拡大し、深刻度を増す一方の福島第1原発・放射能汚染水の海中拡散問題を受けて、韓国政府は北関東・東北産水産物の全面的輸入禁止に踏み切ったというニュースが、ネットで波紋を拡げました。その波紋は、広くとも有限である太平洋各地に広がっているようです。
神は細部に宿る、といいます。香港の新聞オンライン版のニュースを紹介します。当記事末尾、「WHO協定には加盟国間の貿易障壁を最低限にするというルールがあるが、各国ごとの食品安全政策にはなんの制約もない」との記述は、注目に値するはずです。
(yuima21c記)
フクシマ核事故特集 Fukushima nuclear
accident
香港の食品専門家、日本からの魚類輸入の全面禁輸を提案
2013年9月10日(火曜日)
キャンディ・チャン、アミー・ニ Candy Chan and Amy
Ni
香港のマーケットにおける輸入食品の放射線検査(撮影:ロイター) |
香港は、フクシマ原発で進行中の漏出による汚染にまつわる社会不安に対応して、日本全域からの魚類製品を輸入禁止にすべきであると食品専門家が語った。
科学技術専門大学・応用生物・化学工芸学部のレウン・カシン准教授は、そうすれば、予防手段になり、放射線の恐れに対応できるという。
政府が輸入禁止に踏み切っても、市内に魚類の供給がじゅうぶんあります。だから、どうしてだめなのでしょう」と准教授はいった。彼はそれでも、日本産の魚を食べても、健康リスクが大きいとは思わないと付け加えた。
2011年の地震と津波によりメルトダウンを起こしたあとにも、いまだに漏出が続いている原発による汚染を最もひどく受けている日本の5県からの生鮮食品について、すでに食品安全センターは条件付きの輸入禁止を課している。
つまり、福島、茨城、栃木、千葉、群馬各県産の食品は、日本の行政当局による承認を受けて、はじめて持ち込むことができる。
本年最初の7か月で、香港に供給された活魚約52,000トンのうち、たかだか157トンのみが日本産である。政府統計によれば、大陸産の寄与分は45,000トン近くにのぼる。
食品安全センターは手持ち式のガイガカウンターで商品を検査することで状況の監視をつづけると、食品衛生主事のコ・ウィンマン博士はいう。
韓国政府は先週金曜日、最悪の影響を受けた5県に加えて、宮城、岩手、青森各県の魚について、安全検査に合格しているか否かにかかわらず、輸入を禁止した。
懸念材料になる主要2元素がヨウ素とセシウムであると、香港中文大学・生物医学校のスティーブン・ツイ・ウォウィン教授はいった。
ヨウ素は甲状腺に影響を与え、癌を起こしかねず、セシウムは筋肉、骨、脂肪に吸着されるとツイ教授はいう。
教授によれば、人体に吸収されたセシウムの半減期は約30年である。
一般的にいって、大きいほうの魚は放射性物質を蓄積するリスクが高くなると教授は付言した。
食品輸入禁止の決定には、いくつかの要素を勘案しなければならないとツイ教授はいった。健康リスク、代替品の入手可能性、政治的影響などである。
WHO協定には加盟国間の貿易障壁を最低限にするというルールがあるが、各国ごとの食品安全政策にはなんの制約もない。
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