@yurikageyama Researcher: Children's cancer linked to Fukushima radiation http://t.co/e2GH3Ov64H
影山優理記者【@AP】研究者(津田敏秀教授)子どもの癌をフクシマ放射能に関連づけ
— inoue toshio 子どもを守れ! (@yuima21c) 2015, 10月 10
影山優理 YURI KAGEYAMA
2015年10月8日
資料:この2011年3月15日付け資料写真に、福島県の沿岸に立地する原子力発電所が3月11日の地震に被災したあと、東京の北東に位置する郡山市の検査場で、子どもが放射能被曝検査を受けている様子が示されている。新たに公開された研究論文が、フクシマの核メルトダウン曝心地の近くに居住する子どもたちが、他の場所の子どもたちに比べて、20ないし50倍の確率で甲状腺癌と診断されたと伝えており、この違いは、この地域で見つけられている症例が多いのは、ただ単に厳重なモニタリングを実施しているからであるという政府の立場を掘り崩すものであると記している。370,000人の大多数が超音波検査を受診した。8月に最新の統計資料が公表されており、その子どもたちの甲状腺癌の疑い例と確定例が137人になり、1年前より25人増えていることが示されている。他の場所では、この疾患の発症率が100万人あたり1例か2例に過ぎないことが、いくつかの見積もりに示されている。(AP
Photo/Wally Santana, File)
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【東京発、AP通信】新たに公開された研究論文が、フクシマの核メルトダウン曝心地の近くに居住する子どもたちが、他の場所の子どもたちに比べて、20ないし50倍の確率で甲状腺癌と診断されたと伝えており、この違いは、この地域で見つけられている症例が多いのは、ただ単に厳重なモニタリングを実施しているからであるという政府の立場を掘り崩すものだと著者らは断言している。
2011年3月の津波に破壊された福島第一原発のメルトダウン以降に、福島県内に住む子どもたち370,000人の大多数が超音波検査を受診した。8月に最新の統計資料が公表されており、その子どもたちの甲状腺癌の疑い例と確定例が137人になり、1年前より25人増えていることが示されている。他の場所では、この疾患の発症率が100万人あたり1例か2例に過ぎないことが、いくつかの見積もりに示されている。
代表著者の津田敏秀教授は、東京来訪のさい、「これは予想以上であり、予期していたより早く発症しています。通常の想定値の20倍から50倍になります」とAP通信に語った。
研究論文は今週、オンラインで公開されており、米国ヴァージニア州ハーンドンの国際環境疫学協会が刊行する『エピデミオロジー(疫学)』11月号に掲載される。データは、福島県立医科大学が監理する検査に依拠している。
放射能と癌の関連を意味づけることは、厄介な問題である。つまり、個人の癌症例を放射能に関連づけるのは、科学的に不可能なのだ。福島県のように、決められた方式の検診で厳密に監視することによって、腫瘍の早期発見につながるが、いわゆる「スクリーニング効果」によって集計値が膨れあがることになる。
惨事の直後、福島県に招聘された指導的な医師、山下俊一氏は、放射能が疾患の原因になる可能性を度外視して、繰り返し否定した。政府によれば、甲状腺検査は安全第一だけを考えて、指示されていた。
だが、岡山大学の津田教授は、現在も引き続いて実施されている超音波検査の最新結果が、政府の見方に対する疑問点を浮き彫りにしているという。
子どもたちの甲状腺癌は、医療界が1986年のチェルノブイリ破局的惨事に関連づけた決定的に際立った病気だった。治療すれば、これが命取りになることは稀であり、早期診断が好結果につながるが、患者は生涯にわたり薬物療法を続けることになる。
津田教授の結論について、科学界は賛否に二分されている。
シアトルの公衆衛生大学院・疫学科のスコット・デイヴィス教授は、エピデミオロジー誌の同じ号で、津田教授による研究の決定的な欠陥は、実際の放射線量を推計するために必要な個人レベルのデータが不足していることであると指摘した。
世界保健機関とUNSCEAR(原子放射線の影響に関する国連科学委員会)の両組織が福島視察を実施し、癌の罹患率が安定しており、放射線が原因であると特定できるような上昇はありえないと予測しており、デイヴィス教授はこれに賛同している。
コロンビア大学医療センターの放射線生物物理学を担当するデイヴィッド・J・ブレナー教授は、違った見方をしていた。教授は電話取材に応え、放射線量の個別推計が必要であることに賛成するが、フクシマの甲状腺癌の罹患率が高いのは「スクリーニングのためではありません。これが実態なのです」と語った。
フクシマ放射能と癌のあいだに何らかの関連を示す結論が出せるなら、補償、その他の方針の策定に役立つことになる。政府が安全とみなしている地域に住む多くの人たちが、とりわけ子どもたちのために病気を恐れて逃げ出している。
核施設から20キロ(12マイル)圏内の地域は、立入禁止区域に指定されていた。その境界線は、できるだけ多くの人たちに帰還を促すための施策として、放射能を含む瓦礫や土砂など、汚染の除去が続けられるにつれ、常に引き直されてきた。核施設の解体除去には、数十年かかると予想されている。
マツモト・ノリコさん(53歳)は、かつて立入禁止地帯に外れている福島県郡山市で看護師の仕事をしていたが、惨事の数か月後に、当時11歳だった娘さんを連れて、東京に逃げた。マツモトさんは当初こそ恐怖を一笑に付していたが、娘さんに鼻血と発疹症状が出始めたときに心配になったのである。
「わたしの娘には、放射能なしに生きる権利があります。放射能のせいにするにしても、そう確信するのは無理です。でも、わたし個人としては、病気の背後に放射能があると思っています」と、マツモトさんはいった。
チャペルヒルに立地するノースカロライナ大学疫学部のアンドリュー・F・オルシャン教授は、破局的惨事後の状況の推移にまつわる研究は複雑で困難であると指摘した。
「津田博士の研究には、甲状腺の個別放射線量レベルの評価、そして検出された過剰症例数に対するスクリーニングの影響を万全に評価する能力など、限界があります」と、教授は述べた。
「それでもなお、この研究は、考えられる健康への影響に関する追加的な探求を開始するためにも、政府の方針策定のためにも、また社会の認識を促すためにも決定的に重要です」
ツイッターID: Yuri Kageyama @yurikageyama
【クレジット】
AP, “Researcher: Children's cancer linked to Fukushima radiation,” By YURI KAGEYAMA
本稿は、公益・教育目的・非営利の日本語訳。
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2015年10月10日
甲状腺がん「チェルノブイリの多発傾向と酷似」〜疫学専門家
2015/10/08
に公開
福島県内の子どもの甲状腺がんが多発している問題で8日、岡山大学の津田敏秀教授が外国人特派員協会で記者会見を開き、多発の原因が「被ばくによる過剰発生」であるとした論文の概要を説明した。津田教授は現在の状況について、「チェルノブイリにおいて、4年以内に観察された甲状腺がんと同じような状況にある」などと述べ、今後さらに大規模な多発が起きる可能性があると警告した。
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