2013年2月17日日曜日

【拡散!】「福島の子どもたちの甲状腺がんについての緊急見解」松崎道幸先生(深川市立病院内科)


  本稿は、北海道・深川市立病院内科の松崎道幸先生作成「福島の子どもたちの甲状腺がんについての緊急見解」pptをブログ記事に再構成したものです――
☆ ☆ ☆
福島の小児甲状腺がんの発生率は
チェルノブイリと同じかそれ以上である可能性があります
~福島県県民健康管理調査結果に対する見解~
松崎道幸
(北海道反核医師の会運営委員)
2013215
(この見解は暫定的なものでありますが、事態が深刻であると考え、多くの人に見ていただき、共に考える材料としたいと思います。広く拡散下さい)
1995年に山下俊一氏、長瀧重信氏らが共同著者となった論文がThyroidという医学雑誌に発表されています。
これは、事故時10才以下だったチェルノブイリ周辺の約5万人の子どもたちを対象に、事故から57年後に甲状腺超音波検査を行った結果を報告したものです。
5ミリ超の甲状腺病変を超音波検査で検出し、穿刺細胞診検査などで確定診断を行った結果、1万4千人に1人の甲状腺がんが発見されました。高汚染地域では4千5百人に1人見つかりました。
ところで、今回、福島県の健康管理調査で、18才以下の子どもたち38千人の甲状腺件超音波検査で、3名の甲状腺がんが発見されました。
しかもこのほかに甲状腺がんの疑いのある子どもさんが7名おられるということです。
原発事故から2年も経たないうちに、チェルノブイリ事故の数年後と同じかそれ以上の率で甲状腺がんが福島の子どもたちに発生している可能性があると考えざるを得ない結果です。
ちなみに、山下氏らの調査が行われたのは、小児甲状腺がんの激増が明らかになった時期です。
論文の要約
Ito M, Yamashita S, Ashizawa K, Namba H, Hoshi M, Shibata Y, Sekine I, Nagataki S, Shigematsu I. Childhood thyroid diseases around Chernobyl evaluated by ultrasound examination and fine needle aspiration cytology. Thyroid. 1995 Oct;5(5):365-8.
イトウM、山下S、セリザワK、ナンバH、ホシM、シバタY、セキネI、長瀧S、重松I
超音波診断および穿刺吸引細胞診(FNA)によって評価したチェルノブイリ周辺の小児甲状腺疾患 Thyroid 199510月;5(5):365-8. 
Screening by ultrasound examination and fine-needle aspiration cytological biopsy (FNA) was conducted in five regions in Belarus, Ukraine, and Russia to investigate the prevalence of childhood thyroid diseases around Chernobyl. Gomel, Zhitomir, Kiev, and the western area of Bryansk are the administrative regions where severe radioactive contamination occurred. The subjects from Mogilev, where contamination was relatively low, served as controls. Among 55,054 subjects (26,406 boys and 28,648 girls), the prevalence of ultrasonographic thyroid abnormalities such as nodule, cyst, and abnormal echogenity was significantly higher in the regions with severe contamination than in Mogilev. Of the 1,396 children showing echographic thyroid abnormalities 197 were selected for FNA, and a sample was successfully obtained for diagnosis from 171 (51 boys and 120 girls) of the 197 subjects. The aspirate was insufficient for diagnosis in the remaining 26 subjects. Thyroid cancer was encountered in four children (2.3%) from the contaminated regions, two children being from Gomel. The other thyroid diseases were follicular neoplasm, 6.4%; adenomatous goiter, 18.7%; chronic thyroiditis, 31.0%; and cyst, 24.0%, suggesting that a major cause of thyroid nodularity is nonneoplastic changes, mainly chronic thyroiditis and cysts. These results will serve as an important data base for further analyses and suggest that childhood thyroid diseases, including both neoplasms and immunological disorders, are consequences of radioactive fallout. PMID: 8563473
チェルノブイリ周辺における小児甲状腺疾患の有病率を調査するために、ベラルーシ、ウクライナ、ロシアの5地域において、超音波診断および穿刺吸引細胞診生体検査(FNA)を実施した。ゴメリ、ジトーミル、およびブリャンスクの西部地域は、高度放射能汚染にみまわれた管理区域である。汚染度が相対的に低いモギレフの被験者を比較対象群とした。被験者55,054人(男児26,406人、女児28,648人)のうち、結節、嚢胞、および異常なエコー反応を示すものの割合は、高度汚染地域のほうがモギレフよりも有意に高かった。超音波診断による甲状腺異常を示した児童1,396人のうち、197人がFNAのために選別され、その被験者197人のうち、171人(男児51人、女児120人)から診断のための試料が首尾よく得られた。残りの被験者26人について、吸引試料が診断するには不足であった。児童4人(2.3%)に甲状腺癌が見つかり、うち2人はゴメリの児童だった。他の甲状腺疾患としては、濾胞性腫瘍が6.4%、腺腫性甲状腺腫が18.7%、慢性甲状腺炎が31.0%、嚢胞が24.0%あり、甲状腺小結節形成の主要な原因が非腫瘍性病変であり、主として慢性甲状腺炎および嚢胞であることを示唆している。これらの結果は、追加的な分析のための重要なデータベースとなるだろうし、腫瘍および免疫不全の両者を含む小児甲状腺疾患が放射性降下物の影響であることを示唆している。PMID: 8563473
(翻訳/井上)

事故時010才だったチェルノブイリ周辺の子どもたちに、事故から57年目に詳しい甲状腺超音波検査を行った山下チームの調査結果
地域
汚染度
検査人数
甲状腺がん
モギレフ
やや低
12,285名 
0名  
ゴメリ
8,949名 
2名 
ブリヤンスク
12,147名 
0名 
キエフ
10,578名 
1名 
ジトミル
11,095名 
1名 
合計

55,054名 
4名 

小児甲状腺がんが1万人当り0.7人(13,763人に1人)発見された。高汚染地域のゴメリでは45百人に1人が甲状腺癌がんだった。
福島の18才以下の子ども38千人中3名が甲状腺がん、さらに7名が疑いあり
13千人に1=数年後のチェルノブイリと同じかそれを上回る恐れあり(疑い例ががんだったなら38百人に1




新たに2人が甲状腺がん 福島の18歳以下
2013/2/13 13:01
東京電力福島第1原発事故による放射線の影響を調べている福島県の県民健康管理調査の検討委員会が13日、福島市内で開かれ、18歳以下の2人が新たに甲状腺がんと確定したと報告された。昨年9月に判明の1人と合わせ、3人となった。
福島県立医大の鈴木真一教授は「甲状腺がんは最短で4~5年で発見というのがチェルノブイリの知見。今の調査はもともとあった甲状腺がんを把握している」と述べ、同原発事故による放射線の影響を否定した。
3人のほかに7人ががんの疑いがあるとして、県立医大が検査を続けている。甲状腺検査は震災当時18歳以下が対象。2011年度に1次検査を約3万8千人を対象に実施した。
2次検査で細胞検査が必要とした76人のうち、10人にがんの疑いがあるとされ、このうち3人が甲状腺がんと判明した。〔共同〕
福島の子どもたちの健康が本当に心配です。
放射線の被害を防ぐために、共に考え、共に行動しましょう。

2013年2月11日月曜日

【お知らせ】郡山発『子どもたちを被曝から守ろう!2.23新宿デモ』無料シャトルバス

ふくしま集団疎開裁判の会では、2月23日(土)に新宿東口アルタ前を出発点として新宿デモを決行し、「子どもたちを被曝から守ろう!」と一般市民に広くアピールすることになりました。
あの3.11東北沖大地震に端を発した東京電力福島第1原子力発電所の事故以来、わたしたち福島県民はすでに2年間に渡って、国際放射線防護委員会(ICRP)声明にある勧告を唯一絶対の国際基準とする「年間受忍被曝量20ミリシーベルト」という途方もない超法規的・違法な政策を押し付けられ、その政策が是正される兆しもまったく見ることができません。
3.11福島核被災記念日を目前にした今回・223日新宿デモは、わたしたち福島県民にとって、「子どもたちを被曝から守れ!」「避難の権利を認めよ!」「核時代の人権を保証しろ!」と政府や関係機関、司法、首都圏の人びと、ひいては広く日本国民、世界の人びとにアピールする絶好の機会になるはずです。
福島県民のみなさん、インターネットや講演会で学び、みずからの知識を深めることはとても大切です。でも、一歩前に踏み出して、みずからの思いと願いを世間に発信しなければなりません。
「ふくしま集団疎開裁判」の会では、『子どもたちを被曝から守ろう!2.23新宿デモ』参加者を核被災現地・福島県から広く募るために無料シャトル便として大型バスを運行することにしました。福島県在住者の乗車申し込みを、こころからお待ちいたします。
【特記事項】
 
福島県から福島原発告訴団2.22東京地検包囲行動』ご参加のあと、東京一泊のうえ、翌日の『2.23新宿デモ』にひきつづいてご参加のみなさまに、「ふくしま集団疎開裁判」の会からの特典として、宿泊費補助金3,000を支給させていただきます。もちろん、郡山発シャトル便の帰路も無料でご利用になれます。こちらも、ふるってご応募ください。
郡山発『2.23新宿デモ』無料シャトル便・世話人
井上利男


【シャトル便概要】
大型バス 定員45名 補助シート使用時55

画像はイメージです。
【スケジュール】
2013
223日(土曜日)
集合場所 JR郡山駅西口バスローターリー西側、観光バスなど一時停車場
集合時刻 0745 時間厳守!
発車時刻 0800
新宿到着 1230
アピール 1300~ デモ行進 1430~ 解散前アピール 1520
新宿出発 1600(アピール終了しだい)
郡山帰着 2030ごろ予定

【参加申し込み要項】
[申込先]
E
メール momo-kikaku(a)amber.plala.or.jp  (a)@に置き換えてください。
ファックス 024-954-7478
[記入事項]
① 標題:「2.23シャトル乗車申し込み」(必須)
② 氏名(必須)
③ 所属グループなど
③ 住所
④ 携帯電話番号(必須!行動中の所在確認などに必要です)
⑤ 有事連絡先(ご親族など)
⑥ 2.23新宿行動に寄せるメッセージ、コメントなど、ご自由にお書きください。
  (匿名で公表することがあります)
帰路便のみのご乗車希望の方は、その旨を明記してください。ただし、往復乗車希望者を優先しますので、万一定員を超える場合は、余儀なく乗車をお断りすることもありますので、その節はご容赦ください。
福島原発告訴団2.22東京地検包囲行動』ご参加のあと、『2.23新宿デモ』にもご参加くださるかたには、前述のように宿泊費補助金が支給されますので、当日、宿泊施設発行のレシートをご用意ください。

【Fax申込書PDFダウンロード

合言葉は、「子どもを守れ!」「311日を風化させるな!」
熱いこころを乗せて、新宿に参上しましょう。原発被災地の思いを伝えましょう。


【デモの概要】


より大きな地図で 2月23日新宿・アルタ前デモ コース を表示

場所  新宿駅東口・アルタ前
主催  ふくしま集団疎開裁判の会
連絡先 光前法律事務所(03-5412-0828)
呼掛人 荒井晴彦 おしどりマコ 柄谷行人 神田香織 沢田昭二 四ノ宮浩 
    高橋哲哉 鄭義信 野中ともよ 広河隆一 広瀬隆 舩橋淳 山本太郎

疎開裁判の会は、全てのいのちを守ることを目的とした集まりです。
差別と暴力を肯定する個人、グループの参加はご遠慮ください。
【関連記事】
【速報】『子どもたちを被曝から守ろう!2.23新宿デモ』決定。命の復興を最優先に、ふくしまの子どもの命を守れ!


【参加者メッセージ】
みなさんのメッセージをそのまま掲載させていただきます――

   
「原発いらない金曜日in郡山」参加者です。
東京電力及び日本政府は福島第一原発事故の全責任を負って、福島県民並びに東日本国民全員の移住先を即刻確保し、福島第一原発のみならず、国内全ての原発を廃炉にすることを国家の総力をあげて実行する義務がある。と言うことを主張したいので、座席が在りましたら参加させていただきたく、よろしくお願いいたします。
☆ ☆ ☆
福島では、子供達の甲状腺ガンが急拡大しようとしているのに、国・県は認めようとせず、マスコミも、この重大さを報道しようとしません。このままでは、第2のチェルノブイリであり、26年後のウクライナの現状を知るとき、福島の今後を想像するとゾッとします。
私も、孫6人おり、それぞれ家族避難・母子避難と県外で続けていますが、避難を続けるには、是非とも、この疎開裁判に勝訴していくことが絶対必要であり、共に闘うため参加したいので、よろしくお願いします。
☆ ☆ ☆
郡山駅前の金曜日の抗議行動に参加している者です。市内の特別支援学校の教諭として、身体に障害のある生徒と日々向き合っています。彼らの健康が心配です、彼らの未来が心配です。福島県民の一人として怒りを伝えたいと思います。
☆ ☆ ☆
このような機会を作って頂き、初めて郡山集会以外の大きな集会へ参加する事が出来ます。ありがとうございます。どうぞ宜しくお願い致します。
☆ ☆ ☆
「原発いらない金曜日in郡山」参加者です。毎週金曜日の行動によって訴えられるのは、郡山市民だけですが、この機会に違う場所で、原発廃炉、福島県民の疎開、被曝者に対する補償、救済を強く訴えたい。
☆ ☆ ☆
霞ヶ関での抗議行動が定着しているいっぽうで、街行く人びとは、収束していない原発事故について・今なお続いている放射能被害(被曝)について・避難や疎開の問題について、驚くほど冷ややかだという声を耳にします。人通りの多い新宿の街で、「原発の爆発から既に2年が過ぎようとしているのに、問題は山積するばかりで、一向に解決していないこと」を、強くアピールして行きましょう。