フクシマを避けて通る 日本人オリンピック選手たち
Von unserem dpa-Korrespondenten und Europe Online
【ブエノスアイレス:DPA(ドイツ通信社)】年季の入った観測筋は、東京はオリンピック大会を演出できるし、非常にうまく演出できるとこころから信じている。
だが、2年前のフクシマ核危機を考えると、もちろん避けて通れない疑問がある――放射能の危険はないのだろうか?
日本の招致関係者は問題ないと強調する――が、これは明らかに、彼らがあまり身を入れて話したくないことだ。
東京、マドリッド、イスタンブールのなかから2020年オリンピックの開催地を決定する国際オリンピック委員会の投票は土曜日におこなわれる。
水曜日、日本の招致活動の報道向けプレゼンテーションが、元オリンピック選手14名という印象的な顔ぶれを揃えておこなわれた。
だが、そのうち誰一人として、自分が福島原発から漏れている放射能について自分がどう感じているか、あるいは、自分たちは健康リスクに直面していないと、世界のスポーツ仲間たちに安心してもらうことが、なぜできるのか話そうとはしなかった。
それは、代表者がそのような質問を年長のスポークスマン――政治家に転身した元スター選手――に計画的に振ったからである。
「健康の問題はありません」と、1984年ロサンジェルス大会のレスリング選手で現在は国会議員の馳浩氏はいった。
「放射線レベルは、人間の健康にまったく影響を与えません」と彼はいった。
しかし、この問題は主要な問題として残る。
日本の安倍晋三首相は金曜日の早い時間にブエノスアイレスに到着する予定であり、一日フルに使って、決定的な投票前のロビー活動に集中する。
日本の招致関係者と選手たちは揃って、自国の総理大臣がフクシマ問題をなんとかしてくれれば、ありがたいだろう。
それまでは、フクシマが、まるでだれも話題にしたがらない、ある種の幽霊であるかのように、公的な場に登場する日本の代表団につきまとうだろう。彼らはむしろスポーツについて話したがっている。これは、わかないこともない。
「ほんとうに興奮しています。わたしたちのチームにはすさまじく強烈な一体感があり、わたしたちの大会ビジョンをプレゼンすることに、とても興奮しています」と、フェンシングで銀メダルをダブル受賞した太田雄貴はいった。
フェンシングの動きを披露する 太田とロボットの「MIRATA」 時事通信 2013.09.05(木) |
そして、ドーピング問題は、イスタンブールの招致活動には明らかに弱点であり、マドリッドにとって強みでないのは確かだが、たぶん意外でもなんでもなく、東京のお得意分野として浮上した。
「誇りに思っていますが、オリンピックとパラリンピックの大会のドーピング検査で引っかかった日本の選手はひとりもいません。日本の記録は完璧です」と太田はいった。
日本人選手たちは、日本の学校でオリンピックの価値感と並んで、ドーピング排斥教育が実施されており、「強固な反ドーピング文化」がどのような規制にも増して役に立っていると指摘した。
不正行為は選択肢にありませんと彼らはいう。
では、これはなぜだろう?
「わたしたちが日本人だからです」といって、1988年ソウル大会水泳競技の金メダリスト、鈴木大地はニッコリ笑った。
東京五輪招致委の記者会見で写真に納まる五輪、パラリンピックの選手ら=5日、ブエノスアイレス市内のホテル
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