2015年4月8日水曜日

【NHKワールド】東電福島第一廃炉カンパニー代表に聴く~「打つ手がわからない」



NHK WORLD News

2015年3月30日31日放映


廃炉カンパニー代表「打つ手がわからない」
"We have no idea"
トラスクリプト
[訳注:英語圏に伝わった情報の再現を試みるために、松田代表の肉声を無視して、英語の吹き替えを翻訳]

0:07
キャスター:福島第一原発の解体に取り組んでいる関係者たちは挫折につぐ挫折にみまわれています。彼らは放射能汚染水漏れと戦ってきて、失策に対する非難を浴びてきました。そのため、社会の信頼を大いに失い、信用を取り戻そうと努めています。

0:23
東京電力は解体専門の事業会社[福島第一廃炉推進カンパニー]を設立しました。課題解決の舵取りを任された責任者が、国際報道局記者、立岩陽一郎に語りました。彼は、政府が設定した計画に従うことができるか、わからないと打ち明けます。

0:40
立岩記者:松田尚宏代表は、福島第一廃炉工程の全体を任されています。彼は仕事に役立つ経験を備えています。彼は核エンジニアとして何十年間も働いてきました。松田氏は、損傷した原子炉建屋の一部の区域では、放射線レベルが高くて、作業員らがほんの数分間しか留まれないといいます。

1:07
廃炉工程で最も困難な部分は、[溶け落ちて]溜まり、高レベル放射性のデブリ(残骸)になりはてた核燃料の除去になるでしょう。

1:20
松田代表:わたしたちには、デブリのことがなにもわかっていません。形も、強度もわかりません。わたしたちはそれを30メートルの高さから遠隔操作で除去しなければなりません。しかし、わたしたちにはその種のテクノロジーがまだありません。単純にいって、そのような技術は存在しないのです。

1:45
記者:専門家は、放射線の放出を防ぐために、デブリを水漬けにしなければならないといいます。しかし、松田代表は、それは思うほど容易なことではないといいました。

200
松田代表:わたしたちにはいまだに、原子炉格納容器を水で満たす方法がわかっていません。3基の原子炉格納容器に裂け目や穴が見つかっています。裂け目や穴をすべて見つけたのかもわかっていません。他にも穴があるということになれば、デブリを取り出すために、なにか別の方法を考えなければならないかもしれません。

225
記者:政府はその作業が2020年に初められることを望んでいます。松田氏に、その目標を達成する自信があるのか、質問してみましたが、答えは驚くほど率直なものでした。

240
松田代表:これは大変な課題です。素直にいって、それは可能であるとはいえませんが、わたしは同時にまた、不可能であるともいいません。

253
記者:松田氏に、作業を成功させるために、なにが必要なのかとも質問してみました。
303
松田代表:難しい質問ですね。でも、たぶん経験です。どれほどの被曝量に人間が耐えられるのか? 地域の住民がどのような種類の情報を必要としているのか? なにをしなければならないのか、わたしたちに教えてくれる教科書はありません。わたしは、工程の前途にあるすべての段階で決定を下さなければならないのです。また、みなさんに対して、わたしは正直でなければなりません。わたしは常に正しい決定をすると約束することはできません。

343
記者:松田代表は、世界中のさまざまな分野の専門家に支援をお願いしたいと述べました。彼は、すべての作業を安全・効率的に遂行するために、最善の努力を尽くしたいと語りました。

NHKワールド、立岩陽一郎がお伝えしました。


2015/04/11 に公開
翻訳の出典:東電・廃炉責任者が悲観的な見通しを語るも、NHKは国内では報道せず
http://www.asyura2.com/15/genpatu42/m...
動画の出典:Decommissioning Chief Speaks Out
http://www3.nhk.or.jp/nhkworld/englis...

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