2015年9月14日月曜日

【海外短信]テネシー渓谷開発公社、米国で今世紀初の新規核反応炉の免許を申請




テネシー渓谷開発公社、米国で今世紀初の新規核反応炉の免許を申請

ハーマン・K・トラビシュ Herman K. Trabish  2015818


概要:

ü  テネシー渓谷開発公社(TVA)は、ワッツ・バー核施設の1,150メガワット2号機の運転免許を米国原子力規制委員会(NRC)に申請した。これは、1996年以降、営業運転を開始する米国初の核反応炉になる。

ü  免許申請は、2号機の試験が完了し、運転準備が整ったことを意味する。TVANRCに提出した免許申請は、施設の準備状況と安全性を実証するために必要な他の作業をリストアップしているので、施設が稼働する時期は不明である。

ü  2号機の建設は、米国が核発電に向かって大きく方向転換したころの19731月に開始された。工事は、米国のエネルギー需要が落ちこんだり、スリーマイル・アイランド、チェルノブイリ、フクシマの事故でNRC基準の改定を余儀なくされたりして、何度か中断されていた。

詳報

TVA理事会20124月、数度にわたる予算超過と工事遅延を見直し、42億ドルの予算を組んで、2015年末に稼働を開始する目標を定めた。TVAのビル・ジョンソン総裁によれば、事業が99%完了しており、それは補正にもとづく「時間と予算に」もとづいているという。

NRCが免許を付与すれば、TVAは反応炉の核燃料装填を認められることになる。数百ページにおよぶ免許申請書は、施設が完璧に安全であると認められるために、まだ必要な試験項目を数多くリストアップしている。

TVAによれば、安全性と性能品質を確保するために重要な4必須要件を達成しており、予算とスケジュールに沿って事業が進んでいる。その必須要件とは、静水圧試験、核反応炉容器構造体、安全関連システム機能を保証する容器開放試験、米国に導入されたばかりの実用的なFLEX装備の格納建屋の整備と検査である。

FLEXは、通常のシステムとその他の予備システムが機能を喪失する事態に備える深層安全確保策として、冷却を維持するのに役立つ予備電源と非常用装置を複数箇所に追加的な配備することで、フクシマに学んだ死活的に重要な教訓に対応している。

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