2018年8月30日木曜日

国境なき記者団【#ケチって火炎瓶】警察は山岡俊介氏の不審な転落事件を捜査しなければならない

報道の自由をめざす国境なき記者団
Reporters without borders

NEWS
2018年8月28日

日本の警察当局は首相とヤクザの結託を調査しているジャーナリストの不審な転落事件を捜査しなければならない



国境なき記者団は日本の関係当局に対し、総理大臣とマフィアの結託を思わせる事例の調査で知られるジャーナリストが不審な形で転落し、入院するにいたった事件を解明するように要請する。

山岡俊介59歳)は日本語の調査報道ウェブサイト“Access Journal”(アクセス・ジャーナル)の創設者であるが、東京の地下鉄・新宿駅で87日、階段の20段分を転落して、意識を失い、肩を骨折し、額に20針縫う傷を負った。この事故のため、山岡は1日の入院を余儀なくされ、回復するまでに1か月以上かかった。このジャーナリストは、彼の転落は事故ではなかったと確信している。

この独立ジャーナリストは、安倍晋三首相とヤクザのあいだに結託がある可能性を調査しており、これまで数年間にわたり、おびただしい数の脅迫状が届き、自宅が故意に放火される憂き目にあったと断言した。山岡によれば、警察は「現場に向けられた監視カメラがない」といって、捜査に着手するのを拒否した。

国境なき記者団(RSF)東アジア支局のセドリック・アルヴィアニ局長は、「このジャーナリストが扱っていた取材内容を考えると、このように不自然な転落は本格的な捜査に値しますが、目下のところ、実施されていないことが明白です」と語った。アルヴィアニは新宿警察署に、「現場の周辺にあるすべての監視カメラの録画を調べ、目撃者を探して、転落の真相を明らかにするとともに、このジャーナリストがこうむった脅迫の全案件について捜査する」ように要請している。

国家主義者の安倍晋三首相が政権に復帰した2012年からこのかた、日本のジャーナリストたちは彼らに向けられた不信と敵意の全般的な風潮を嘆いており、とりわけ政府を取材対象にしている場合、なおさらのことである。

日本は、国境なき記者団が判定した世界報道自由度ランキング2018年版において、180か国のなかで第67位にランク付けされている。

【クレジット】

Reporters without Borders, “Japan must look into the suspicious fall of journalist investigating links between Prime Minister and mafia,” posted on August 28, 2018 at https://rsf.org/en/news/japan-must-look-suspicious-fall-journalist-investigating-links-between-prime-minister-and-mafia?nl=ok.

【関連メディア記事】

日刊ゲンダイDIGITAL 2018831
国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団(RSF)」が28日付で〈日本は、首相とヤクザの関係を調査するジャーナリストの不審な転落事故を捜査しなければならない〉との声明を出した。過去の山口県下関市長選を巡る安倍事務所の“火炎瓶騒動”を取材するジャーナリスト・山岡俊介氏が遭った不審な転落事故について、当局による捜査を要請。安倍首相の過去の重大疑惑は、いよいよ世界の知るところとなった。







英紙ガーディアン【この大地は君の大地】ロッキーフラッツ国定野生生物保護区に☢プルトニウム汚染の恐れ





学校はプルトニウムを恐れるあまり、新設のコロラド野生生物保護区への訪問を禁止

近隣の町は、かつて核兵器施設が配置されていた土地が脅威をいまでも孕んでいると提訴している

ロッキーフラッツ工場の労働者を讃えて創作された記念碑、冷戦馬が現地の近くに立っている。Photograph: Chet Strange for the Guardian

全米で最も新しい国定野生生物保護区は、一面プレィリーグラス[訳注:イネ科の高草]で覆われ、エルクの一群が生息しており、来月、コロラド州の最大都市のすぐ外側で一般公開される予定になっている。

だが、デンヴァー州首都圏の7校区がすでに、保護区で野外学習をするのを学校が公認することを禁止している。地元保健当局のトップは、自分がそこに行くようなことはおそらくないだろうという。それに町は、土壌含有物の成分を巡って提訴している。

デンヴァー公立学校教育委員会のリサ・フローレス委員は、「ロッキーフラッツの汚染がもたらす脅威、それに野外学習に出かける子どもたちに対するその影響は、専門家たちの議論の争点になるようです。子どもの安全の保証が決定的にならないかぎり、わたしたちは万全な警戒を怠らないでしょう」とガーディアン紙に語った。

21.19平方キロを占めるロッキーフラッツ国定野生生物保護区は、今年の秋に一般公開される予定になっており、かつて核兵器生産施設だった場所を取り巻く地域に位置している。ロッキーフラッツ工場は1951年から1989年にかけて、プルトニウム起爆物――爆薬の炸裂によって圧縮されると、核反応を起こすグレープフルーツ大の球体――を製造していた。

地所内の平原を横切って歩くロッキーフラッツ国定野生生物保護区の管理人、デイヴィッド・ルーカスPhotograph: Chet Strange for the Guardian

デンヴァーから北西に20マイルばかり、このエリアは除染済みであり、政府が安全を宣言しているものの、かつて施設が建っていた場所の地中にはプルトニウムが残存している。


――保護区管理人
デイヴィッド・ルーカス
保護区の見学者は廃工場の敷地に立ち入ることが許されていない。5.26平方キロの区画がフェンスで囲い込まれ、立入禁止になっていて、合衆国エネルギー省が監視し、管理している。合衆国魚類野生生物局(USFWS)が来月の一般公開を予定している区画は、かつての緩衝地帯、工場周辺の土地である。保護区管理人、デイヴィッド・ルーカスは、「わたしどもは科学と責任ある当局を信頼しております。一般市民とわたしどもがお迎えする皆さま全員にとって、安全だと信じております」と語った。

緩衝地帯は過去50年間、おおむね手付かずのままであり、最小限の徒歩通行者しかいなかったので、動植物が思う存分に繁栄繁茂してきた。保護区は、植物630種あまりの植生地であり、絶滅危惧種のプレブル牧草地トビネズミ、100頭あまりのエルクの群れを含め、動物230種あまりの生息地である。USFWS監視レンジャー、シンシア・サウダースは、「この地域の生息環境と野生生物は、デンヴァー地域全体のなかでもユニークです」といった。

それでも、除染の徹底ぶりを疑う人たちがいる。

2017年、ロッキーフラッツ国定野生生物保護区に遊歩道とビジターセンターを開設する計画に対するデンヴァー抗議集会に参加したアーロン・ウイナー。Photograph: David Zalubowski/AP
工場は1989年、飲用水に毒性廃棄物を投棄するなど、環境犯罪容疑で連邦捜査局と環境保護庁の強制捜査を受けたあと、環境保護庁のスーパーファンド法[汚染浄化信託基金法]にもとづく国家優先リストに記載された。エネルギー省は当初、除染作業に60年の期間と300億ドルの経費がかかると見積もっていた。だが、自営の請負業者が実施した作業工程は、10年間の工期と70億ドルの費用がかかっただけである。その間に800棟あまりの建築物が除染され、解体された。その結果、保護区指定地域は復旧の必要性ゼロと査定された。

保護区の所在地、ジェファーソン郡の公衆衛生局長は、公園の安全性に彼なりの疑惑を抱いている。マーク・ジョンソンは、「あの土地のリスクは、非常に、非常に低いとデータが示していると、こころから感じていたなら、あの人たちがオープンしても、わたしは戦ったりはしません。元の(除染の)見積もりだった70年工期と数百億ドルが、あれほど短く、あれほど安く切り詰められるなんて、あまりにもお手軽だと思います」と語った。

人口13,000人、保護区の北東端に接する町、シュペリアの住民たちは、ハイカーやバイカー[自転車乗り]が保護区からプルトニウムが紛れ込んだ土埃を運び込みかねないと危惧し、提訴している。シュペリア町民を代理する弁護士、ティモシー・ゲイブルハウスは、「プルトニウムに関するリスク評価のすべては、非常に限定的なハイキング利用、それに保護区従業員の区域内作業にもとづいており、わたしたちとしては、粉塵のいう点で、大量に発生しなかったはずの代物は、大規模な土壌や地下水層にトラブルを持ち込んだりしなかったはずだと言っているのです。事情はすっかり変わってしまいました」と述べた。

合衆国司法省は係争中の訴訟に関するコメントを拒否した。だが、州の環境保護専門官、リンゼイ・マスターズは、心配は度を越していたと述べた。「これは地球上最良の優秀さで調査された土地のひとつなのです。この土地は、州と連邦の法律および規制に則って除染されました。(観光客の)リスクは考えられないほど低いです」と、彼はいう。

一般人には、かつて汚染されていた核関連施設の現地を訪れる旅行需要が明らかにある。約30マイル西方のロッキーマウンテン兵器庫・国定野生生物保護区は、第二次世界大戦および冷戦のさなか、兵器の製造のために使われていた。ラスヴェガスから北方に約65マイル、かつて核実験場だったネヴァダ国家安全保障用地の月例公開ツアーに参加することができる。また旅行者は年に2回、世界最初の原子爆弾が炸裂した場所、ニューメキシコ州の国定歴史遺跡であるトリニティ実験場を訪問することができる。

ロッキーフラッツ国定野生生物保護区に佇む納屋。Photograph: Chet Strange for the Guardian

環境分析の改善を求める訴訟2件の連邦裁判所審理が目下、進行中なので、ロッキーフラッツが上記の国家優先リストに加えられるべきか否かは、たぶん裁判官が決めるだろう。

最近の訪問のさい、数十頭のエルクが暗渠のくぼみを登って現れ、幼獣たちは親のあとにピッタリ付いていた。エルクの鳴き交わす声が風に運ばれ、まるでカモメの鳴き声のようだった。ウチワサボテンとタマサボテンが地表に点在し、上空には、ツバメ、カオグロアメリカムシクイ[ホオジロ亜科の鳥]、マキバドリ[ムクドリモドキ科の鳥]が飛びまわっていた。オオカバマダラ[タテハチョウ科の蝶]が、ピンク色に花咲いたトウワタ[唐綿、キョウチクトウ科の多年草]の腰高ほどの茂みのあいだで羽ばたいていた。

そして、静かだった――三方を幹線道路で囲われ、核兵器にかかわる紛争の渦中にある土地にしては――思いのほか静かだった。

【付記】本稿は822日付けで訂正された。旧版はプレブロ草原トビネズミを絶滅危惧種としていた。実際には、このネズミは「絶滅寸前」項目に記載されている。

【クレジット】

The Guardian, “Amid plutonium fears, schools ban visits to new Colorado wildlife refuge,” by Daliah Singer in Denver, posted on 22 August, 2018 at https://www.theguardian.com/environment/2018/aug/22/new-us-refuge-rocky-flats-plutonium-toxic?CMP=share_btn_tw.







2018年8月21日火曜日

グローバル☢被ばく者【ブログ】帳の奥に隠された #フクシマ☢放射能災害を見てはならぬ



グローバル被ばく者
Global Hibakusha



帳の奥に隠された放射能災害を見てはならぬ


by Bo
14-08-2018



日本政府は、東京2020年オリンピック大会が有効な広報機能を発揮して、日本のイメージ、とりわけ北日本と福島の放射能汚染イメージを払拭することを明らかにねらっている。福島第一原発の現場そのもの、そして爆発によって地域全体に降り積もった放射性物質の跡が修復されていなくても、一般人の認識は修復されるだろう。これが、放射能災害に見舞われた先進諸国政府のふるまいの典型例である。災害そのものは払拭するのが非常に困難で、一掃する準備を整えるだけでさえも数十年かかるので、大々的な広報活動のために大金が割り当てられる。広報活動は、完遂できる仕事であり、成功できると考えられている。広報活動は、政府の大衆イメージ操作を前進させるし、それにまた核惨事の修復にかかわる全般的な傾向が決め手を欠いているもののひとつである昨今、お任せ意識の拡散もする。

日本政府はその目標に向けて、来るべきオリンピック大会のメディアお祭り騒ぎにフクシマ現場と認識を組み込んでしまおうと目論んでいる。日本全国の都道府県を巡るオリンピック聖火リレーの旅路は福島県を出発*にしており、これは、政府が「安全」を宣言し、強制避難者への公的資金供与を削減して以来、多くはわずかな帰還者しかいない、かつての避難区域自治体への再定住を促すことを狙った象徴的な再生を意味している。

政府はまた、野球とソフトボールといった幾つかのオリンピック競技を福島県で開催しようとしている。東京2020年オリンピック大会準備委員会の森喜朗会長は、「東京2020年オリンピック大会は20113月の災害から日本が回復し、再建したことを見せるショーケースでありまして、わたしどもはさまざまな形で、人びと、とりわけ被災地の皆さんの励ましになるものにしたいと存じます」と述べた。

このフクシマが安全だとする積極的なブランド復活は、今もなお進行中のリスクを思い起こさせる物理的な存在を除去することを含んでいる。中央政府は最近、各地の一般向け放射線モニタリング・ポストの80%を撤去すると発表した。これらの放射線監視装置は外部ガンマ線量を測定するだけであり、これは(20113月の爆発で発生したプルームからの放射性降下物として地域を包み込んだ内部被曝性の放射性粒子を原因とする)住民に対する最重要なリスク要因ではなく、また元来、放射線源粒子は地表に存在するので、これらのガンマ線検出器を空中に設置すると読み取り値が低くなると論じることができる。モニタリング・ポストはそれでもなお、リスクが今なお厳然していることを思い出させる具体的で具現的な構造物なのだ。 

見直し対象のひとつである福島県只見町立明和小学校入り口近くのモニタリング・ポスト。25日に訪れると、毎時0.064マイクロシーベルトを示していた=只見町小林
出処:前節リンクの朝日新聞オンライン英語版記事。朝日新聞オンライン日本語版「福島)放射線量測定装置、継続要請相次ぐ

フクシマのイメージを修復する、もうひとつのステップが、汚染レベルが高くて、居住制限が解除されていない地域を通っており、これまで閉鎖されていた国道の開放である。「日本のNGOが、福島第一原発の近くを通っており、新たに開放された国道114号線に設置された標識の写真をソーシャル・メディアに投稿した。看板は『できるだけ迅速にご通行ください』と人びとに告げており、しかも英語表記である。この一筋の国道は、災害による最高レベル放射線地帯を区切って、福島第一原発のすぐ北を走り、福島市に通じている」と、SimplyInfoサイトに投稿された記事が記している(原注:筆者はSimplyInfo調査集団の同人)。上記の写真は、これ――

(高レベル放射線区域)できるだけ迅速に、ご通行ください」

2020年オリンピック大会に向けて、地域のイメージの修復を図る活発なキャンペーンが明らかにあり、この取り組みは開催期日が間近に迫るにつれて、疑いなく強化されるだろうが、その一方で、地域社会でも、国全体でも押し戻し、抵抗する動きもある。県都、福島市(福島第一原発現場から約80 km)のJR駅で最近、除幕された立体作品が物議を醸している。英紙ガーディアン記事が、次のように伝える――

「ヤノベ・ケンジの造形作品は、黄色の防護服風のスーツを着用し、片手にヘルメット、もう一方の手に太陽を表すアート造形物を掲げた子どもを表現している。

「ヤノベは日本と海外各地の美術展で展示されたあと、自治体が設置した彼の作品『サン・チャイルド』について、核のない世界を求める彼の願いを表現しているという。

「アーティストは、福島第一原発がチェルノブイリ以来で世界最悪の核災害の現場になってから7年以上たった今、地元の子どもたちが放射能から自衛する必要があるという印象を与えるつもりはないと語った。

「彼は、子どもがヘルメットを着用していないし、胸のモニターは放射線レベル“000”を表示していると指摘した」

福島市に設置されたヤノベ作品『サン・チャイルド』像

福島市の市長をはじめ、何人かの人たちが、この像は地域の子どもたちの希望あふれる未来を強調していると称賛した一方で、他の人たちは、この像は地域の子どもたちになんの危険もないとほのめかしていると批判した。

この造形作品は、人がどのようにそれを解釈しようとも、この地域では、物事が正常から遠く掛け離れているという事実を人びとに突きつけている。中央政府が、高く掲げた帳の奥で起こっている事態に人びとが注意を向けないように願うあまり、強固な力をこめようとも、これははっきりしている。

【クレジット】

Global Hibakusha, “Pay no attention to that radiological disaster behind the curtains,” by Bo, posted on August 14, 2018 at https://globalhibakusha.com/page-2/?permalink=hiding-fukushima-behind-the-curtains-in-official-japan.

【筆者】

Bo, aka Robert Jacobs
ボー、またの名をロバート・ジェイコブズは、核テクノロジーと放射線テクノ政治を対象とする歴史学者、広島市立大学の広島平和研究所および大学院国際学研究科の教授。

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