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――ハーヴィー・ワッサーマン Harvey Wasserman
損傷のひどいフクシマ4号炉建屋 |
わたしたちはこれから2か月以内に、キューバ・ミサイル危機以来、人類最大の危機的な状況になりかねない瞬間を迎えようとしている。
いま行動しなければ、申しわけが立たない。人類が動員しうる資源のすべてをフクシマ4号炉の燃料プールに集中しなければならないのだ。
フクシマのオーナー企業、東京電力は、地上30メートルの高さに設けられた、損傷の激しいプールからの使用済み燃料1300本の取り出しを60日もしないうちに開始するという。プールが乗っかっている建屋は、被害がひどくて、傾き、沈下していて、自壊しなくとも、次の地震でたやすく崩壊しかねない。
プール内の約400トンの燃料は、ヒロシマ原爆が放出した放射能の15,000倍以上のものを吐き出しかねない。
この危機で確かなのは、東京電力には対処するための科学的、技術的、財務的な資源がないことだ。状況は、人類が結集しうる最良の科学者と技術者による世界規模の協調作業を必要としている。
これは、なぜ深刻なのだろうか?
フクシマの敷地を通って、寿命の長い毒性のアイソトープという悪魔の醸造物を帯びた、何千トンもの高度に汚染された水が太平洋に注ぎ込まれているのは、すでに周知のことである。フクシマ由来と突き止められる放射性物質に被曝したマグロが、すでにカルフォルニア沿岸の沖合で捕獲されている。もっと悪い事態も予測しうる。
東京電力は、どうにかして冷温に保たなければならない、原子炉3基のメルトダウン炉心の付近に水を注入しつづけている。蒸気プルームの存在が、地下のどこかで核分裂が継続していることを示唆している。だが、それら3基の炉心がほんとうはどこにあるのか、だれにもわからない。
その放射能で汚染された水の多くは、急いで組み立てられ、敷地のあちこちに散在する、ざっと1,000基の巨大だが脆弱なタンクに収められている。多くはすでに漏れている。次の地震ですべてが壊滅するかもしれず、そうなれば何千トンもの永続的な毒物が太平洋に放出される。(注:比較的に小規模な地震が水曜日に福島県で起こったが、このことは、将来、この地域でもっと大規模な地震が発生するのが避けがたいことを示唆している。
Stirring Immediate Fears, Earthquake Strikes Fukushima)
Stirring Immediate Fears, Earthquake Strikes Fukushima)
敷地を流れる水はまた、4号炉の核燃料プールを支えているものを含め、フクシマの残骸構造物の土台を蝕んでいる。
いま4,000体以上の燃料集合体が4号炉からたった50メートルだけ離れた共用プールに収められている。その一部はプルトニウムを封じ込めている。プールには閉じこめるための覆いがない。冷却材喪失、近傍の建造物の崩壊、新たな地震、新たな津波、その他多くのものに対して弱い。
全体で11,000体以上の核燃料集合体がフクシマ・サイトの周りに散在している。長年にわたって専門家である元米エネルギー省職員、ロバート・アルヴァレス氏によれば、チェルノブイリで放出された分の85倍の量の致死性のセシウムが敷地内にある。
Fukushima Daiichi Site: Cesium-137 is 85 times greater than at Chernobyl Accident
Fukushima Daiichi Site: Cesium-137 is 85 times greater than at Chernobyl Accident
放射能のホット・スポットはいまだに日本のあちこちにある。地域の子どもたちの甲状腺被害の確率が上昇した徴候がある。
喫緊の最優先事項は、できるだけ早くどうにかして核燃料棒を4号炉建屋から安全に取り出すことである。
福島原発を破壊した2011年の地震と津波の直前、4号炉の炉心は定期点検と燃料再装荷のために取り除かれていた。アメリカの24基、それに世界ではもっと多くの原子炉と同じように、いま炉心が収められているゼネラル・エレクトリック設計のプールは、地上30メートルの高さに置かれている。
THE REAL FUKUSHIMA DANGER: SPENT FUEL POOLS
THE REAL FUKUSHIMA DANGER: SPENT FUEL POOLS
使用済み燃料はとにかく水中で保管しなければならない。核燃料はジルコニウム合金で包まれていて、空気にさらされると自然発火する。ジルコニウムは古くからカメラのフラッシュ・バルブに用いられ、きわめて明るく熱い炎となって燃える。
多いのない1本の燃料棒は、近くにいる人間を分単位の時間で死亡させうるのにじゅうぶんな放射線を出す。大火災となれば、全人員が敷地から逃げることを余儀なくされ、電子制御機械の機能を失わせかねない。
40年間、業界で働き、かつて燃料棒の製造に携わっていたアニー・ガンダーセン氏によれば、4号炉の燃料棒は、曲がり、損傷し、ばらばらになるまでに劣化している。カメラで見ると、それ自体が損傷しているプールのなかに、途方に暮れるような量の瓦礫(がれき)がある。
4号炉プールを空っぽにするうえでの技術的・科学的課題は、類い稀であり、圧倒されるほど手強いとガンダーセン氏はいう。しかし、100パーセント完了するまでやり遂げなければならない。
この企てが失敗すると、燃料棒は空気中に露出し、発火して、恐るべき量の放射能を待機中に放出する。プールが地上に落下・激突するかもしれず、そうなれば、燃料棒が一緒くたに堆積して、核分裂を起こし、爆発しかねない。その結果、放射能の雲が発生して、わたしたち全員の健康と安全を脅かすだろう。
1986年のチェルノブイリ事故後、最初のフォールアウトが10日間でカリフォルニアに到達した。2011年、フクシマのフォールアウトは1週間以内に到達した。4号炉における新たな核燃料火災は、幾世紀にもわたって致死性の放射能毒の絶えまない流れを吐き出しつづけるだろう。
Keep harmful radioactive waste out of our children's food, whether conventionally grown or organic! Say Bye Bye Becquerels!
Keep harmful radioactive waste out of our children's food, whether conventionally grown or organic! Say Bye Bye Becquerels!
元外交官、村田光平氏はこういう――フクシマからの全面的な放射能放出は「世界環境とわたしたちの文明を破壊するでしょう。これは頭をひねるような問題ではなく、原子力発電所をめぐる喧嘩腰の論争とも関係ありません。人類存続の問題なのです」
東京電力も、日本政府も、単独ではこれを実行できない。この惑星上の最良の科学者たちと技術者たちの結集したチームより劣るものですませていれば、申しわけが立たない。
わたしたちが行動するまで、2か月、またはそれ以内しか余裕がない。
Urgent international petition calling for immediate action on the uncontrolled radioactive discharges at Tepco’s Fukushima Nuclear Power Plant
Urgent international petition calling for immediate action on the uncontrolled radioactive discharges at Tepco’s Fukushima Nuclear Power Plant
とりあえず、わたしたちは国連およびオバマ大統領に対して、世界の科学者および技術者の集団を動員して、フクシマで責任を担わせ、これらの燃料棒を安全な場所に移動させるようにすることを請願している。
The World Community Must Take Charge at Fukushima
The World Community Must Take Charge at Fukushima
あなたにもっとよいアイデアがおありなら、それに従ってほしい。だが、とにかく実行を、それもいますぐに実行なさってほしい。
時計はカチカチ回っている。地球規模の核惨事を示す針は、痛ましくも真夜中に迫っている。
本稿はクリエイティブ・コモン・ライセンスとし、著作権者(原文筆者)クレジット明示の条件のみの3.0ライセンスにて、自由に転載できます。
This work is licensed under a Creative Commons Attribution-Share Alike 3.0 License
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ハーヴィー・ワッサーマンHarvey Wassermanは
ラジオ番組“Solartopia Green
Power & Wellness Show”をwww.progressiveradionetwork.com
にてオンライン放送、NUKESFREE.ORGを編集。Harvey Wasserman's History of the US and Solartopia! Our Green-Powered
Earth、および“Thomas Paine”によるPassions of the
PotSmoking Patriotsはwww.harveywasserman.comにて。ボブ・フィトラキスとともにThe Free Press刊“How the GOP Stole America's 2004 Election”など、選挙防衛に関する書籍4冊を共著。
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