2015年10月19日月曜日

RTドキュメンタリー【ビデオ】カザフスタンの「スリーピー・ホロウ」~ウラニウム廃鉱山近隣の村に蔓延した謎の眠り病


カザフスタンの「スリーピー・ホロウ」
Sleepy Hollow, Kazakhstan



2014/12/10 に公開
彼らはそれをスリーピー・ホロウと呼ぶ。謎の病気に席巻された――住民が明白な理由もなく眠りに落ちる――カザフスタンの小さな村のことである。この無差別に襲う疾患には、治療法がない。症状が不意に現れ、患者は、二度と目覚めるか、定かでない。亡霊の仕業というものがいれば、近場にある閉鎖鉱山のせいだという人もいる。だが、医師たちとか学者たちによって、繰り返し謎を解く試みが繰り返し実施されてきたものの、疾患の原因と影響は未解明のままである。いまRTドキュメンタリー取材班は、カラチ村に赴いて、独自調査を実施する。

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0:00
カザフスタン北部、20144


0:24
「眠り疫病」がカラチを席巻していますが、その原因は未知のままです。最初の症例が記録されてから2年にわたり、さまざまな年齢の人たちが卒倒し、数日間も眠りこんできました。


0:40
眠りの谷、眠りの谷…連中がわたしたちに投げかける呼び名です。


0:46
イグル・サムセンコ:
この子は走りまわりますが、元気なくなって、よろめきはじめ、首を回すと、見ているものに眼が釘付けになるのです。頭は眼よりも速く動きます。この子を起こそうとすると、眼を開けようとするようですが、開けられないのです。眠りに眠ります。


1:15
カザフスタンの「スリーピー・ホロウ」



カザフスタンの首都、アスタナから445キロ
ソヴィエト時代、村は「最高機密」に指定されていた
ウラニウム鉱山のためである
鉱山は1980年代に閉鎖された


1:57

「美しい明日から呼ぶ声が聞こえる
銀のジングルベルのようにわたしを呼んでいる
魅惑的な道路が、回転木馬に乗る子どものように
わたしを目眩させるとき、その声が聞こえている
わたしの美しい明日
わたしを苦しみや悲しみに誘わないで


苦しみや悲しみに誘わないで
わたしをこれほど傷つけないで
純粋な源から美しい明日へ
わたしは付いていきます
美しい明日へ、わたしの道を歩き始めます


2:36
わたしは、ここ、町の病院で生まれました。わたしはもちろん、ここで起こったことのほとんどを亡くしてしまいました。すべて、廃墟です。こちらだけが、無傷で残っている住宅です。


ここのは、ようやく建っているだけです。町のその他の場所は廃墟です。わたしの家は、とうの昔に閉じられました。でも、住宅棟は建ったままです。できない人、他に行くあてのない人たちが、ここに残っています。


3:07
最初の家です。みなさんも眠り病です。あの家が見えますか。子どもたちが眠っています。この先でも、起こっています。あの女性の子どもたちも眠りこんでいます。


3:11
オルガ・サムセンコ:
…コンニチワ。
あの家が見えますか? 子どもたちが眠りこんでいました。この先に行っても、起こっています。あの女性の子どもたちも眠りこみました。


3:20
農場のどこでも、いつでも、起こりえます。あれは学校です。体育の授業をしています。91日、集会のあと、子どもたちが倒れはじめました。1時間のうちに、8人の子どもたちが眠りこみました。


3:46
この子は具合がずっと悪いです。
昨日、なにがあったの?
学校に行ったのを、憶えてる?
行ったのね? 学校に行って、どうしたの?
集会があったでしょ?


4:06
…家に帰った。
…集会が終わって、すぐに帰ったの?
…どこかで遊んだの?
…遊ばない。
…それで、なにが起こったの? 目眩(めまい)がしたの?
…いまも?


4:20
地域の小児科病院、カイロ・アブデュクマノフ医長:
子どもたちの全員がCTスキャンを受けました。散乱性の脳浮腫が認められましたが、神経病理兆候に関して、悪化はありませんでした。髄膜炎の徴候は認められませんでした。子どもたちは質問にすべて完璧に答えました。


4:37
ぼく、集会から家に帰ったの。ぐらついて、倒れたの。アンドレイが助け起こしてくれた。ティムルさんとエフゲニーさんが車に乗せて、連れて帰ってくれた。


4:53
…それから、どうしたの?
…憶えていない。

5:00
…そこで、前回は何人を搬送しましたか?
救急車ドライバー、グリゴリー・スミロフ:
20人以上いたかな…冬には、少なくとも60人いました。


5:12
われわれはみなさんを列に並べて横たえました。まるまる1周間、眠っていた人たちもいました。子どもたちは立っておられず、倒れこみました。子どもたちは、酔っ払っているようにふるまっていました。


5:28
子どもたちは幻覚を起こしていました。ある少年は体からカタツムリを摘みだしていました。他の子どもたちは頭が破裂するといっていました。気違い沙汰でした。


5:36
…話そうとしても、舌がもつれるのです。
…みなさんは亡霊のせいだと考えています。
…そんなこと、だれも考えていない!
…半分は、考えているよ。


5:47
オレグ・セメルノフ:
あの人たちは悪霊が体から出ていくと考えているのです。だから、ぼくたちは眠りこむのです。


5:54
マリナ・サムセンコ:
オーリャは、友だちのスヴェタが鉱山かなにかに行って、そこで灰色の煙を見て、それから風が吹いて、その煙が別の方向へ行ったとわたしに言ったのよ。オーリャは、その煙がこっちに来ていると、わたしたちが眠りこむと言ってるわ。


6:30
…ここで、なぜみなさんが眠りこむのか、どのようにお考えですか?
…わたしたちはなにも教えられていません。


6:36
リュドミラ・プシャコワ:
わたしたちに、だれも、なにも言わないのです。人びとは真実を語るのが怖いのです。ここでなにかの埋葬式がありました。ある地元の人がそこで働いていました。その人は、彼らが、なにかの毒の水かなにかと黒い箱を運んできたと言っていました。そして、それが埋められました。ありうることです。互いに作用しあう重金属類かもしれません。


6:58
アルス・シャラファエワ:
男たちが第7鉱山に行ったのですが、そこは奇妙な甘い匂いがしたそうです。それ以上、進むのが怖くなったのです。わたしたちは、なにが貯蔵されているのか、恐れています。明日にでも、わたしたち全員が眠りこのでしまうのではと怖がっています。


7:20
…病院でなにをやったの?
スタス君:注射した…
…注射したの?
…うん、注射。
…プチュ、それでおしまい。


7:32
…あ、マリナだ!
…行こう、ママに挨拶だ。
…やあ、わたしのバニー。
…見て、この子、まだ目をすっかり覚ましていないわ。
…キスさして。
…それはいいが、ドライブで疲れているんだ。
…注意して。この子を連れていくわ。
…ちょっと待て。ママになにかだろ。
…見て、この子、ダニラの方に行きたがっている。これはオレグよ。
…こっち、おいで。こっち、おいで。
…どうして、この子、まだふらついているの?
…旅で疲れているのだ。
…おいで。抱っこしてあげる。
…キスするよ。
…キスさせて。
…この子、酔っ払っているみたいだわ。


8:14
オルガ・サムセンコ:
怖いわ。わたしたちも全員、眠りこんだことがあるので、どう考えていいのか、わかりません。これが赤ん坊たちに影響しないと願うだけです。あとは、どうでもいい。


8:25
…どうして、お前、ふらついているの?
おいで、キスさせて。


8:34
…彼は毒性脳症と診断されました。医師は脳の浮腫だといっています。非常に軽くて、危険はまったくありません。
…あの子たちに、なにも危険はないのですか?
…わたしは、先生がおっしゃったことをあなたにお伝えしているだけです。検査の結果も大丈夫です。
…いつものとおりですね。
…同じことを言われています。


…すべて良好。わたしは妊娠4か月目でした。最初、わたしは前かがみに倒れこみ、起きあがりました。具合が悪い、熱すぎると感じました。外に出て、家に入り、スイッチを消しました。その後は、なにも憶えていません。先生は、わたしがインフルエンザにかかっているとおっしゃいました。わたしの医療記録は、熱が37.3℃あると書かれていました。目眩と虚脱感があるとも書かれていました。それですべてです。


…でも、それでお子さんのことは、どうおっしゃりたいのですか?
…この子が眠りこむとすれば、どのようにあなたがたは言えるのですか? わたしはイゴルを揺さぶりましたが、目覚めませんので、セルゲイを呼びました。彼は赤ん坊のそばに座り、わたしは救急車を呼びました。わたしたちはこの子を寝させませんでした。この子はものが二つに見えていました。ダニラが来たとき、「わあ、ダニラがふたり」といいました。

9:47
TVニュース:
カザフ人科学者たちがカラチ村で実施した最近の研究によれば、眠り病はウィルス性ではありませんでした。最高のウィルス学者たちと放射線学者たちが村全体を調査し、毒物学者たちは全戸を視察しました。彼らは最先端テクノロジーを用いましたが、患者たちの診断を下すことはできませんでした。


10:22
…わたしを死なせるつもり? あなたの声はとても大きい!
…元気が抜けたと思うわ。歩くのも難儀だわ。
…一時、テレビを消してもかまいませんか?
…大丈夫。テレビは要りません。


10:39
…これで、何日目ですか?
6日目です。
…ただ横になっているのですか?
…ええ。
…起きあがってみようとしますか? 最後に起きあがったのは、いつのことですか?
1時間前よ。でも、磁石に引っ張られるように、ベッドに倒れこんだの。それから、外に出ると、太陽が輝いていたので、「エレナ、わたしは魚釣りをしたい…」といったの。これが終わるまで、魚釣りはなしね。
…口が乾いている。わたしは弱っていて、足が重く感じる。まるで、ブーツを100足履いているみたい。頭も回っている。


11:21
…これが始まったのは、豪雨のあとでした。強い風が吹いて、その後、人びとが次から次へと眠りこみました。その風は、あの鉱山から吹いていたのです。

11:37
…「わたしは魚釣りに行くべきかしら?」と、彼に聞きました。
…「ミャーオ!」
…「わたしは魚釣りに行くべきかしら?」。沈黙です。わたしを行かせないのです。
…彼はなんて言えるのでしょう? 「はい、わたしも行きたい!」。魚はほしいが、わたしを行かせないというのです。魚釣りに行くのは早すぎる!


12:18
元鉱夫、アレキサンドル・ラッツ:
釣り竿を振りましたが、揺れと目眩を感じました。魚を釣りあげ、針を外しにかかりましたが、川に引きこまれるように感じました。悪霊がわたしを倒そうとしているかのようでした。その後、もう1匹、釣りあげました。川が目の前で揺れはじめました。わたしはどこか具合が悪いと了解しました。吐き気を感じました。車に乗りこみましたが、運転していたのを憶えていないのです。病棟で目覚め、家族が取り囲んでいました。同じ日に、わたしたち5人が病院に搬送されたのです。3日間。そうだろ、ワレリー? 3日間の集中治療です。先生は、彼に発作があるといいました。彼が眼を開けると、話したり、歩いたり、あれこれできるのです。


13:18
…わたしは自分が翼のある馬たちに連れ去られる夢を見ました。連中は飛んでおり、わたしを掴んでいるのです。わたしは叫びました。医者たちがわたしに注射をうち、わたしは目覚めました。


13:31
あらゆる可能性のなかで、これは地面から湧きでるガスの影響であるはずです。症状が、これはラドンであると示唆しています。この不活性ガスの原子のふるまいは、人間の神経系に対する強い影響をおよぼします。そして、神経系は脳のなかにあります。


13:52
地元の人たちは、これまでの2年間で100人余りが
異常な睡眠を経験していると推測している。
一部の人たちは一度だけではない。
だが、公式な統計は存在していない。


14:35
…オレグ! 起きて、学校に行く時間よ。ダニラ! 起きなさい。
…わたしの、かわい子ちゃん! さあ! 体を伸ばして。わたしの小さなバニー。
…起きて、みな揃っていて、うれしいわ。朝、起きれば、元気ってこと。すばらしい! 
…だれかしら? 小さな兄弟よ!
…お散歩に行きますか? バニーたち。
…朝、電話を入れて、みなさんが起きているか、確かめたわ。
…ここでたくさん検査され、試料を採られたわ。でも、だれも結果をわたしたちに伝えてくれない。連中は大事(おおごと)でないというので、呆れるわ。
…どうして、これが大事ではないなんて言えるの?
…彼らは去年、「だれも死んでいない!」といったわ。
…それが、連中の言い分なのよ。
…なぜクヨクヨしているのですか? だれも死んでいません。
…みなが昏睡に陥っていたとき、ある年寄りがやはり眠りこみ、死亡しましたが、彼らは脳卒中を起こしたというのです。


16:04
わたしたちの集団農場は、この水だけを使っています。他のは使っていません。料理のためと、冬には、川から採水できませんので、洗浄のためにもです。

16:15
これをモスクワに持ち帰って、分析します。



われわれは、水の分析に加えて
土壌と植生の試料を採取した


16:33
…人生はつづく。大事なことは意気消沈させない。

16:48
…わたしはここ、彼女はあちらにいます。
太陽は空に輝いていた
草は芝地で緑だった
彼女は結婚したかった
夜明けから夕闇まで男を探した
彼女は道沿いの花をすべて摘み
リースを作った
バジルのワシリー
カリフラワーのコーリャ
ヒヤシンスのハリー
ポピーのパヴェル
12345678
…前へ。
…回って、2、進め。


17:44
これが、わたしたちの町が変わり果てたありさまよ。この住宅に4人が住んでいます。こちらに2人。この棟に6世帯ほどいます。いまでは、だれにもウラニウムは要りませんので、鉱山は閉鎖されました。そしてだれにも、人間が必要でなくなりました。あれが、この町の暮らしの終わりでした。


…コンニチワ
…コンニチワ
これは幼稚園でした。とても美しく、裕福でした。
これが、冬に備えて、薪を用意する場所でした。乾いた木を切り、暖房に使うために小屋で貯蔵していました。

18:45
撮影しないで。ひどいんだから。


18:54
リュボフ・ベルコワ:
わたしが初めて眠りこんだのは、ここです。まさしく、ここ。最初の昏睡です。憶えていることができないので、そのことについて、書きおろしはじめました。最初が20104月、次が20109月のことでした。なんと大違い。それから、20111月、20114月、20116月、201110月、20123月でした。虚血性脳卒中の診断を受けました。


…コンニチワ
…コンニチワ
その後、お隣さんたちも眠りこみました。なぜ、わたしたちがここで眠りこむのか、わたしにはわかりません。たぶん、あれがここに蓄積しているのでしょう。いま暖かくなりましたので、部屋の換気ができます。
…ここに放射能があるのか、ご存じですか?
…わたしにはわかりません。わたしたちは、計測するカウンタを持っていません。
…あなたにできますか?
…わたしはボタンを押しました。
…ここは、暖房がありません。ですから、2時間ほど、ここに来ます。場合によりけりで、お客さんが来店すると、着終わるまで、ここに座っています。時には、だれもいらっしゃいません。そこで、なにを見せていただけるのですか? どれほど高いですか?
…(機械音声)線量率、1時間あたり19マイクロレントゲン。レベルは正常値。



村から3キロメートル


20:46
…ここは、規制区域だ。人はここに踏みこみません。ここにかつてウラニウム鉱山がありました。採掘は1980年に終了しました。第4鉱山の縦坑は埋め戻されました。
…線量率、1時間あたり16マイクロレントゲン。
…どうです? ここに放射能はありません。


21:17
アレクサンドル・ラプテフ:
ここになにもないと、自分の目で見たでしょう。だから、放射能を眠り病の背後にある原因と決めつけるのは、根も葉もないことなのです。鉱夫たちは何年にもわたり鉱山で働いていましたが、だれも眠りこみませんでした。いまわたしたちはここに立っていますが、だれも倒れていません。


21:32
6鉱山まで行って、そこでも測ってみましょう。あなたとわたしに証明してみせるためだけでなく、有毒物質が地中深く埋められたことを人びとに示すためです。放射能はありません!


21:51
なにか毒のあるものがここから拡がっていたとだれもが考えました。わたしたちはクルチャトフ[モスクワ、ロシア科学センター・クルチャトフ研究所]に行って、放射性核種の検査を依頼しました。彼らは、すべて通常限度内だといっていました。わたしたちを眠らせたものは、放射能ではなかったのです。


22:21
…これは唯一の民営施設です。塩と鉛の工場でした。
…これは第9鉱山の縦坑です。ここで測ってみましょう。
…物資搬出入抗です。これが搬出口です。
…ですから、最も危険な場所と考えられているのですか?
…いいえ、ここでなにが見つかるというのですか? すべて砂利で覆われています。
…線量率、1時間あたり84マイクロレントゲン。注意。
268だ。
…どうやら、もっと先まで行くべきじゃないのか?
…この器械はデータを記録しなかっただろ? つまり、ここになにかあるということだ。あちらでは、16マイクロレントゲンを示していました。そして、こちらでは268です。
…このことについて、だれがわれわれに告げるべきなのだ?
…われわれが当局に話すべきだ。
…ここの線量がこれほど高ければ、改めて埋めるべきだ。
…ここで漏れているはずですね?
…確かにそうですね。だが、眠り病の原因になってはいません。しかし、ここにいてはなりません。じゃ、移動しますか。


23:36
わたしたちは医師が指図した処方を実施しています。あのような睡眠のあと、あなたはこれほど弱り、目眩と眠気を感じています。わたしは、その理由を知りたいとほんとうに思っています。
…怖いですか?
…もちろんです。


24:00
看護師、マリナ・パシュクルラト:
あなたはベッドに入って、起きるのだろうかと訝っています。


タチアナ・マチュシナ:
もちろん、わたしたち、特にお子さんを持っている人たちはそうです。コクシェタウ[カザフスタン北部アクモラ州の州都]で検査を受けた子どもたちの全員が、虚血性脳浮腫と診断されました。
…どれほど、これは危険なのですか? よいとはいえませんね。
…影響がどうなるか、わかりません。おそらく、気が狂うでしょう。あるいは、何らかの失調、頭痛に襲われるでしょう。


24:35
ぼくは学校に行くと、こめかみに打撃を感じるんだ。そして、ここ。まるで斧で頭を叩き割られるみたい。
…ありえない。
…どれほど痛いか、わかっているの? 薬も効かない。
…医者に見せに行かなきゃ。
…まだ痛んでいる…丁度ここ。最初、ママは注意してくれなかった。いまはやりすぎだ。


…わたしはお目めをつむる…


25:24
眠るのに丁度いい天気だ。ランチのあと、このような天気の時に始まった。人びとは倒れはじめた。だが、今日は平穏だ。
オルガ・サムセンコ:
わたしたちは恐れていますが、まだなにも起こっていません。でも、もし鉱山から風が吹いてくれば、みなが眠りこけるでしょう。



P.S.
26:05
眠り病が猛威を振るっています。さらに4人の人たちがカラチ村から病院に搬送されました。なにが原因なのか、当局者たちと科学者たちはまだ説明できていません。専門家たちはカラチで調査を実施しましたが、結果は出ませんでした。



独立系機関による、カラチの土壌、根茎の分析では、いかなる異常も認められなかった。
水の鉛濃度は通常レベルより若干高かった。

P.S. 撮影班一行は、カラチ行きのあいだ、異常な睡眠に見舞われた。



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