Most Americans. Public Pharmaceuticals Can Help Change That,”
by Dana Brown, posted on Tuesday, October 09, 2018 at https://www.commondreams.org/views/2018/10/09/nobel-prize-winning-cancer-therapy-will-be-unaffordable-most-americans-public.
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