仏紙ルモンド「川内原発の再稼働、一時停止」
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21日付け記事なので、海水漏れを「細管5本の損傷」ではなく、「ポンプの不具合」としているが、はるかフランスでも、動向を注視しているのがわかる記事
— inoue toshio 子どもを守れ! (@yuima21c) 2015, 8月 24
LeMond Énergies |
川内原発の再稼働、一時停止
Le Monde.fr 2015 年8月21日
川内原子力発電所。ISSEI KATO / REUTERS |
2011年3月のフクシマ惨事後、日本で最初となる、川内原子力発電所1号炉の再稼働は8月21日、2次冷却系のポンプの不調のために支障が生じたと九州電力株式会社の広報担当者が発表した。
専門家らと規制当局は、停止後4年たってからの再稼働には困難がつきまとうと警告していた。九州電力の技術者らは、タービンを回転させ、発電する水蒸気を発生させる2次冷却循環系のポンプのひとつに海水が侵入したのが問題の原因だと信じている。
重大政治問題 Un enjeu politique majeur
当初の計画によれば、川内原発1号炉は25日に全出力運転を達成し、9月初めに営業運転を開始することになっていた。
川内原発の再稼働は、国民に課せられるリスクのため、世論の過半数がこの発電方式に強硬に反対している日本で、核の復活の忠実な支持者である安倍晋三首相にとって、重要な政治課題になっている。日本国内の他の反応炉は2013年9月以降、すべて停止したままである。
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http://www.lemonde.fr/energies/article/2015/08/21/le-japon-suspend-le-redemarrage-du-reacteur-nucleaire-de-sendai_4732167_1653054.html#0277DTcvf9VbGlGU.99
8月25日更新:【補足情報】
[訳注]川内原発の不具合について、わかりやすい解説がありますので、少々長いですが、学習のためにウィキペディア掲載の模式図と併せて転載させていただきます…
復水器細管の損傷か 山崎久隆(たんぽぽ舎)
◯ 川内原発は原子炉起動後10日目でタービン直下の復水器にある冷却用海水細管の損傷により、復水器内部に海水が浸入する事故を起こし、出力上昇操作を中止した。しかし75%の出力は維持しており、運転を止めたわけではない。
25日に予定していた100%出力運転は延期されたが、使用前検査は続いている。
九州電力は「運転継続に支障はない」としている。また、三系統あるうち漏えいした一系統の復水器を解列して、詳細に点検した結果、5本の細管に損傷が見つかったと24日に発表した。しかし、それが全てという保証はない。
復水器は、3系統ある二次系統の蒸気発生器から蒸気を送り、それぞれが繋がった3台の低圧タービンを回し、海水により冷やされて給水ポンプにより蒸気発生器に戻される。その復水器は3つに分かれているが、それがさらに2つずつの「水室」に分割されている。一つの水室に13,000本、全部で78,000本余りある細管の中から、穴の開いた配管を特定し、栓をして海水の流れを遮断した後に、出力上昇を再開することになっている。
9月上旬と予定されている営業運転も遅れる可能性があるだろう。つまり「再稼働」を「使用前検査の合格証交付」とするならば、未だ再稼働していないということだ。再稼働前に、もう壊れたわけだ。
◯損傷箇所
報道によると20日午後2時19分に、復水ポンプの出口付近で導電率の異常を示す警報が鳴った。復水器に漏れ出たとみられる海水はイオン交換樹脂を使った脱塩装置で除去する設計であるから、安全上の問題はないとしているが、塩分が二次系に回ることを完全に阻止することは出来ない。
二次系とはいえ、蒸気発生器の細管外側に塩素が到達することになるので、二次系の環境が悪化する。応力腐食割れのリスクを高める。
また、復水器の破損箇所が急激に広がると、海水が大量に漏れ込む可能性もある。そうなれば二次系の大規模汚染になるので、結局止めることになる。
◯復水器と二次系
冷却系統が一次系と二次系に分かれている加圧水型軽水炉では、復水器とそれに繋がれている二次冷却系統は放射性物質が「流れない」とされているので、一次系のような「高基準の安全性」は要求されていない。そのため大きな損傷の可能性があっても原子炉停止をしない事が多い。2004年8月に美浜原発3号機で発生した冷却材の配管破断事故では11人もの死傷者を出したが、運転中に定期検査の準備作業が行われていたため大勢の作業員が140度の熱水が流れる冷却配管の真下で作業をしていたため大惨事になった。この配管は、運転時から一度も検査されていなかった。
沸騰水型軽水炉は、復水器に繋がる系統は原子炉を通る一次冷却系統なので、海水が侵入すれば直ちに原子炉に達する。そのため炉心損傷に繋がる恐れがある。また、海水管が大きく破損して逆流すると放射性物質の拡散事故になる。
◯過去の事故例
浜岡原発5号機で2011年5月14日に当時の菅直人首相の要請で原子炉停止作業を行っているうち、復水器内部の細管に付けられていた蓋が外れて飛び、細管を多数破壊した。その結果400トンもの海水が系統内に入った。原子炉にも相当量(中電は5トンとしているが明確な根拠はない)が侵入し、原子炉圧力容器を含む多くの部材を腐食させた。
今でも5号機が再稼働の申請が出来ない理由である。
"Schema Druckwasserreaktor 02" by User:Saperaud - Beschreibung: Schema eines Druckwasserreaktor. *Quelle: Selbstgezeichnet *Zeichner: Robert Steffens *Auflösung: 800x 489Pixel == File history German Wikipedia == * (Löschen) (Aktuell) 14:46, 14. Dez 2004 . . RobbyBer (97301https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Schema_Druckwasserreaktor.png. Licensed under CC 表示-継承 3.0 via ウィキメディア・コモンズ.)
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