2015年10月18日日曜日

RT【ドキュメンタリー】カザフスタンの「スリーピー・ホロウ」~ 脳を侵す謎の疾患に苦しむ村民たち


カザフスタンのスリーピー・ホロウ:
脳を侵す謎の疾患に苦しむ村民たち

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RTビデオ画像 / RT

カザフスタン、カラチの村民10人のうち、1人は白昼から不意に眠りに落ちた――その一部は数日間も目覚めることができなかった――ことがあった。この説明のつかない失調の原因を探ろうと何度も試みられたものの、スリーピー・ホロウの謎は未解明のままである。

カザフスタン北部、カラチ村の住民600人余りは、ワシントン・アーヴィングの『スリーピー・ホロウの伝説』を読んだこともなければ、アメリカの名高いTV連続ドラマや映画を観たこともないだろう――それなのに村民たちはみな、治療法もなく、だれにもかかりうる病気を怖がっているので、自分たちの村を「スリーピー・ホロウ(眠気の谷)」になぞらえているのである。

まず、RTドキュメンタリー全編を観ていただこう――


カラチの人びとはこれまで2年間にわたり――彼らの呼び名でいう――「眠り疫病」に悩まされてきた。村のだれにも、はっきりした理由もなく眠りこんでしまったことのある家族か友人がひとりはいて、地元の人たちによれば、いままでに100人余りがそうした経験を――何人かは一度ならず――したことがある。


ある最近の事例では、9月の登校初日に子どもたちが倒れはじめ、1時間で8人の児童が眠りこんでしまっている。それ以前にも、20人の人たちが卒倒し、数日間も眠りつづけており、独自に調査するために現地に赴いたRTドキュメンタリー取材班に、ある救急隊員は、「冬のことですが、一度に少なくとも60人いました…われわれは彼らを列に並べて横たえました」と語った。


ウィルス学者、放射線学者、毒物学者など、科学者と医師の団体が村を訪れ、問題に取り組んだ。それでも、睡眠症状の原因と因果関係は未解明のままであり、患者たちは、ある日、二度と目覚めないようになるのではと恐れたままに取り残されている。


病気にかかっている子どもの父親、イゴル・サムセンコは、「起こそうとすれば、眼を開けたいと思っているようなのですが――できないのです。あの子は眠りに眠るだけ…」とRT取材班に語った。人びとはまた、幻覚(ある少年は自分の体からカタツムリを摘みだしていた)、記憶喪失、目眩(めまい)、吐き気など、さらなる症状を並べあげた。


ある女性は、「わたしは弱っており、まるで100足のブーツを履いているように、足が重く感じ、頭は回っています」とRT取材班に語った。他の患者たちは「酔っ払っているように」ふるまっている。「舌がもつれて」、他の人たちに訴えて、助けてくれということも難しい。

医者たちは、「週まるごと眠りこんでしまった人もいます」という。


眠り病にかかった人たちは、ウィルス疾患と診断されている、その一方、子どもたちは、毒性脳症、脳機能不全の治療を受けており、成人は脳卒中を起こしているといわれている。だが、数日間、集中治療を受けると、普通の生活に戻る――それも、またもや異常な眠気を感じるまでだが。集団精神病のせいだという医者たちもいる。


極端な眠気の原因はカラチの近くにある鉱山から吹いてくる風であると信じている人は多い。ソヴィエト時代には、ウラニウム鉱業のせいで、村の存在は最高機密に指定されていた。鉱山は2年余り前に閉山され、地域の一部は放棄された。かつて豊かだった近隣地区が、いまとなれば、廃墟になっている。


異常睡眠の原因として、放射能を疑う住民も医者もいない。

元鉱夫は、「労働者たちは長年にわたり鉱山で働いていたが、だれも眠りこんでいなかった」という。


多様な形態の放射線疾患に関する研究論文に、眠気症状は叙述されていないと医者たちはいう。


町の中と、それに最も近い鉱山の放射線レベルは、通常値である1時間あたり16マイクロレントゲンであるが、さらに村から遠い、放棄された縦坑鉱山の埋め跡で、RT取材班の線量計は驚くべきことに268マイクロレントゲンを示した。独立系機関による、カラチの水、土壌、植生の試料分析では、いかなる異常も認められなかった。


【クレジット】

RT, “Sleepy Hollow in Kazakhstan: Villagers suffer from unknown brain-affecting disease”
本稿は、公益・教育目的・非営利の日本語訳。

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