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— inoue toshio 子どもを守れ! (@yuima21c) 2015, 4月 21
「アメリカ随一の政治ニュースレター」境界を超えるマガジン
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週末版 2015年4月10~12日
平和と相容れない核…
リアルな核の脅威
No
Peaceful Nukes
ミリアム・ジャーマン MIRIAM GERMAN
時は2015年3月の暗い日々、生態系がこうむった地球上最悪の人災の始まりから4年と2週間の歳月がたって、悪意を秘めた最大手メディア企業の道化ショーに興じる誰にとっても、名を口にするのも憚(はばか)れるようである福島第一原子力発電所は溶けて、米国政府の消えることにない影に隠れたモルドール[Mordor:トールキン『指輪物語』の冥王サウロンが砦を構える「黒の国」]で燻(くすぶ)っていますが、その間にも、ジョン・ケリー[国務長官]とアーネスト・モニス[エネルギー長官]が、わが国のカリフォルニア州、ワシントン州オレゴン州の太平洋岸から遠く離れ、日々にアメリカ人を殺している99基の漏らし、ひび割れ、蒸気を噴き出し、ろくに動かず、咳込み、粒子が爆(は)ぜる原子力発電所の本国から遠く離れた場所で起こっていることについて、すでに死の谷を過ぎた亡霊の耳にだけ聞こえる鐘に向かって、気にかけていると口先だけのことを言っています。
全員の目がイスラエルとイランに貼りついていますが、わたしは焦点を国内に、それもわたしが住むところ、ディアブロ・キャニオン、コロンビアの両原子力発電所が例のアーネスト・モニスによって、わたしたちの環境に大損害を振りまきつづける自由裁量権を付与されている米国西岸だけでなく、他の米国内各地、イランが製造を夢見ることさえやっとこさというやつよりも大きな爆弾のように原発が噴きあがりかねず、しかも、やはりモニスとNRC(原子力規制委員会)ご提供の人工呼吸器と生命維持装置に頼ってはいても、生き残り、電力を供給している米国に戻したいと思います。
ディアブロ・キャニオン、コロンビア発電所。デーヴィス・ベッセ。ピルグリム。インディアン・ポイント。ターキー・ポイント。もっとつづけられますが、われらが米国の裏庭にある核爆弾の陳腐さであなたをうんざりさせるべきではないでしょう。イランのほうが、ずっと興奮する! でも、面白半分で、ちょっと覗いてみましょう。
マサチューセッツ州プリマスの岬にあるピルグリム原子力発電所は、ボストンから20マイル[32キロ]よりほんの少し遠くに立地しています。進入路は1本、退出路は1本です。彼らは安全だといいます。ガッチリしている。活力がある。ピルグリムがメルトダウン。逃げ道はありません。ピルグリムが爆発。逃げ道はありません。NRCは監視しているのでしょうか? ほら、エネルギー省! 国際原子力機関! こっち、こっち! ピルグリムは、核燃料棒が800本あると考えられていたとき、プールに3200本保管しています。PRは、ピルグリムが安全だといいます。ピルグリムは2015年1月17日、ブリザード・ジュノ[米北東部を襲った大吹雪]のさい、高潮時ごろに送電線2本がやられ、停止しました。どれほど安全であれば、じゅうぶん安全なのでしょう?
どこでアメリカの警戒怠りない鷹たちが、正気、明晰さ、透明性の旗を打ち振って、イラクに向かって、俺たちは君たちの息づかいを見つめ、君たちの核施設周辺を見張っているぞと告げているのでしょう? 米国のどこにIAEAが駐在して、同様な正気を示しているのでしょう? 米国民はまったく気にしないか、気にするにしても、気の狂った老いぼれイランだけですか?
米国内で核施設1か所が爆発すれば、核燃料棒の量が膨大なので、多数の核爆弾に匹敵し、爆発による癌発症や死亡者の数は核戦争による数に相当します。イランは核爆弾をまったく保有していませんが、わが国は原子炉99基というベースロード(基礎負荷)を備えており、これはつまり爆弾であり、電線が凍結して、送電網が1か所で故障したり、1本のパイプが凍結したり、1件の火災が発生したり、一人がヒューマンエラーをやらかしたりして、いついかなる時でも爆発しかねません。
オハイオ州デーヴィス・ベッセで、すぐにでも破裂しようとしている爆弾を見てみましょう。(例の鷹のような米国とIAEAの目がイランを睨(にら)んでいますが、40年間の最後の一瞬だけでも、こちらに向けてもらいたいものです) さあ、こころの準備はOKですか?
次に並べるのは、デーヴィス・ベッセに関する事実のほんの一部です――
l 氾濫原に建造されたため、1972年のエリー湖暴風雨のさい、稼働前の原子炉を含め、建設現場全体が大規模な洪水にみまわれた。
l 1977年10月、排気弁が固着。
l ウラニウム燃料は常時、メルトダウン防止のために水(冷却材)に浸かっていなければならない。デーヴィス・ベッセは1985年6月、給水喪失事故を起こした。原子力規制委員会は施設を1年間閉鎖した。
l 1998年、竜巻のため、外部電源を喪失。
l 2002年3月、怠慢により冷却水にホウ酸が混入し、鋼鉄製の炉蓋を7インチ(178ミリ)以上の深さまで侵食し、3/16″(4.8ミリ)厚の裏貼り材が残って放射能漏れを防いだ。施設は2年間閉鎖され、電気料金支払者に60億ドル(7134億円)を負担させた。デーヴィス・ベッセは3億3500万ドルの罰金が課され、これはNRC史上で最高額である。
l 2004年になった再稼働のために、腐食した蓋は取り替えられたが、この新品に亀裂が見つかり、2011年の再交換に追いこまれた。
l デーヴィス・ベッセの放射能漏れを防ぐコンクリート遮蔽建屋は、老朽化、劣化、損傷部分を交換するために4か所で大規模に切断された。工事は2011年にはじまり、建屋のコンクリートに裂け目や空洞が見つかった。
モニスはここへ来て、足元の米国土を見つめ、わたしたちの生きる地球そのものを殺してしまう核を、ドヤ顔の尊大な馬鹿たちが世界を救うと信じ、いくつか思いついた凄まじい愚かなアイデアにもとづく大昔のお寒いテクノロジーの遺物とわたしなら名付けるものを、あなたは安全だ、安上がりだ、必要だといまだに信じているはずが、その実、地雷原が横たわって、あなたを待っていたと理解し、認識するがよろしい。あなたは賭博台のどちら側にご着席? いいですか、札はもう開かれていますよ。フクシマ、チェルノブイリ、スリーマイル・アイランド。それに、ハンフォード。
平和利用できる核はなく、核に平和はありません。ただの蜃気楼です。
コロンビア原子力発電所。ワシントン州リッチランド。コロンビア川に立地。コロンビア原発は12本の活断層の上に造られました。建設当時はわかっていませんでしたが、今では事実が判明しています。この原発は、米国北西部でいつ起こってもおかしくないマグニチュード9.0の地震に耐えられません。閉鎖すらしません。事実をもって、わたしたちには人道目的で変化を促す能力で武装しています。でも、わたしたちが心配なのは、戦争目的の武装だけです。コロンビア原発の燃料プールのまわりには格納容器がありません。燃料プールは4階の高さにあります。フクシマを考えてみましょう。ほんとうに。フクシマを考えろ。コロンビア原発の原子炉はフクシマのものと同型です。コロンビア原発はハンフォードの高レベルに放射性の核廃棄物5600万ガロン(212,000 m3=200 l.ドラム缶換算で106万本分)から10マイル(16キロ)のところにあります。コロンビア原発でメルトダウンか爆発が起これば、ハンフォードを巻きこむでしょう。放射線量が著しく高レベルなので、浄化のために地域に入るすべはないでしょう。コロンビア川はじかに太平洋に流れています。コロンビア原発は2、3週間に1度ばかり、モニタリング回路に問題を起こしています。この回路がなければ、原発構内から環境に出ていく放射能レベルを測定できません。あげくの果てに、管理職から作業員まで薬物乱用の記録があり、抜き打ちのドラッグ検査をすると構内でラリってたり酔っぱらっていたりしており、その記録がとても多いものだから、わたしたちはスプレッドシートを用意して、定期的に記入しています。あなたはコロンビア原発の近くに住みたいですか?
IAEAはどこにいるのでしょう? 彼らはイラクに飛ぶために待機中です。
ディアブロ・キャニオン。汚職。パシフィック・ガス&エレクトリック。水資源局。太平洋への熱水の違法投棄。ディアブロ・キャニオンの基礎部にある断層線の写真を一瞥し、カリフォルニア州沖合の海を覗きこめば、精神疾患の光景を理解することになります。前回の地震によって、原発の基礎部にへこみが生じました。このくぼみに棲息する海洋生物は、ディアブロが採用する「非循環」冷却方式によって流出する熱水のために殺されてきました。カリフォルニア。ハイウェイ101号線。サンルイス・オビスポ(SFとロスの中間にある都市)。少なくとも原発事故は1パーセントを気にしません…放射能はお金持ちも殺しちゃいます。ディアブロ・キャニオン周辺の放射線レベルは、ほんの数マイル離れたところに比べて、目に見えて高いのです。わたしはIAEAがここに来て、NRCが実施を求めているルールが順守されているか、確認してほしいと求めているのです。実施なんて、どこでしていますか? 実施なんて、とても… どうぞ、イランに目配りを。
フロリダ半島の先端に立地するターキー・ポイント原子力発電所のモットーは、「人と環境を守る」といっています。このモットーはからっきり正しくもなく、現実に即してもいません。人間を守りながら、原子力を保持することは可能でなく、原発を保持することの切っても切れない理由である核爆弾はいわずもがなであり、また前述したように、結局、原子力発電所は兵器庫に備蓄した核爆弾でもあるのです。戦争に平和はありません。核と併存して、生命を維持する環境はありません。この場合もやはり、上記のすべてが証明済みでありながら、だれも真実を語る科学者たちに本気で耳を傾けないのです。真実として、わたしたちが全面的に、また隠しようもなく、老いぼれた核の恐竜が吐き出す放射能で自殺しようとしているのであり、わたしたちの救出に駆けつけてくれる環境保護庁や原子力規制委員会やエネルギー省や国際原子力機関はないので、だれも真実を気にかけようとしないのです。
環境保護庁は、核事故が発生するとき、または好きなときにデータベースをサッサと閉鎖します。環境保護庁サイトを開き、フクシマ核惨事当初から数週間分のカリフォルニア、オレゴン、ワシントン各州の計測値を探せば、あなたご自身でこのことを確かめることができます。
原子力規制委員会のお仕事は、核施設規制の順守状況を監視することですが、核のお仕事をサボると、契約事業者と委員たちのポケットに入ってくるお金の流れをよくすることになるので、ろくな仕事をしていません(Bechtel/Hanfordを参照のこと)。原子力規制委員会の内輪だけのモットーは、NRCによる規制緩和のおかげで、老朽化した原発が操業規則の順守を達成できるようにするために、核施設の安全基準を引き下げろというものです。おわかりになりました?
国防核施設安全委員会(DNFSB)のお仕事は、エネルギー省(DOE)の国防関連核施設における公衆衛生と安全性の問題が適切に対処されているかを監視することであり、適切でない場合、大統領とエネルギー長官(あのモニスを憶えていますか?)に報告することになっています。でも、DNFSBはDOEに対して本物の権限がなく、DOEはそのことを知っています。DOEには本物の独立監視機関が備わっておらず、この問題に関して、原子力規制委員会や国際原子力機関(IAEA)も右に同じです。IAEAは人類の護民官を装ってはいますが、平和目的のための原子力と兵器を後押しするために創設されました。機関は、全世界における平和、保健及び繁栄に対する原子力の貢献を促進し、及び増大するように努力しなければならない(IAEA憲章第2条)――このようにIAEAウェブサイトに述べられています。見上げたものです。この一節をもう一度読んでみましょう。もはやどのような独立監視機関もなく、とりわけアルファ・ウルフ(ゲームのキャラクター)がなんともお優しいことに、世は天下泰平といってくれるとき、核のある世界は生きるのに安全でない世界なのです。われらには、われらを守る核がある!
ニューヨーク市(NYC)。800万人を優に超える人びとが暮らす街、そしてブロンクス(NYC最北端の行政区)からほんの25マイル(40キロ)の距離に立地するインディアン・ポイント原子力発電所。ここに漏れで知られる核施設がありますが、IAEAとそのイランにおける安全に関する深刻な懸念の眼差しは、その故郷(IAEAは米国主導で創設)の近くではどこにも向けられていません。インディアン・ポイントはトリチウムを漏らしています。トリチウムが地下水、飲用水、あるいは河川や湖に混入すれば、どれほどひどいことになるか、あなたはご存知でしょうか? IAEA、DOE、NRCに任せていれば、ビッグ・アップル(NYCの愛称)は溶融コリウム(酸化ウランとジルコニウム、鉄などの溶融物)になってしまうかもしれません。
ケリーとモニスが近ごろ、IAEAのイラン行きに関連して監視と懸念と安全と透明性について盛んに語っていますので、MOX燃料に言及しておきましょう。プルトニウムが爆発すれば、ウラニウムよりも大量の熱と放射能を放出し、ウラニウムを用いた爆発に比べて、2倍の癌発症数を民間人にもたらしますが、核兵器から取り出したプルトニウムは、核施設の燃料に使用することができます。事実:MOX燃料は最も爆発しやすいタイプの燃料。MOX燃料は核兵器のヴァイアグラ。それなのに、核エンジニアたちは最も爆発しやすいと知りながら、MOX燃料を原子力発電所に装填すると決めています。まるっきり狂っています。
アレヴァの上級副社長、デイヴィッド・ジョーンズは原子炉でMOX燃料を燃やすことについて、「わたしが思うに、それは最高の解決法です…危険であるように設計されたものを取り出し、それを社会に役立つものに変えるのです」といいました。現実としては、これは社会への贈り物ではなく、アレヴァのための贈り物であり、アレヴァはプルトニウムを実質的に無料で仕入れ、それをMOX燃料に加工して、核施設に装填し、お金を稼いでいるのです。
MOX燃料は福島第一原子力発電所の3号機で使われ、3.11のさい、空高く噴きあがり、世界に放射性粒子を浴びせて、それが地球上の民間人と動物たちに、知ることもなく意図することもないまま、吸引されたのです。
あなたは安全がどれほど安全であってほしいでしょうか? IAEAはMOX燃料を燃やすことを許しています。IAEAはイランの核を査察しようとしています。IAEAは米の核にダメ出ししません。IAEAはなにも監視していませんが、核の力を推進しています。この地でただひとつ真実であるものは、蜃気楼です。
彼らは東に向かって息を詰め、彼らを解き放ち、彼らを闘争から自由にする力を、鎖の錠前が外されるのを待ち望んでおり、東西、南北の皆もろともに天国の扉が開くのを見て、千疋の蛾のように地獄へと吸いこまれ、背後の路上で最後の残り火がくすぶり、地球上に残されるものは、無為に過ごす永遠の暗闇だけになるのです。
【筆者】
[訳注:挿画はすべて訳者による。出所はWikipedia]
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