2015年4月16日木曜日

【英紙ガーディアン】2015年「持続可能性を考える地方行政府」世界会議ルポ~100%再生可能エネルギーをめざす都市

The Guardian > Renewable energy
ヴァンクーヴァー市は再生可能エネルギー100%をめざす
カナダの60万人都市が先陣を切って、20年以内に電力、交通・運輸、冷暖房需要を再生可能エネルギーだけで賄うことをめざすと発表。
ヴァンクーヴァー副市長、アンドレア・ライマー「切迫した倫理的要請もございますが、グリーンな都市になることは夢のような経済事例になります」Photograph: George Rose/Getty Images
ソウル支局 スティーヴン・リーヒ― Stephen Leahy
2015410
ヴァンクーヴァーは再生可能エネルギー100%を約束する最先端都市になった。カナダ西岸に位置する60万人都市は、電力のみならず、冷暖房と交通・運輸のためにもグリーンなエネルギー源だけを使うことをめざす。
ヴァンクーヴァーがこの公約を表明した、3年ごとに開催される持続可能性を考える地方自治体サミット、2015ICLEI世界会議(The ICLEI World Congress 2015)において、韓国ソウル市の元淳(パク・ウォンスン)市長は、都会と市街化区域は世界CO2排出量の7075%分に寄与しており、「気候に対する現実的な行動をはじめなければならない」のは、こうした地域であると発言した。
「わたしたちは、気候変動から世界を救うために結集した緑の潮流なのです」と、朴は100人以上の市長を含む15,000人近くの参加者に語りかけた。
ヴァンクーヴァーのアンドレア・ライマーはガーディアン紙に、「切迫した倫理的要請もございますが、グリーンな都市になることは夢のような経済事例になります」と語った。100%達成目標は冷暖房部門で2030年から2035年、交通・運輸部門で2040年から2050年に設定されているようである。連邦政府と州政府の支援があれば、実現が早まるだろう。
市民と実業界はクリーンでグリーンな市街地で暮らすこと、働くことを望んでいるとライマーはいい、100%転換技術の開発者が21世紀の覇者になると付け加えた。
ヴァンクーヴァーは、100%再生可能エネルギー電力を数年内に達成できるが、冷暖房と交通・運輸の場合、時間がもっとかかるだろう。カナダがこれまでの10年間、「環境に無責任な世界有数の国家政府」であるという事実はさておいて、市の大望は2020年までに世界一のグリーン都市になることであるとライマーはいった。
朴市長は、人口1100万人であり、その人口が急速に膨張しているソウル市は、2018年までに40,000セットのソーラー・パネルを一般家庭に普及させ、15,000台の電気自動車を走らせるなどして、エネルギー使用量を削減し、再生可能エネルギー発電量を拡大すると発表した。同市は2030年までにCO2排出量を40%削減すると期待されている。
カリフォルニア州のサンディエゴとサンフランシスコ、オーストラリアのシドニー、コペンハーゲンなど、50以上の都市が、100%再生可能エネルギー達成をめざす途上にあると発表した。その一部は2020年、その他は2030年から2035年の達成を目標にしている。
アイスランドのレイキャヴィックなど、一部の都市は、すでに電力と熱源でこの目標を実現している。コスタリカは今年、75日間連続して全国的に再生可能エネルギーで電力需要をまかなっている。
世界100%再生可能エネルギー連合(Global 100% RE Alliance)――化石燃料からの転換を推進する団体の国際連合――の世話人、アンナ・ライドライターは、「わたしたちはほんの3年前、100%再生可能エネルギーは実現できるといっていましたが、いま沢山の都市と地域がそれを実現しています」という。
大手電力会社、あるいはエネルギー企業が牛耳るなら、気候変動に対処する企ての足手まといになるだろうとライドライターは述べた。「再生可能エネルギーの事業モデルはまったく別物であり、企業ではなく、人びとの利益になるべきものなのです」

0 件のコメント:

コメントを投稿