jamesnews24
I
was here in northwest Japan the day the first reactor at Fukushima exploded. A
year later, I moved to Japan with my family, and now, I’m on my 4th
trip into the contamination zone.
フクシマ1号炉が爆発した当日、わたしはここ、日本北西部にいました。4年後、家族とともに日本に転居し、いま4度目の汚染区域探訪に向かっています。
フクシマ1号炉が爆発した当日、わたしはここ、日本北西部にいました。4年後、家族とともに日本に転居し、いま4度目の汚染区域探訪に向かっています。
Just
behind me, here is the edge of the radioactive contamination zone. No one is
allowed to go down this road if they have none of the special passes.
わたしのすぐ後ろが放射能汚染区域の外れです。この特別通行証がなければ、この道路を先に進めません。
わたしのすぐ後ろが放射能汚染区域の外れです。この特別通行証がなければ、この道路を先に進めません。
I
come back here to try to ask two questions. Firstly, is it possible to fully
recover from a disaster like Fukushima? Secondly, is it possible to make sure
it never happens again?
ここを再訪したのは、質問をふたつするためです。ひとつは、フクシマのような惨事から完全に復旧することができるのか? ふたつめは、この惨事は二度と起こらないといえるのか?
ここを再訪したのは、質問をふたつするためです。ひとつは、フクシマのような惨事から完全に復旧することができるのか? ふたつめは、この惨事は二度と起こらないといえるのか?
Nothing
about Fukushima is straightforward. As many have pointed out, no one died, but human
cost is still being high.
フクシマについて、何事も単純明快にはいかない。何度もいわれてきたように、だれも死んでいない。だが、人間のコストはいまだに高くついている。
フクシマについて、何事も単純明快にはいかない。何度もいわれてきたように、だれも死んでいない。だが、人間のコストはいまだに高くついている。
The
little town of Namie sits 5 miles from the plant. They call this Japan’s
Chernobyl. Two days after the first reactor exploded, its 20,000 residents were
told to get in their cars and leave.
小さな町、浪江は原発から8キロのところにあります。日本のチェルノブイリと呼ぶ人もいます。1号炉の爆発から2日後、町の住民2万人は車に乗って、町を離れろと言い渡されました。
小さな町、浪江は原発から8キロのところにあります。日本のチェルノブイリと呼ぶ人もいます。1号炉の爆発から2日後、町の住民2万人は車に乗って、町を離れろと言い渡されました。
帰れない?
帰れないですね。
帰れないですね。
Hirohisa
Suzuki was one of them. He takes me to see the house that his family lived in for
150 years. He tells me his family is now scattered right across Japan. Inside,
he shows me vats where he and his father used to ferment soy sauce.
鈴木大久(ひろひさ)さんも、そのひとりです。150年間、家族が住んでいた家を見にわたしを連れていってくれます。家族は日本中の各地にバラバラになってしまったといいます。家のなかで、鈴木さんとお父さんが醤油の醸造に使っていた桶を見せていただきました。
鈴木大久(ひろひさ)さんも、そのひとりです。150年間、家族が住んでいた家を見にわたしを連れていってくれます。家族は日本中の各地にバラバラになってしまったといいます。家のなかで、鈴木さんとお父さんが醤油の醸造に使っていた桶を見せていただきました。
The
family escaped the earthquake and tsunami unscathed. But, on March the 11th,
2011, their life ended.
家族は地震と津波には無傷ですみました。だが、2011年3月11日、暮らしに終止符が打たれました。
家族は地震と津波には無傷ですみました。だが、2011年3月11日、暮らしに終止符が打たれました。
You can see
the earthquake did a lot of damage. Even so we could have stopped, cleaning up
the next day. But, then, came the plant explosion, we were told to flee. Two and
half years later, we are still refugees. Our family is divided. I have no work
with no idea whether our business will ever start again.
見てもわかるとおり、自身の被害はかなり大きいです。それでも、踏みとどまって、次の日には片付けていました。だが、原発が爆発し、逃げろといわれました。2年半たって、わたしたちはいまだに避難民です。家族はバラバラです。わたしには仕事がありませんし、はたして家業を再開できるものやら、さっぱりわかりません。
見てもわかるとおり、自身の被害はかなり大きいです。それでも、踏みとどまって、次の日には片付けていました。だが、原発が爆発し、逃げろといわれました。2年半たって、わたしたちはいまだに避難民です。家族はバラバラです。わたしには仕事がありませんし、はたして家業を再開できるものやら、さっぱりわかりません。
So,
Suzuki-san call us to his friend’s house, a few kilometers up the valley from
his house. To his friend’s house here. The reason we’ve come up here is because
levels here much, much higher.
鈴木さんが、自宅から谷あいを数キロ上ったところにある彼の友人の家にわれわれ取材班を連れていってくれます。さあ、友人の家につきました。ここまで来た理由は、線量レベルがずっと、ずっと高いからです。
鈴木さんが、自宅から谷あいを数キロ上ったところにある彼の友人の家にわれわれ取材班を連れていってくれます。さあ、友人の家につきました。ここまで来た理由は、線量レベルがずっと、ずっと高いからです。
So,
the background reading at Suzuki-san’s house was about 0.5 micro Sievert per
hour. Here you can see it’s 13.22. Really scary thing is this. Let’s put it
down near ground level here. Immediately it gets the level of 100, and then,
150, 154. Very high and we don’t stay here anymore time. We have to go, I
think.
さて、鈴木さんの家の背景線量値(訳注:事故前の線量レベル)は1時間あたり0.05マイクロシーベルぐらいでした。ここでは、13.22になっています。恐ろしい事態です。地面に近づけてみましょう。たちまち100のレベルになり、150、154…。非常に高いので、これ以上の時間、ここにいるわけにはいきません。行かねばなりません。
さて、鈴木さんの家の背景線量値(訳注:事故前の線量レベル)は1時間あたり0.05マイクロシーベルぐらいでした。ここでは、13.22になっています。恐ろしい事態です。地面に近づけてみましょう。たちまち100のレベルになり、150、154…。非常に高いので、これ以上の時間、ここにいるわけにはいきません。行かねばなりません。
鈴木さん、帰りましょう。
It’s
quite easy to get panicked by such readings. Radiation has no smell and no
taste. Standing here, looking at the plant, it’s easy to understand why many
now don’t want to come back here, especially those who, like me, have children.
あれほどの数値であれば、パニックに駆られるのは当然である。放射能には、匂いがなく、味がない。ここに立って、原発を見ると、多くの人たち、とりわけわたしのように子どもを持つ人たちが帰ってきたくないのも、たやすく理解できる。
あれほどの数値であれば、パニックに駆られるのは当然である。放射能には、匂いがなく、味がない。ここに立って、原発を見ると、多くの人たち、とりわけわたしのように子どもを持つ人たちが帰ってきたくないのも、たやすく理解できる。
Although
the radiation level here is quite high, it’s not high enough to be an immediate
threat to my health. If you like smoking cigarettes, if I smoke one packet of
cigarettes, it’s not going to increase my chances of getting cancer over my
whole lifetime. But if I smoke a pack of cigarettes every day for the next 30
years, it certainly will.
ここの放射線レベルはほんとうに高いですが、わたしの健康にただちに脅威をおよぼすほどは高くありません。あなたが喫煙をお好みだとして、わたしが1パックのタバコを吸っても、わたしが生涯全体にわたり癌を発症する可能性を高めることはありません。だが、これからの30年間、毎日1パックのタバコを吸えば、確かに高めます。
ここの放射線レベルはほんとうに高いですが、わたしの健康にただちに脅威をおよぼすほどは高くありません。あなたが喫煙をお好みだとして、わたしが1パックのタバコを吸っても、わたしが生涯全体にわたり癌を発症する可能性を高めることはありません。だが、これからの30年間、毎日1パックのタバコを吸えば、確かに高めます。
So to
bring the radiation level down, the land must be cleaned. It is a massive task
over a huge area. At this house 20 miles from the plant, they are now removing
topsoil, trees, plants, anything that’s radioactive, and covering it over with
sand.
だから、放射線レベルを下げるために、土地を浄化しなければならない。これは広大な地域を相手にした、大仕事である。原発から36キロ離れたこの家では、いま表層土、木々、植え込みと、放射能を帯びたものをすべて取り除き、砂で覆っている。
だから、放射線レベルを下げるために、土地を浄化しなければならない。これは広大な地域を相手にした、大仕事である。原発から36キロ離れたこの家では、いま表層土、木々、植え込みと、放射能を帯びたものをすべて取り除き、砂で覆っている。
え~と、3,497cpmありました。
いまは、400ぐらい。
480…
いまは、400ぐらい。
480…
The
radiation level at this particular spot was 3,497 counts per minute which is
dangerous. High and dangerous. Now, by digging out the soil and covering it
with sand, they manage to bring it down to about 400 counts per minute which is
obviously much lower and much safer.この特定地点の放射線レベルは1分あたり3,497カウントあって、危険でした。高くて、危険です。いま、土を掘り出し、砂で覆って、なんとか1分あたり約400カウントまで下げ、明らかにずっと低く、ずっと安全にしました。
In
fact, only a tiny fraction of the contamination will ever be cleared, already
it’s creating another big headache. Deep in the mountains, I was taken to see
this temporary dump. It was astonishing to me to think that all of this will be
radioactive long after my great, great, great grandchildren have come and gone.
じっさい、汚染のほんの小さな一部が浄化されただけですが、すでにこれが新たな頭痛の種になっています。山間部の奥深く、わたしはこの暫定投棄場を見に連れてきてもらいました。これ全部が、わたしの曽孫の曽孫の曽孫が登場し、退場してからもずっと放射性であると考えると、わたしは驚嘆してしまいました。
じっさい、汚染のほんの小さな一部が浄化されただけですが、すでにこれが新たな頭痛の種になっています。山間部の奥深く、わたしはこの暫定投棄場を見に連れてきてもらいました。これ全部が、わたしの曽孫の曽孫の曽孫が登場し、退場してからもずっと放射性であると考えると、わたしは驚嘆してしまいました。
But
will those future generations ever see something like this? The Japanese
government’s own experts now admit this was not a natural disaster.
しかし、彼ら未来の世代がこのようなものをふたたび見るようなことがあるでしょうか? 日本政府自体の専門家たちがいま、これは天災ではなかったと認めています。
しかし、彼ら未来の世代がこのようなものをふたたび見るようなことがあるでしょうか? 日本政府自体の専門家たちがいま、これは天災ではなかったと認めています。
Tetsujiro
Suzuki, Vice Chairman, Japan Atomic Energy Commission:
In the Fukushima case, there was a research paper suggesting that the 10 meters high tsunami could happen, but unfortunately the paper was dismissed.
原子力委員会、鈴木哲次郎副委員長:
フクシマの事例では、10メートル高さの津波がありうることを示す研究論文がありましたが、残念なことに、この論文は却下されたのです。
In the Fukushima case, there was a research paper suggesting that the 10 meters high tsunami could happen, but unfortunately the paper was dismissed.
原子力委員会、鈴木哲次郎副委員長:
フクシマの事例では、10メートル高さの津波がありうることを示す研究論文がありましたが、残念なことに、この論文は却下されたのです。
Rupert
Wingfield-Hayes:
My memory is that after Chernobyl we were promised very, very clearly that the similar accident could never happen.
ウィングフィールド=ヘイズ記者:
わたしの記憶では、チェルノブイリ事故のあと、同じような事故は二度と起こりえないと、非常にはっきり約束されました。
My memory is that after Chernobyl we were promised very, very clearly that the similar accident could never happen.
ウィングフィールド=ヘイズ記者:
わたしの記憶では、チェルノブイリ事故のあと、同じような事故は二度と起こりえないと、非常にはっきり約束されました。
T.
Suzuki:
We need to be prepared for the worst case we have to tell the public. This is the worst case. If you tell the worst case, the public say, don’t tell it afterward. So, that was the dilemma. And, if you want to continue to build nuclear power plants, you have to keep telling the public the reactors should be safe.
鈴木氏:
最悪の事態に備えなければならないと、国民に説かなければなりません。これは最悪の事態です。最悪の事態だといえば、国民は、後になって言うな、といいます。だから、これはジレンマでした。原子力発電所を造りつづけたいなら、原子炉は安全だと国民にいいつづけなくてはなりません。
We need to be prepared for the worst case we have to tell the public. This is the worst case. If you tell the worst case, the public say, don’t tell it afterward. So, that was the dilemma. And, if you want to continue to build nuclear power plants, you have to keep telling the public the reactors should be safe.
鈴木氏:
最悪の事態に備えなければならないと、国民に説かなければなりません。これは最悪の事態です。最悪の事態だといえば、国民は、後になって言うな、といいます。だから、これはジレンマでした。原子力発電所を造りつづけたいなら、原子炉は安全だと国民にいいつづけなくてはなりません。
…(inaudible
聞き取り不能)...
When
the tsunami swept it here two and a half years ago, it revealed the shocking
complacency of Japan’s nuclear industry. It had issued a tsunami on this scale
would not happen within the lifetime of the Fukushima plant. And so, it simply
didn’t bother.to prepare.
2年半前、この漁船をここに打ち上げた津波は、日本の核産業の衝撃的な能天気ぶりを暴きました。核産業は、これほどの規模の津波が福島原発の耐用期間に起こらないだろうと表明していたのです。だから、備えをする面倒をただ省いたのです。
2年半前、この漁船をここに打ち上げた津波は、日本の核産業の衝撃的な能天気ぶりを暴きました。核産業は、これほどの規模の津波が福島原発の耐用期間に起こらないだろうと表明していたのです。だから、備えをする面倒をただ省いたのです。
If
such complacency can happen here in Japan, then it can almost certainly happen
elsewhere to.
このような自己満足がここ日本でありうるとすれば、他の国でもありうるのはほぼ確実です。
このような自己満足がここ日本でありうるとすれば、他の国でもありうるのはほぼ確実です。
【オリジナル・サイト】
NEWS: Science & Environment
BBCニュース:科学&環境
2013年10月1日初出
BBC特派、ルパート・ウィングフィールド=ヘイズ(Rupert Wingfield-Hayes)記者は、2012年、家族とともに日本に転居し、福島原子力発電所の閉鎖を招いた2011年津波のその後を報道することに多大な時間を割いてきた。
最近、記者は損傷した福島原発を再訪し、多くの日数を汚染地帯ですごすとともに、核専門家と対談している。
フクシマの規模の惨事からの回復は可能だろうか、また、これは二度と起こらないと保証するのは可能だろうか、と記者は問う。
BBC News: The Editors
features the BBC's on-air specialists asking questions which reveal deeper
truths about their areas of expertise. Watch it on BBC One on Monday 30
September at 23.20 BST or catch it later on the BBC iPlayer or on BBC World
News.
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