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フクシマ原発解体:
破損した原子炉建屋から核燃料棒を抜き取る
専門家らは、これは前例のない作業であり、失敗すれば惨事になるという。
破損した原子炉建屋から核燃料棒を抜き取る
【東京発】ジュリアン・リオール Julian Ryall
2013年11月6日 3:49PM GMT
数日中に4号炉で予行演習をはじめるが、これを専門家らは由々しい危険と隣り合わせであると警告する。運営会社は金曜日(11月8日)に作業本番を開始する予定を組んでいたが、原子力規制当局が今週になって、東京電力の計画の全般にわたって順調に作業できるかを確かめるためのテストを実施するように主張したので、作業は約2週間遅れになった。
当局が追加点検を要求したのは、史上2番目の核事故が招いた結果に対処する事業会社の能力について、深刻な懸念があることを示している。東京電力は、マグニチュード9の地震とそれが引き起こした津波によって、原発が壊滅的な打撃をこうむってからの32か月にわたり、非常にあからさまな失敗を重ね、当地でも世界でも、日本の核産業の信用を揺るがしてしまった。
核エネルギー専門家の危惧をよそに、日本国民、政府、環境グループのすべては、損傷した貯蔵プールから高レベル放射能を含む使用済み核燃料をできるだけ迅速に移動させなければならいことで一致している。
深刻に懸念されるのは、新たな大地震に見舞われれば、地上30メートルの高さにあるプールにひび割れができかねないことであり、そうなれば、冷却水が抜けて、燃料棒が空気中に露出してしまう。するとジルコニウム合金の被覆材が発火して、放射性物質が大気中に放出される。
燃料棒をプールから吊り上げ、水を満たしたキャスクに個別に移し、それをトラックの平床荷台に吊り降ろし、原発敷地内のより安全な貯蔵施設に運搬するという工程のどこかで判断の誤りがあれば、同じように大量の放射能が大気中に放出されかねない。
東電は、18か月間の作業が支障なく進むことに自信があるといい、使用済み核燃料プールから燃料棒を抜き取るのは「大地震の前でさえ、どこの原発でもやってきた通常の作業なのです」と強調する。
しかし、リスクがあることは認め、「安全第一原則にもとづいて」安全を確保するためにできることはすべてやると公式に誓った。
燃料棒をプールから吊り上げる外部クレーンは、4号炉建屋の外郭に余分な荷重をかけない方法で建設され、それでいて、放射能が周辺の大気中に漏れるのを防ぐために、操作の全過程は外郭の背後で実行されることになる。
安全対策をすべて並べられても、専門家らと環境主義者たちは、原発の4号炉にはチェルノブイリの10倍のセシウム137が存在し、いささかなりとも同様なことは企てられたことがないと指摘する。
「棒抜きゲームをしたことがありますか?」と、原発統御の回復するための東電の取り組みを注視してきた海外の核専門家はいう。「50本の棒切れを用意し、空中に投げ、一回に一本づつ棒切れの山から抜き取っていくのです」
「棒切れを引き抜くときに山が崩れれば、負けです」と彼はいった。「不安定な4号炉の上のゴタゴタのなかに引き抜き棒が1534本あるのです。なにが起こるでしょうか?」
「まだ試したこともありませんので、これをできると確信している人がいるとは、わたしは思いません」
いまでさえ、超ウラン元素や超プルトニウム元素を含有している燃料棒のどれかが傷ついているかどうか、はっきりしていないと彼は話す。
「ごく控えめにいっても、破局的な失敗があれば、大量に放射能が大気中に放出されます」と彼はいう。「その一方では、なにかしなければなりません」
他にもさらに恐ろしい警告を発する人たちがいて、イェール大学のチャールス・ペロー名誉教授はこういっている――「これらの燃料棒が不断に冷却されていなかったり、たがいに接近しすぎたりすれば、すべての燃料棒から放射能が放出され、東京を含む周辺地域の避難が求められることになるでしょう」。
「現場の放射能のため、共同貯蔵プールに6375本ある燃料棒を絶え間なく冷やしつづけることはできません。核分裂を起こして、数千年間、人類は脅威にさらされるでしょう」
原発の4号炉は惨事のときに稼働しておらず、メルトダウンを免れていたので、東電は同炉に力を結集してきた。そのため、4基の原子炉のなかで、4号炉の扱いは最も容易であると専門家たちはいう。
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【ウィキペディア】
デーリー・テレグラフは、1855年に創刊されたイギリスの一般紙サイズの新聞。姉妹紙のサンデー・テレグラフ (The Sunday Telegraph) は、1961年に創刊。イギリスの一般紙サイズの新聞では発行部数は1位。
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