2014年5月2日金曜日

【#RT ロシア・ツデー】井戸川克隆前町長、フクシマの放射線が子どもたちを殺し、政府が真実を隠すと語る




井戸川克隆前町長、フクシマの放射線が子どもたちを殺し、政府が真実を隠すと語る
初出:2014421
更新:2014422
津波で損壊した福島第一原子力発電所から約21キロメートル、福島県南相馬市の大甕小学校で0.12マイクロシーベルト/時の放射線レベルを表示するガイガーカウンターのそばを歩く小学生たち
損壊した福島第一原子力発電所に近接する双葉町の前町長、井戸川克隆さんは、放射能汚染が日本の一番大切な宝――子どもたち――に影響をおよぼしていると国に警告している。
井戸川さんは、双葉町の住民を福島県内のいわき市に移住させるという政府の計画について質問されると、この移動を「人権侵害」だとして批判した。
フクシマ周辺の放射線レベルはチェルノブイリと比較して、「4倍高い」と井戸川さんはRTのソフィー・シュワルナゼに指摘し、「住民が福島県に帰還するのは時期尚早です」と付け加えた。
「政府がどういおうが、とても安全とはいえません」
井戸川さんは、政府が放射能の危険を棚に上げて、住民を町に帰還させるプログラムを発足させたのだと断言する。
「福島県は帰還支援事業を発足しました。多くの場合、避難者たちは帰還を強いられています」(前町長は、空気汚染は少しばかり緩和したが、土壌汚染は変わらないままであることを示す地図を作成した)
Screenshot from RT video
井戸川さんによれば、県内に約200万の人びとが居住し、「ありとあらゆる医療問題」を抱えているが、政府はこうした健康状態がフクシマ事故と関係していないと主張している。井戸川さんは、否定するなら文書にしてほしいと求めている。
「わたしは関係当局に貴方の主張を文書で証明してほしいと要請しましたが、無視されました」
井戸川さんは前回と同じく、1986426日にウクライナを襲った核惨事に言及し、日本国民は「チェルノブイリを決して忘れない」と弁明した。それにしても、前政権の当局者の警告に留意している人はほとんどいないようだ。
「現に放射能はまだそこにあるというのに、国民は政府のいうことを信じているのです。これでは、子どもたちを殺してしまいます。子どもたちは、心臓疾患、喘息、白血病、甲状腺炎などなどで死にます。大勢の子どもたちが放課後に極端な疲れを覚えていますし、体育の授業にまったく出席できない子どもたちもいます。それでも関係当局はわたしたちから真相を隠しており、わたしにはなぜなのかわかりません。彼らには自分の子どもがいないのでしょうか? 彼らに子どもたちを守ることができないと知るのは、たいへん痛ましいことです。
「彼らは福島県が安全だといい、だから、子どもたちを避難させ、別のどこかへ移すように尽力する人はだれもいません。わたしたちはこの問題を議論することすら許されていません」
前町長は、安倍首相が2020年開催の予定である東京オリンピックを論じたさい、日本語の「オモテナシ」を盛んに連発したのを皮肉なことだと喝破したが、このことばを直訳すれば、「開いたこころで人びとを接待する」べきであるという意味になる。
井戸川さんの意見では、これと同じ待遇は、フクシマに最も緊密につながっている人たち、原発浄化作業に従事する作業員たちには平等に適用されていない。
「彼らの装備は劣悪化していました。準備は劣悪化していました。だから、彼らの安全を第一に考えなければなりませんでした。だから、放射能のほんとうの恐ろしさを知っている人たちから仕事をやめはじめたのです。いまでは、プロとはいえない人たちがあそこで働いています」
Reuters / Chris Meyers
彼らは自分のやっていることを理解していない。間違ったポンプを作動させたり、同じようなミスをしたりするような人たちである。
「わたしは自分の国がほんとうに恥ずかしいですが、わたしたちの惑星の未来をクリーンに保つためにも、真実を話さなければなりません」
次いで井戸川さんは、日本史上で最大の悲劇的な事件のひとつ、第二次世界大戦末期における米国によるヒロシマ・ナガサキ両産業都市に対する原爆投下との類似点をいくつかあげた。
「当局は(原爆投下の効果について)国民全員に嘘をつきました…真実を隠しました。それこそ、わたしたちの生きている状況なのです。単にフクシマだけではありません。日本には、なんらかの暗黒の歴史があります。これは、ある種の過去への捧げ物なのです」
井戸川さんは、作業員と一般人に放射能関連の死亡や急性疾患は見られなかったと述べる国連報告の詳細について質問されると、危機の最中における彼自身の経験をいくつか語る前に、それは「まったくの嘘っぱちだ」と切り捨てた。
「わたしが町長だったとき、大勢の人たちが心臓発作でなくなりましたし、その後も、福島県の大勢の人たちが突然死し、若い人たちでさえ、そうだったのです。関係当局が真実を世界全体に、国連に隠しているのは、ほんとうに恥ずかしい限りです。わたしたちは、じっさいに多くの人たちが死んでいることを認める必要があります。わたしたちは口を封じられていますが、東京電力の従業員も死んでいます。だが、彼らは黙して語りません」
井戸川さんは、このような状況における、じっさいの死者数について、確定的な数値を上げてほしいと求められると、「一人や二人ではありません。このように死んだのが、10人や20人はいるといっているのです」といって、明言することを差し控えた。
12600万人の日本国民に電力を供給するための新たな選択肢について質問されると、河川がたくさんあるにも関わらず、政府が水力エネルギー開発をサボっていると井戸川さんは応じた。
なぜだろうか? 「大企業の利益にならない!」からである。
井戸川さんはさらに踏み込んで、驚くほど簡単に思える方法で日本のエネルギー需要を満たすための計画案を練っている。
「ある程度の投資だけでも、多数の人びとに電力を供給することができますし、税金もかかりません。重力を活用するだけで、原子力発電の必要がなくなるほど、たっぷりと電力を供給することができます」
虫が知らせた惨事
2011311日、地震による津波が日本の北東部に襲来し、原子炉6基のうちの3基のメルトダウンを引き起こした、あの日の福島第一原発の巨大事故の以前でさえ、井戸川さんはこの施設が危険であると知っていた。
「わたしがなにも知らないふりをして、彼らに原子力発電所の事故の可能性について質問した結果、彼らにはわたしの質問の多くに答えられないことがわかりました」と、井戸川さんはいった。「率直にいって、あのときはじめて、経営幹部には不測事態対応計画の持ち合わせがないという思いがわたしの頭をよぎりました。原発は危険なのかもしれないとわたしが思い知ったのは、そのときのことです」
前町長は、津波襲来の当日、たまたま近隣の町にいたが、地震情報を得てただちに双葉町に戻る道に車を走らせたという記憶を語ってくれた。彼は後になってはじめて、間近に迫っていた津波で命を落とす瀬戸際にあったことに気づいた。
「わたしは大きい方の津波が到達する前に、なんとかそこにたどり着きました。海水から逃れたと知ったのは、後になってからのことです…運がよかったのです。車があの道を離れて、山道に乗り入れた後に津波が襲来しました」
2014310日、津波で損壊した東京電力福島原子力発電所にて、防護服とマスクを着用し、徒歩で1号炉建屋に向かう報道陣と東京電力の社員ら (Reuters / Toru Hanai)
自分の町に戻るために車を走らせていた30分間、井戸川さんの頭は原子力発電所について浮かぶ疑問でいっぱいだった。「ずっと考えていました…あれほど強烈だったからには、原発になにが起こるのだろう? 原子炉が壊れていれば、なにが? 冷却水が漏れていれば、なにが? わたしは町長として、なにをすれば?」
井戸川さんが町長室に到着してすぐのこと、窓の外を見ると、彼のいう「恐ろしい光景」に向き合うことになった。 
「普段であれば、そこから海を見ることができないのですが、あのとき、300ないし500メートル向こうに海が見えました」と彼はいった。
原発はおそらくなんらかの損傷を受けているだろうと町長に思い至ったのは、そのときである。携帯電話さえも機能しなかったので、唯一の情報源になったテレビ報道を見つめながら夜を過ごした翌日の早朝、井戸川さんは緊急避難の呼びかけを放送した。しかし、緊急放送を聞いた住民は全員ではなかった。
「わたしは後になって、双葉町住民の全員がわたしの放送を聞いたわけではないと知りました。そのことで、わたしは申しわけなく思います…わたしは、福島県がすべての情報を時宜にかなった流儀でわたしに伝えていたのではないと気づきました。そして、いま政府は放射能に対して国民の安全を確保するための手段をまったく尽くしていませんし、避難手順の実施を評価していません」
核エネルギーを超克して
井戸川克隆さんは、日本がクリーンで安全な形態のエネルギー源に転換するためには、国法を改訂する意志が必要だと信じている。
「日本には法律がどっさりあり、たぶん多すぎます。河川法があり、その利用を規制しています。農業用水の利用法を参考にして、法律を改正し、河川を発電に活用することができるようになるでしょう。この法律を改正するだけで、たくさんのエネルギーを生産することができるでしょう」
これはすべて、「わたしたちの地球を汚染しないで」達成できるだろう。しかし、このような思い切った提案は、「大企業に受けないでしょう。高額の投資を必要とせず、大型の発電所を建設する必要がないからです。投資家や資本家の儲けになりません」
だが、井戸川さんは、核の放射能に奪われ、荒廃地となった日本の町の前町長として、世論の潮目が変わるのを感じ取っている。
日本国民は「核災害に背を向ける必用があると理解しはじめていますので、人口の60ないし70パーセンが自然エネルギーに賛成しています」。

「長い時間がかかりましたが、いつの日か、わたしたちはヨーロッパの、ドイツの経験に学ぶでしょう」
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ビデオ @YouTube【#RT】「子どもたちが死亡し、政府はウソをつく!」~井戸川前町長、フクシマ放射能汚染の実態を語る

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