エネルギー省前の反核抗議行動:
グリーンピース活動家ら、巨大なトロイの木馬を庁舎に鎖止め
プレスリリース 2015年7月25日
【プレトリア、2015年8月25日】 グリーンピース活動家たちは本日、プレトリアのエネルギー省本庁舎の外で、高さ4メートルの「トロイの木馬」[1]にわが身を縛りつけ、エネルギー大臣と対決した。活動家たちは、核事業投資提案にまつわるエネルギー省の透明性の欠如に抗議し、核開発計画が罠――南アフリカ国民が賄いきれない値札のついたトロイの木馬――に他ならないことを大臣に思い起こさせようとした。
核エネルギーは南アフリカを破産に追いこむトロイの木馬
グリーンピースの代表団は8月17日、グリーンピース・アフリカのマイケル・オブライエン=オニエカ事務局長が認めた書簡をエネルギー大臣に手渡し、1週間の期限内に回答し、グリーンピースが提起した重要問題[2]に対処して、重要な核エネルギー情報を公開するように求めた。8月24日深夜まで、大臣からも、官房からも回答がなく、グリーンピース活動家たちは抗議行動を実行することになった。
活動家たちがわが身を縛ったトロイの木馬はエネルギー省の正門に鎖で繋がれ、国内で核エネルギーを拡大する計画に関連する危険を当局者たちに思い起こさせることになった。ギリシアの歴史によれば、トロイの木馬はギリシア軍からの贈り物として使われ、トロイの城内に入りこんで、トロイの街を破壊する先導になり、トロイ戦争に勝利した。「トロイの木馬」は今日、内部から掘り崩すように仕組まれたトリック、または罠を意味するようになった。
「本日のグリーンピースの抗議行動は、政府と核エネルギー推進派ロビーの提示する核取引が、南アフリカにとって、よいものを装いながら、トロイの木馬に他ならないという事実を浮き彫りにします。新たな核反応炉の建造に少なくとも10年はかかりますので、核エネルギーに対する新規投資は罠であり、現在の南アフリカの電力危機の解決策にはなりません。現実として、核エネルギー投資の――1兆ランド(9兆円)に達する――費用は国を破産させるでしょうし、あまりにも少量の電力を、手遅れになってから、そしてあまりにも高い単価で供給することになるでしょう」と、グリーンピース・アフリカ気候・エネルギー・キャンペーンのメリタ・スティール管理部長は述べた。
グリーンピースは、核エネルギー投資に関するすべての研究とアセスメントの公開を、総合資源計画(IRP)改訂版の完成に向けたスケジュールの公表、および広範におよぶ公聴会の開催と併せて要求している。エネルギー省によれば、核エネルギーにおける新規投資を進めるにあたって、国の電力計画、IRP2010が基礎になる。しかし、この計画はもはや2年間遅れの代物であり、これでは要するに、投資が賞味期限切れの想定と需要見通しにもとづいて決定されることになる[3]。
「南アフリカ国民には、核反応炉に対する新規投資の決定がなににもとづいているのか、知る権利があります。グリーンピース・アフリカは、新規核反応炉に対する投資計画に関連するすべての研究とアセスメントを公有財産として公表することが公的な関心事であり、国の電力計画は更新されなければならず、核エネルギー投資に関する公聴会は開かれなければならず、環境影響アセスメントは核エネルギー関連の調達手続きがはじまる前に完成していなければならないと信じています。そうでなければ、核関連の調達手続きの全体が傷物になってしまいます」と、スティールはつづけた。
活動家たちはまた、本日の抗議行動のさい、核エネルギーはトロイの木馬であり、核は地球に代価を払わせると書かれたバナーを掲げ、太陽エネルギーが解決策であり、太陽にスイッチを切り替えろとエネルギー省に訴えた。
「グリーンピースは、核エネルギーがどこにも行くことができない袋小路の高価な代物であり、再生可能エネルギーが現在のエネルギー危機の解決策であると固く信じています。わたしたちは、国の電力に未来についてエネルギー省と協力しようと繰り返し努めてきましたが、エネルギー省は、ますます不可解になり、根拠のない核エネルギーに対する投資手続きをつづけてきました。ロスアトム(ロシア国営核企業)、それにアレヴァやウェスティングハウスなど、無節操な核企業は、国の現実的で切迫したエネルギー需要がなにか、完全にお構いなしに、南アフリカの核エネルギー開発を競い合っています。わたしたちは、秘密主義にあまりにも染まった手続きが、南アフリカに時限爆弾を仕掛けていると信じています。エネルギー省に隠し事がなければ、完全な透明性が核取引の基本になるでしょうから、わたしたちはすべての核関連情報を公開するようにエネルギー省にけしかけているのです」と、スティールは締めくくった。
【注】
[1]
何千年か昔、ギリシア人は、自軍がトロイ城内に入りこむための贈り物として、巨大な中空の木馬を建造し、首尾よく街を破壊し、トロイ戦争に勝利した。「トロイの木馬」は今日、内部から掘り崩すように仕組まれたトリック、または罠を意味するようになった。新規核エネルギー投資はわたしたちに賄いきれない罠なので、わたしたちは高さ4メートルのトロイの木馬をエネルギー省に運んだ。
[3]
IRP2023年改訂版は、「需要見通しによれば、新規核電源ベースロード容量は2025年後になっても必要ではなく、代替選択肢もあることが示唆されている」と結論づけている。しかながら、この文書は視界から消えてしまった。
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グリーンピースの活動家たち、南アフリカの首都、プレトリアのエネルギー省本庁舎の前で同国の核エネルギー開発計画に対して抗議行動
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— inoue toshio 子どもを守れ! (@yuima21c) 2015, 8月 25
グリーンピース活動家たち、南アの原子力計画に抗議
ヴァレスカ・アブリュー Valeska Abreu
グリーンピースの活動家たち。 Picture:
Valeska Abreu
グリーンピース活動家たちは、プレトリアのエネルギー省本庁舎入り口の柱に鎖で固定した高さ4メートルのトロイの木馬に体を結びつけた。
彼らは南アフリカの原子力計画に対して沈黙の抗議をしている。4名の活動家たちが、白色の安全防護オーバーオールとマスクを着用して、冷たいセメント床に座りこみ、「核に未来はない」、「ソーラーが解決策」と書かれたプラカードを高く掲げている。
活動家グループは、エネルギー省が、核エネルギーではなく、再生可能エネルギーに計画を絞るように要求している。気候・エネルギー・キャンペーンのメリタ・スティール管理部長は、核エネルギーが罠であり、国を破産させかねないという。
このロビー団体は7日前にエネルギー省宛ての要求書簡を書いたが、まだ回答を受け取っていないという。「これはエネルギー省が核の問題にかかわっている実態を表しています」と、スティールはいった。
彼女は、彼らが回答を受け取るまで、エネルギー省の外で待つという。
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