2013年9月1日日曜日

【資料】原子力規制委員会「帰還に向けた安全・安心対策に関する検討チームについて」





原子力規制委員会は28日、東京電力福島第一原発事故で避難した住民の帰還に向けた放射線などの安全対策について話し合う検討チームの設置を正式決定した。
本県関係では外部専門家として、丹羽太貫福島医大放射線医学県民健康管理センター国際連携部門特命教授と星北斗星総合病院理事長が参加する。
検討チームは規制委の中村佳代子委員と外部専門家5人を含む計10人で構成する。中村委員は本県関係の2人を選んだ理由について、丹羽特命教授は放射線について詳しいこと、星理事長は原発事故前後の本県の状況を詳しく把握していることを挙げた。
検討チームは9月初旬に初会合を開き、復興庁や経済産業省など関係省庁から放射線防護についての検討内容などについてヒアリングする。
住民帰還に向け地域の放射線量マップ製作や、個人線量計による詳細な被ばく線量の把握など必要な対策を検討する。
規制委の検討を踏まえ、政府の原子力災害対策本部は年内に一定の結論をまとめる。
中村委員は「帰還に当たり、科学的、技術的な情報を共有してもらうことが第一の目的だ。避難者の視点に立ち検討を進めたい」と語った。
田中俊一委員長は「地元や専門家の意見を踏まえ、安全安心につながる方策を提言したい」と述べた。
2013/08/29 13:25

 





【配布資料】
帰還に向けた安全・安心対策に関する検討チームについて(案)
平成 25 8 28
原 子 力 規 制 委 員 会
1.趣旨
本年 3 7 日の復興推進会議・原子力災害対策推進本部合同会合において、「避難指示の解除に向け、線量水準に応じて講じるきめ細かな防護措置の具体化等について、原子力災害対策本部で議論を行い、年内を目処に一定の見解を示す」方針が決定した。
これを受け、原子力規制庁を含む関係省庁が検討を続け、モニタリングデータや個人線量に関するデータ等も蓄積されてきた。さらに、線量水準に応じて講じるきめ細かな防護措置として、帰還に向けた安全・安心対策に関する関係省庁の施策の案も取りまとまりつつある。
こうした背景の下、帰還に向けた安全・安心対策に関し、原子力規制委員会科学的・技術的な検討を行うことを要請された。原子力規制委員会は、「帰還に向けた安全・安心対策に関する検討チーム」(以下、「検討チーム」という。)を設置する。本チームの構成は別紙の通り。
2.検討の進め方
検討チームでは、原子力災害対策本部の関係省庁におけるこれまでの検討内容等についてヒアリングを行い、最終的に、原子力規制委員会としての考え方を提示する。
3.スケジュール
9 月初旬に第 1 回の検討チームを開催。

(別紙)
帰還に向けた安全・安心対策に関する検討チーム 名簿

(担当委員)
中村 佳代子   原子力規制委員会委員
(外部専門家)
明石 真言     独立行政法人放射線医学総合研究所理事
春日 文子     国立医薬品食品衛生研究所安全情報部長、日本学術会議副会長
丹羽 太貫     福島県立医科大学放射線医学県民健康管理センター国際連携部門特命教授、京都大学名誉教授
星 北斗       公益財団法人星総合病院理事長、福島県医師会常任理事
森口 祐一     東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻教授
(敬称略 50 音順)
(原子力規制庁)
森本 英香     次長
小川 壮       放射線対策・保障措置課長
石川 直子     放射線対策・保障措置課企画官
室石 泰弘     監視情報課長
※関係省庁は、オブザーバーとして適宜出席する。




平成25年度 原子力規制委員会 第20回会議

平成25年8月28
10:3012:00
原子力規制委員会庁舎 会議室A

議事次第

(1)平成25年度原子力総合防災訓練計画に関する意見について
(2)原子力災害対策特別措置法施行令の一部を改正する政令(案)及び原子力災害対策特別措置法に基づき原子力防災管理者が通報すべき事象等に関する省令の一部を改正する規則(案)について
(3)原子力事業者防災業務計画の確認に係る視点についての改正案について
(4)汚染水貯留タンクからの漏えいについて
(5)東京電力福島第一原子力発電所に関する保安検査基本方針について
(6)帰還に向けた安全・安心対策に関する検討チームについて
(7)民間規格の技術評価の実施に係る計画について
(8)日本機械学会設計・建設規格及び材料規格に係る技術評価の実施について

P. 21
○田中委員長
ありがとうございました。
ほかにございませんでしょうか。
この福島第一原子力発電所、御承知のようにいろいろなリスクを抱えていますので、そういった意味で、リスクを事前に察知して、それを対処していくという視点で保安検査を、ほかの施設とはちょっと違った意味で取り組んでいただくようお願いしたいと思います。では、これで、是非お進めいただくようお願いします。よろしいですね。
それでは、次の議題に移ります。次の議題は「帰還に向けた安全・安心対策に関する検討チームについて」です。
実は、去る3月7日に復興推進会議・原子力災害対策推進本部合同会合、これは総理が議長の会合がございまして、ここで、私もそのメンバーなのですけれども、避難指示の解除に向けて、科学的・技術的見地から、規制委員会としても協力してくださいというお話がございました。この問題は、実際に、今後、福島の避難されている方を含めて、安心して暮らしていく上でとても大事なことであるということで、関係行政機関の皆さんを含めて、今まで検討を重ねていただきました。ある程度まとまりつつあると思いますけれども、今後、福島の地元の御意見とか、専門家の御意見を聴いて、安全・安心につながるような方策をまとめていきたい、提言していきたいと思いますので、そういう意味で、このチームを発足させるということでございます。
関係行政機関は、後で説明していただきますけれども、オブザーバーということですが、ある意味では当事者にも近いので、そういうことを含めて、非常に霞が関の壁というのはなかなか難しいところはありますけれども、是非協力して、住民のために良い案を作っていただくようお願いしたいと思っています。具体的には、中村委員にこの取りまとめをお願いすることになりますけれども、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、ちょっと前後しましたけれども、説明は小川放射線対策・保障措置課長と室石監視情報課長からお願いします。
○小川放射線対策・保障措置課長
放射線対策・保障措置課長の小川でございます。
資料について御説明申し上げます。
まず、「趣旨」のところでございますが、委員長がもう既に詳しくお話しになられましたので、繰り返しになりますが、御説明させていただきます。
本年3月7日の復興推進会議・原子力災害対策推進本部合同会合におきまして、「避難指示の解除に向け、線量水準に応じて講じるきめ細かな防護措置の具体化等について、原子力災害対策本部で議論を行い、年内を目処に一定の見解を示す」、こういうことが決定されているところでございます。
その後、原子力規制庁、私どもも含めまして、関係省庁が検討を続けて参りました。また、モニタリングデータ、あるいは個人線量に関するデータ、こういうものの蓄積も進んでいるところでございます。さらに、線量水準に応じまして講じるきめ細かな防護措置といたしまして、帰還に向けた安全・安心対策に対する関係省庁の施策、こういうものについても取りまとまりつつあると認識しているところでございます。
こういったことで、環境が整ってきたということもございまして、帰還に向けた安全・安心対策に関しまして、原子力規制委員会が科学的・技術的な検討を行うことを要請されているということでございますので、規制委員会といたしまして、帰還に向けた安全・安心対策に関する検討チームを設置するということでございます。
チームの構成でございますが、2ページ目を御覧いただきたいと思います。担当委員といたしましては中村委員にお願いいたしまして、外部専門家といたしまして、明石真言放射線医学総合研究所理事、春日文子国立医薬品食品衛生研究所安全情報部長、日本学術会議副会長、丹羽太貫福島県立医科大学放射線医学県民健康管理センター国際連携部門特命教授、京都大学名誉教授、それから、星北斗公益財団法人星総合病院理事長、福島県医師会常任理事、森口祐一東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻教授、この5名の方を外部専門家として入っていただく。
また、事務方といたしましては、森本次長、私、小川、石川企画官、室石監視情報課長こういったところとともに、関係省庁もオブザーバーとして適宜参加をして参るといったことで考えております。
表紙に戻りまして、「検討の進め方」でございます。検討チームといたしましては、原子力災害対策本部の関係省庁におけるこれまでの検討内容につきまして、それぞれ出席いただいてヒアリングを行いまして、最終的に規制委員会としての考え方を提示することを考えてございます。
「スケジュール」といたしましては、政府としては年内に取りまとめるということにしておりますので、急ぎ検討を進めてまいりたいと考えておりましたので、9月上旬に第1回の検討チームを開催するということで、日程調整を進めてまいりたいと考えているところでございます。
御説明は以上でございます。
○田中委員長
ありがとうございました。
それでは、本件について、御意見、御質問等ございましたら、お願いします。中村委員、お願いします。
○中村委員
意見というよりは追加です。今、委委員長、小川課長から説明がありましたように、もともとは、この3月7日の原災本部(原子力災害対策本部)からのいろいろな要請がありまして、私もそういった内容のことは全て把握をしていたのですけれども、実際に原子力規制委員会の立場として、あるいは原子力規制委員会のミッションとしてお引き受けできるような課題が、非常に最初のころは大雑把であったということもありまして、かなり課題を絞っていただくことで、原子力規制委員会としてお応えする、対応することができるのではないかという、機が熟した感じで、この検討チームを立ち上げることに賛同させていただきました。
これはそういう流れではありますけれども、あくまでもお答えは、もちろん原災本部ではあるのですけれども、今、この原発事故を受けて避難をされている方々が、今後避難のところから戻られる、あるいはその場所に定住されるかどうか、今後のことを決めていただくための科学的・技術的な意見・情報を皆さんで共有していくということが第一の目的です。したがいまして、避難先から戻った後でどういう生活をすることがいいだろうか、あるいはどういうことに気をつけたらいいかといったことも含めて、議論というか、検討をしていきたいと思っていますので、あくまでもこれは避難をされている方々の視点に立った形で検討を進めさせていただきたいと思っています。
そういうこともありますので、外部の専門家という方々は、必ずしも放射線についての専門ということではなくて、放射線の情報に関して、特に国際的な情報について、取り入れ等、UNSCEAR(原子放射線の影響に関する国連科学委員会)とか、そういったことに対しても非常に御専門の深い明石先生、それから、ものの安全情報、例えば、ばい菌とか、細菌とか、バクテリアとかいったような、そういう安全情報を発信していくのに、どういう方法がいいかということに対して非常に御専門の深い春日安全情報部長、それから、放射線の影響についてはもちろん十分御存じですけれども、そういうことも踏まえて、これから先、福島に戻ってきていただいた方が、防護という形ではなくて、放射線に対してどう向き合って生活をしていったらいいかということをよく御存じの丹羽先生、それから、福島の原発事故の前と後で、その変化を十分に把握していらっしゃる地域の病院の理事長である星先生、それから、環境が一度汚れた、そういった状況になってしまった環境を回復することに対して、いろいろ御経験があるという森口先生、この5名の方にメンバーとなっていただきました。忌憚のない御意見をいただくとともに、それから、いろいろな方々から、関係省庁から伺うとともに、また、それ以外にでも、何か御専門の内容で伺いたいことがあれば、その都度、ヒアリング、あるいはオブザーバーとして参加していただきながら、この形を進めさせていただきたいと思っています。
○田中委員長
ありがとうございます。
ほかに御意見。更田委員。
○更田委員
非常に重要な役割を担う検討チームであると思いますし、是非よい成果を上げられることを期待したいと思いますけれども、これは規制機関の本来の役割からはかなり踏み出したものであるという認識は必要であろうと思います。
それから、検討チームの名称に「安全・安心対策」とあるのですけれども、安心対策というのは、推進のための広報活動を指す向きもあって、今回は帰還に向けたと目的が明確になっていますし、関係省庁の協力を得る活動でもありますので、これはこれで理解はできるのですけれども、私たち規制機関が「安全・安心対策」という言葉を用いる場合には十分な注意を払う必要があると考えています。
以上です。
○田中委員長
中村委員、何かございますか。
○中村委員
おっしゃるとおりです。規制委員会の立場、非常にここのところは難しくて、このタイトル、二転三転して、簡略化すると誤解を招くし、多く書くとまた誤解を招くということです。ですから、この名前そのものよりも、今の私案、私個人の案ですけれども、この会を、検討チームを開催するごとに、はっきりと目的といったものを明示していかないと、この名前だけで引っ張られることがありますので、そこは非常に注意して進めさせていただきたいと思います。
○田中委員長
一番大事なことは、今、避難をしている方たちが、いわゆる低線量放射線の被ばくの健康影響について大変心配されているわけですから、そういったことを少しでも乗り越えられるような提案をすることが一番大事で、そのことで少しでも元の生活に戻れるように、その方策を国として立てていくということだと思います。その意味で確かに規制委員会、規制庁の則(のり)を超えているかもしれませんけれども、そういう意味で関係省庁の協力が要るということなのですね。ただ、これは一つの時代の要請ですから、私どもとしては最大限取り組んで、よい提案をしていただくようお願いしたいと思います。
長官。
○池田長官
更田委員の御指摘、もっともだと思うのですけれども、基本的に行政施策そのものは関係省庁が行うというのが前提でございまして、それに対して、科学的・技術的な検討を行うことがこの検討チームの役割という位置づけになっておりますので、その点の整理はできているのではないだろうかと思っております。
○田中委員長
ありがとうございました。
それでは、本件、よろしいですか。では、中村委員、よろしくお願いします。


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